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放課後キッチン、3年間のレシピ  作者: 南蛇井


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第12話 洋食班体験

放課後の家庭科室は、外の夕陽が斜めから差し込んで、銀色の調理台に赤い光の筋を描いていた。

ドアを開けた瞬間、エプロン姿の男子――洋食班リーダーの拓真先輩が手を振った。


「お、来たな。今日はうちの班の十八番、食わせてやるよ」

その手には、ラップで包まれた牛豚合いびき肉の塊。見るからに鮮度抜群だ。


「え、今日のメニューは?」と実花が首をかしげると、拓真先輩は口角を上げた。

「デミグラスソースの――ハンバーグ」


「おおっ」思わず声を上げたのは杏子だ。

「ふっくら派? それとも肉厚派? いや、私は映える高さ重視かな」


実花は両手を胸の前で組み、「ハンバーグって家庭料理の王様ですよね」とうっとり。

その横で、翔子は腕を組み、「ジューシーであれば何でもいい」と即答した。


拓真先輩は笑い、「じゃあ今日は、全員を黙らせるくらいのジューシーを目指そうか」と宣言した。


ステンレス鍋の中で、みじん切り玉ねぎがじゅわっと音を立て、甘い香りが立ちのぼる。

「ここ、焦がさないように弱火でな。炒め終わったらちゃんと冷ます。熱いままだと肉がダレる」

拓真先輩の低めの声が、妙に説得力を帯びて響いた。


「はい!」と返事をして、実花はフライパンを木べらでゆっくりかき回す。

その横で拓真先輩がボウルにパン粉と牛乳を入れ、しゃもしゃもと混ぜた。

「パン粉と牛乳は、こうやって先にふやかす。柔らかく仕上げるコツだ」


翔子はその混合物を合いびき肉に加え、迷いなく手を突っ込み、手際よくこね始める。

「翔子ちゃん、早っ!」と杏子が驚くが、自分はというと――

「やば、これネイル取れそう…」と顔をしかめ、手袋を二重に装着。

「そこまでして守るのか…」と翔子が呆れる。


そして最後の空気抜き。

実花は両手でタネをぽん、ぽん、と打ちつけ、「わっ、ポンポンって音が楽しい!」と笑顔になる。

「お前、楽しんでるな」と拓真先輩が苦笑した。

ステンレス鍋の中で、みじん切り玉ねぎがじゅわっと音を立て、甘い香りが立ちのぼる。

「ここ、焦がさないように弱火でな。炒め終わったらちゃんと冷ます。熱いままだと肉がダレる」

拓真先輩の低めの声が、妙に説得力を帯びて響いた。


「はい!」と返事をして、実花はフライパンを木べらでゆっくりかき回す。

その横で拓真先輩がボウルにパン粉と牛乳を入れ、しゃもしゃもと混ぜた。

「パン粉と牛乳は、こうやって先にふやかす。柔らかく仕上げるコツだ」


翔子はその混合物を合いびき肉に加え、迷いなく手を突っ込み、手際よくこね始める。

「翔子ちゃん、早っ!」と杏子が驚くが、自分はというと――

「やば、これネイル取れそう…」と顔をしかめ、手袋を二重に装着。

「そこまでして守るのか…」と翔子が呆れる。


そして最後の空気抜き。

実花は両手でタネをぽん、ぽん、と打ちつけ、「わっ、ポンポンって音が楽しい!」と笑顔になる。

「お前、楽しんでるな」と拓真先輩が苦笑した。

湯気を立てるハンバーグが皿に並び、照りのあるソースがとろりと流れ落ちる。

ナイフを入れると――じゅわっと肉汁があふれ、皿の上に小さな湖を作った。


「柔らかくて、旨みがすごい…」

ひと口食べた実花の頬がゆるむ。


「これは…ご飯が進む味だな」

翔子は真剣な表情で、すでに二口目を切っていた。


「映えるし、美味しいし、最高!」

杏子はスマホを構えて撮影モード。だが次の瞬間、フォークで大きくひと口。


拓真先輩が笑いながら言う。

「ハンバーグってのはな、家庭でも店でも、みんなに愛される料理なんだ」


皿の上でソースが光り、まだ熱い湯気が三人の顔を包んでいた。

シンクから水音が響く中、皿を拭きながら杏子が目を輝かせた。

「ねえ、次はチーズインにしようよ! 切った瞬間、チーズがとろ〜って」


「絶対美味しいけど…難易度高そうだよね」

実花は笑いながら、泡立つスポンジをすすぐ。


「俺も挑戦はいいけど」

翔子は真顔でタオルを畳み、

「中からチーズが噴き出して、キッチンが惨事になる未来が見える」


その想像に、洋食班全員が「あるある!」と吹き出す。

家庭科室には、まだハンバーグの香りと笑い声が残っていた。




今日のレシピ掛け合い「ふっくらジューシーハンバーグ」


実花「まずは玉ねぎのみじん切りを炒めて冷ますところからですね」

杏子「あれって涙出るから嫌い…でも香ばしい匂いは好き」

翔子「炒めすぎると甘くなりすぎるから、中火で透明になったらOK」


拓真先輩「パン粉は牛乳でふやかすと、肉がふんわり仕上がるぞ」

杏子「ふやかすのは私も顔のパックだけじゃないのね」

翔子「例えが独特すぎる」


実花「空気抜きはこうやって…ポンポンッ」

杏子「あ、楽しい! でもやりすぎたら丸くならないかも」

翔子「真ん中を少しくぼませるのも忘れない」


拓真先輩「焼き色をつけたら、弱火でじっくり中まで火を通す」

杏子「ここで焦ると生焼けコース」

実花「肉汁閉じ込めたいから我慢…」


翔子「ソースは市販のデミグラスに赤ワインとケチャップでコクUP」

杏子「完成! 映えるし美味しいし…これ毎週作ろう」

実花「さすが家庭料理の王様」










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