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放課後キッチン、3年間のレシピ  作者: 南蛇井


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第10話 部内の班分け発表

放課後の料理部部室。

 ホワイトボードの中央には、マジックで大きく――


 『新歓準備班分け』


 と、佐伯先輩の達筆ややクセありで書かれていた。

 その下には「調理班」「盛り付け班」「会場準備班」と三つの枠が並んでいる。


「――というわけで、新入生歓迎会は効率よく準備するために、この三班に分けるぞ」

 腕を組み、ホワイトボードを背にして佐伯先輩が部員を見渡す。

「各班の仕事は、調理班が料理そのもの、盛り付け班が見た目と配置、会場準備班が机や飾りつけだ」


「へぇ~」と、実花が身を乗り出す。

「こういうのって文化祭の準備みたいで、ちょっとワクワクするね」

 ペンを持った手で口元を隠しながら、目は完全に輝いていた。


 一方で杏子は、誰よりも早く手を挙げて――

「はいっ! 私は映える班がいい!」

「……“映える班”ってなんだ」

 翔子が眉をひそめる。


「そりゃあ、盛り付け班に決まってるじゃん! おしゃれにデコって、写真撮って、SNSに上げて――」

「地味でも安定したとこがいいかな、私は」

 翔子は淡々と反論し、包丁を握る手の形を無意識に作っていた。


「も~、夢がないなぁ」

「現実的って言ってくれ」


 ホワイトボードの前で、佐伯先輩が軽くため息をつく。

 これから始まる班決めが、平穏に終わらないことを予感させる空気だった。



佐伯先輩が、ホワイトボードの横にひょいっと紙を貼り出した。

 そこには縦に並んだ数本の線と、複雑に絡み合う横線――まさかのあみだくじ。


「じゃ、これで決めるぞ。文句なしな」

「えー……」杏子が、露骨に眉を下げた。

「私、くじ運悪いんだよな〜」

「でも公平じゃない?」と、実花が笑いながらペンを握る。

「逆に杏子が会場準備とかになったら――」翔子が、じと目を向ける。

「インスタ映え地獄になりそう」

「地獄じゃなくて天国でしょ!」杏子は胸を張る。


 順番に線をたどり――結果はこうだ。


 調理班:翔子・実花

 盛り付け班:杏子

 会場準備班:一年生数人+佐伯先輩


「……結局、希望通りになってるじゃん」

「ほら、これも運命ってやつよ!」

 杏子のドヤ顔に、翔子はため息をつき、実花はくすっと笑った。



班分けの結果が書かれたホワイトボードを眺めていると、部室の扉がガラリと開いた。

「なにしてるの?」と、宮原先生が顔をのぞかせる。視線はすぐに杏子へ。

「盛り付け班は見た目だけじゃなく、衛生も大事よ」

「う……わかってます!」杏子は思わず背筋を伸ばす。


 翔子は横目でそれを見ながら、口元を緩めた。

「実花と一緒なら、調理はきっと安心だな」

「翔子ちゃんのスピードと、私の正確さでいこう!」実花は握りこぶしを作って気合十分。


 一方、会場準備班となった佐伯先輩は、腕を組みながらにやり。

「ちなみに会場準備も結構力仕事なんだぞ」

 その言葉に、一年生たちが同時に「えっ……」と小さく声を漏らし、部室がほんのり笑いに包まれた。



班分けの余韻が残るまま、部室の机が三つの島に分けられた。

 調理班の翔子と実花は、レシピノートとタイマーを並べて段取り表作りに没頭中。

「レタスは当日朝に切るとして……」

「パンは前日にスライスして、乾燥しないようにラップね」

 二人のやり取りは、まるで小さな厨房会議だ。


 一方、盛り付け班の杏子は、試作品の写真をスマホで連写しながら配置図を描いている。

「やっぱりピンクのテーブルクロスだな! 映えるし!」

 すると離れた席から翔子の声が飛んだ。

「いや、ピンクは食欲減る色だぞ」

「えっ、そうなの!? 可愛いのに……」と杏子がむくれると、実花が笑いをこらえきれず肩を震わせる。


 会場準備班は、机の配置案をホワイトボードに書き込みながら、飾り付けプランを練っていた。

「入り口にウェルカムボード置こうぜ」

「バルーンもいいかも」

 それぞれの島から、全く違う熱気が立ちのぼり、部室はまるで三つの小さな作戦本部になっていた。


班分けの余韻が残るまま、部室の机が三つの島に分けられた。

 調理班の翔子と実花は、レシピノートとタイマーを並べて段取り表作りに没頭中。

「レタスは当日朝に切るとして……」

「パンは前日にスライスして、乾燥しないようにラップね」

 二人のやり取りは、まるで小さな厨房会議だ。


 一方、盛り付け班の杏子は、試作品の写真をスマホで連写しながら配置図を描いている。

「やっぱりピンクのテーブルクロスだな! 映えるし!」

 すると離れた席から翔子の声が飛んだ。

「いや、ピンクは食欲減る色だぞ」

「えっ、そうなの!? 可愛いのに……」と杏子がむくれると、実花が笑いをこらえきれず肩を震わせる。


 会場準備班は、机の配置案をホワイトボードに書き込みながら、飾り付けプランを練っていた。

「入り口にウェルカムボード置こうぜ」

「バルーンもいいかも」

 それぞれの島から、全く違う熱気が立ちのぼり、部室はまるで三つの小さな作戦本部になっていた。



新歓準備班分けレシピ(掛け合い風)


佐伯先輩「じゃあ今日は新歓の準備班を決めるぞ。調理班、盛り付け班、会場準備班の3つだ」


実花「こういうのって文化祭みたいでワクワクするね」


杏子「私は絶対“映える班”がいい!」


翔子「……地味でも安定してるほうがいいかな」


佐伯先輩「公平に、あみだくじで決めよう」


杏子「えー、くじ運悪いんだよな〜」


実花「でも一番平和じゃない?」


翔子「杏子が飾り付け担当になったら、インスタ映え地獄になるだろ」


杏子「地獄じゃなくて天国!」


(結果発表)


調理班:翔子・実花


盛り付け班:杏子


会場準備班:1年生+佐伯先輩


宮原先生「盛り付けは見た目だけじゃなく衛生も大事よ」


杏子「うっ……わかってます!」


翔子「実花と一緒なら、調理は安心だ」


実花「翔子ちゃんのスピードと私の正確さでいこう!」


佐伯先輩「会場準備も、結構力仕事だからな」


(班ごとの作戦会議)


杏子「やっぱりピンクのテーブルクロス!」


翔子「食欲減る色だぞ」


実花「じゃあ落ち着いた色に、ピンクの小物でアクセントは?」


杏子「……それ、いいかも!」


(帰り道)


杏子「次は調理班がよかったな〜」


実花「じゃあ、今度うちで練習会しようか」


翔子「……戦場になる未来しか見えない」


三人「あはははっ」


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