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放課後キッチン、3年間のレシピ  作者: 南蛇井


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36/86

36. ハロウィンお菓子作り(かぼちゃプリン)

放課後の家庭科室。

窓から差し込む夕陽が、ステンレスの調理台をオレンジ色に染めていた。


「じゃーん!」

実花がスーパーの袋をドンと置き、中からかぼちゃ、牛乳、生クリーム、卵、砂糖を次々と取り出す。

その光景だけで、もう甘い香りが漂ってきそうだった。


「かぼちゃでお菓子作るの、なんか秋って感じ!」

杏子が手をわくわくと振りながら、袋の中を覗き込む。


「はしゃぐのはいいけど、ちゃんと裏ごししないとザラザラになるぞ」

翔子は腕を組み、冷静に釘を刺す。


「了解っす!」と杏子は元気に返事をするが、その顔は明らかに“雑にやりそう”な未来を予感させた。


「じゃ、俺は切る係な」

佐伯先輩が包丁を手に取り、かぼちゃの硬い皮に刃を入れる。コトリと落ちる切り口から、ほんのり甘い香りが広がった。


「あとな」

顧問が腕を組んで一同を見回す。

「作りすぎて持ち帰れない量にならないように」


杏子と実花が同時に「はーい」と答えるが、その返事が妙に軽いのを、翔子はしっかり聞き逃さなかった。



蒸しあがったかぼちゃから、ほくほくと白い湯気が立ちのぼる。

甘くてやわらかな香りが、家庭科室いっぱいに広がった。


「熱いうちに皮を外すぞー」

佐伯先輩の号令で、みんながそれぞれかぼちゃを手に取り、スプーンや手で皮を剥いていく。指先にほんのり熱が伝わって、秋のぬくもりを感じる瞬間だ。


「うわ、このまま食べてもおいしい!」

杏子がぱくっと一口、ほっぺを膨らませる。


「こら! 分量減るからやめて!」

実花が慌てて手を伸ばし、杏子のかぼちゃを没収。


「はいはい、じゃあ俺はこっちで」

翔子は無言でミキサーを取り出し、蒸したかぼちゃを投入。ブイーンという音とともに、ほくほくの実がなめらかな黄金色のペーストへと変わっていく。


「この匂い……もう秋の匂いだな」

佐伯先輩がふと呟くと、部屋の空気が少し柔らかくなった。

湯気と甘い香りの中、季節そのものを手のひらに乗せているような気分だった。


湯気がほわほわと立ちのぼる蒸し器に、カップを一つずつそっと並べていく。

黄金色のプリン液が、まだ柔らかく揺れていた。


「はい、あとは時間との勝負だな」

佐伯先輩が蓋を閉め、タイマーをセットする。カチカチと規則正しい音が静かな部室に響いた。


「……よし! プリン待ってる間に仮装しようぜ!」

待ってましたと言わんばかりに、杏子が机の下からカボチャ帽子やマントを取り出す。


「やめときなよ、動きづらいし」

実花が呆れたように言うが、杏子はもう帽子を被ってポーズ中だ。


「先輩、吸血鬼マント似合いそう」

「俺はタイマー係だから」

佐伯先輩は笑って手をひらひらさせ、視線を蒸し器に戻す。


やがて、ふわっと甘い香りが部屋中に広がった。

かぼちゃとカラメルの、秋そのものの香り――待ち時間すら、ごちそうの一部に感じられた。


冷蔵庫から取り出されたプリンは、表面がつやりと輝き、カップの中でぷるんと揺れた。

カラメルの琥珀色と、かぼちゃの柔らかなオレンジが、見た目からして秋のごちそうだ。


「じゃ、いただきまーす!」

杏子がスプーンを突き立て、一口すくって口に運ぶ。


「……かぼちゃの甘みとクリームのなめらかさ、最高!」

満面の笑みで親指を立てるその様子に、みんなも自然と笑顔になる。


翔子は慎重に味わい、「もうちょっと甘さ控えめでもいいかもな」と提案。


「じゃあイベント用は砂糖5グラム減らそう」

実花がすぐにメモ帳を取り出して書き込み、真剣な顔でうなずく。


顧問は腕を組み、「本番までにあと1回は試作しておけよ」と一言。


杏子はスプーンをくるくる回しながら、「ハロウィン本番が楽しみすぎる!」と笑った。

その声は、まるで出来立てのプリンみたいに、甘くてあたたかかった。


冷蔵庫から取り出されたプリンは、表面がつやりと輝き、カップの中でぷるんと揺れた。

カラメルの琥珀色と、かぼちゃの柔らかなオレンジが、見た目からして秋のごちそうだ。


「じゃ、いただきまーす!」

杏子がスプーンを突き立て、一口すくって口に運ぶ。


「……かぼちゃの甘みとクリームのなめらかさ、最高!」

満面の笑みで親指を立てるその様子に、みんなも自然と笑顔になる。


翔子は慎重に味わい、「もうちょっと甘さ控えめでもいいかもな」と提案。


「じゃあイベント用は砂糖5グラム減らそう」

実花がすぐにメモ帳を取り出して書き込み、真剣な顔でうなずく。


顧問は腕を組み、「本番までにあと1回は試作しておけよ」と一言。


杏子はスプーンをくるくる回しながら、「ハロウィン本番が楽しみすぎる!」と笑った。

その声は、まるで出来立てのプリンみたいに、甘くてあたたかかった。


【36話レシピ掛け合い】


杏子「かぼちゃってさ、プリンになるとなんか上品じゃない?」

翔子「元が野菜だってこと忘れてるだろ」

実花「でも栄養もあってスイーツ向きだよね」

佐伯先輩「食物繊維とビタミン豊富。…部活の栄養士か俺は」

杏子「じゃあ佐伯先輩、今日から“かぼちゃマスター”な」

翔子「響きはかわいいけど中身が渋すぎる」

顧問「渋いとか言ってると、来年はかぼちゃ頭で呼び込みさせるぞ」

杏子「それアリかも! 顧問がやるなら私もやる!」

翔子「いや、やる前提で乗るな」




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