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放課後キッチン、3年間のレシピ  作者: 南蛇井


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第19話 杏子、試食ノートを作成

放課後の部室。

机の上いっぱいに、カラフルなノート、シール、マスキングテープが広がっていた。

杏子が胸を張って宣言する。


「文化祭の準備って、記録も映えが大事!」


その声はやけに自信満々。

しかし、向かいの席でそれを見ていた実花は、眉をひそめる。


「……普通、味のメモは地味なノートに書くものでしょ」


一方、椅子にだらっと腰掛けていた翔子は、冷ややかな視線を投げる。


「見た目より情報量だろ」


杏子はふんっと鼻を鳴らし、マスキングテープを器用に引き出しながら、

「だから、その両方を両立させるんだってば!」と反論。


部室の空気は、早くも工作クラブと調理部の中間みたいになっていた。



杏子はプリンターから出てくる写真を、まるでアルバム作りのように机に並べていた。

スマホで撮った、16話の色付きクレープや、17話の甘党vsしょっぱ党の激闘、18話の焼きスピード対決──その全てがA4サイズのページに次々と貼られていく。


「ほら、この抹茶生地の色! 写真で見ても映えてる〜!」

ペタ、ペタと糊付けしながら、杏子は余白にマーカーで書き込む。


見た目★5 味★4 作業難度★2


ページをめくると、今度はココア生地のサーモン巻きクレープ。


見た目★3 味★4 文化祭向け度★2


「……星、多すぎて逆にわかりにくいんだけど」

実花が眉間に皺を寄せながらノートを覗き込む。


「評価は感覚じゃなくて、ちゃんと数値化しろ」

翔子はペンを回しながら冷静に指摘する。


杏子はむっとした顔で、「これは心で感じた星の数なの!」と反論。

どうやら彼女の“映え重視評価法”は、しばらく改善されそうにない。


杏子はカラフルな付箋と蛍光ペンを手に取り、ノートの新しいページを開いた。


「よし! 評価フォーマットを作るよ!」

ページの上部に大きく【試食評価表】と書き、下に項目を並べていく。


見た目 1〜5

味   1〜5

食感  1〜5

作業時間 1〜5

コスト 1〜5

備考  (自由コメント)


「備考欄はね、ハートマークとか顔文字とかOKにするの!」

杏子はにこにこしながら、横に「♡」「(´∀`)」など試し書きを始めた。


翔子は呆れたようにペンを止めて言う。

「……資料としては全くOKじゃないけどな」


実花は笑いをこらえながら、「でも杏子っぽくていいかも」とフォロー。

評価表は、結局カラフルでポップな方向にまとまりつつあった。


杏子は焼きたてのクレープを机に置き、ノートとカラーペンを手に取った。


「じゃあさっそく、今日のクレープをテスト評価してみまーす!」

ぱぱっと★マークを描き込んでいく。

「見た目★5、味★5、食感★5! 完璧!」


翔子はすぐに眉をひそめた。

「全部5じゃ、評価の意味ないだろ」


杏子はペンをくるくる回しながら、「だって美味しかったし~」と悪びれない。


実花はため息をつきつつノートを引き寄せる。

「……やっぱり最終チェックは私がするね」

そのまま、★の横に小さく「※杏子採点は参考外」と追記した。


杏子はノートの最後のページをパタンと開き、ペンで大きく書き込んだ。


『文化祭当日スナップ予定ページ♡』


さらに、背景にはキラキラの星形シールをぺたぺたと貼っていく。


「ふふん、これで準備は完璧!」とご満悦。


そこへ佐伯先輩が後ろから覗き込み、半笑いで一言。

「……これ、文化祭後のアルバムにしか見えないぞ」


杏子は首を傾げてにっこり。

「両方兼ねてるの!」


翔子と実花は同時に肩をすくめ、部室に小さな苦笑が広がった。




19話「杏子の試食ノート作成」掛け合いレシピ


杏子:「文化祭の準備って、記録も映えが大事!」

実花:「普通、味のメモは地味なノートに書くものでしょ…」

翔子:「見た目より情報量だろ」


杏子:「じゃーん! これまでの試作写真を貼って、星評価もつけた!」

実花:「星が多すぎて見にくい…」

翔子:「評価は感覚じゃなく数値化しろ」


杏子:「見た目、味、食感、作業時間、コストで5段階評価! 自由コメントはハートマークOK!」

翔子:「資料としては全くOKじゃない」


杏子:「今日のクレープ、見た目★5、味★5、食感★5!」

翔子:「全部5は意味ないだろ」

実花:「……やっぱり最終チェックは私がするね」


杏子:「最後のページは文化祭当日のスナップ用! キラキラシールも貼る!」

佐伯先輩:「これ、文化祭後のアルバムにしか見えないぞ」

杏子:「両方兼ねてるの!」








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