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すっとぼけ覇王のVRMMO蹂躙記  作者: 愛良夜
領主編

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南部辺境戦争Ⅲ-プチPvPと自立型装甲機動兵器

数日後、やってきたのは停戦の使者ではなく、新しい軍勢だった。


「懲りないなぁ...ん?」


今度は鶴翼の陣で侵攻してきた南部辺境軍、もといトロット三か国連合軍。すっかり南部辺境伯の兵士はいなくなり、今ではただの名目上南部辺境軍と言う名のトロット王国とその同盟の三か国連合軍だ。


【プレイヤー[Rod814]さんが貴方に決闘を申し込んでいます】


「お?」


そういう機能もあるのか.....でも確か以前に他のプレイヤーにレイドボスとか呼ばれてた気がしたんだけど


「受諾」

「え!?」

「え?」


なぜか申し込んできたプレイヤーの方が驚きの声を上げる。


【決闘を承諾しました。決闘のタイプを選んでください】


クロウの目の前に[寸止め][瀕死][致死]と言う2つの選択肢が出てきた。


「普通に敵だしなぁ、[致死]で」

「え!?」

「いや申し込んできたのお前だろ!なんなんだよお前!?」


【[魔法]の使用を選んでください。可/不可】


「不可で」

「!?」

「あっなんか急に自信顔になった」


少し離れてて何言ってるか分からないが、背中に装備した立派な剣を抜いて、「げっへっへ」と言うような悪い顔でこちらを品定めするようにじろじろ見てきた。もしかしてだけど俺の事を魔法使いだと思っているのかもしれない...クロウはアイテムボックスから巨大なミートマレット、つまり肉叩きハンマーを取り出した。


「えぇ...?」


一騎打ちの相手が困惑の声を上げる。それもそうだ。魔法使いだと向こうは思っていたのだから、てっきり木の杖を取り出すものだと思っていたが、それがどうしてか人間1人を一撃で頭からそのまま地面のミンチのように叩き潰せそうな巨大な肉叩きハンマーをぶんぶんと振り回し始めた。


【決闘を開始します】


ブーと言うシステム音と共に、クロウと敵プレイヤーの決闘が始まった。


「ふん!」


素のステータスの暴力で相手を全力で殴る。視界の中の決闘開始の文字が消えて動けるようになった瞬間、脚に力を入れて一瞬で相手に接近し、そのまま無慈悲に手に持ったミートマレットを振り下ろして決闘相手を一瞬で地面に広がるミンチにする。あまりに早い決着に敵軍の兵士も驚いていたが、きちんと敵軍には決闘に負けたバッドステータスの効果が発動している。


【プレイヤー[Musha998]さんが貴方に決闘を申し込んでいます】


「またか」


再び別のプレイヤーが決闘を申し込んできた。こちらも同じ設定、同じ武器で再び叩き潰す。


【プレイヤー[Orochi75]さんが貴方に決闘を申し込んでいます】


「はいはいっと」


同じ設定、同じ武器でさようなら。あまりに決闘に負けすぎて、もう敵軍の士気が目に見えて皆無に等しくなってきた。


「カリウス、もうやっちゃっていいよ」

「はい、了解しました」


ブォーと言う戦笛がクロウの後方から響き渡る。こちらの攻撃開始の合図だ。向こうも士気が駄々下がりしているが、なんとか武器を持ってこちらの攻撃を迎え撃とうとしている。


「じゃあ、そっち戻るからカリウス」

「はい、老師、お待ちしております」


数時間後、敵軍はあっけなく壊滅、敗走し、再びクロウ軍は大勝した。


「レベル上がった気がする」


なぜそんな事をクロウが言ったかというと、クロウが敵プレイヤーを叩き潰した時、いつものように敵プレイヤーが死体がポリゴン体になって最寄りの教会へ蘇生するはずだったが、ポリゴンキューブの中から魔力源の一部がクロウに吸われるようにふよふよと飛んできたからだ。


「ていう事は逆にあいつらはレベルが下がったのか....かわいそう....」


結構レベル上げが大変なゲームだけに、一度下がったら一体彼らはどれほど時間をかけて再び上げるんだろうか、まあ50超えてないしすぐ上げて戻ってくると思うけど。予想通りに数日後、再び三か国連合軍が以前と同じような陣形で再びやってきた。一昨日の3人も当然陣形の先頭でクロウの事を探しているようで、馬に乗って周囲をきょろきょろしていた。


「うーんもう一回戦いたいけど、今日は相手できないかな」

「自立装甲機動兵器、全機行動開始。今回の目標は敵の殲滅です」


クロウの耳のインカムからカリウスの指示が聞こえる。それと同時に黒いテレポートゲートが出現し、戦場を揺るがすほどの巨大な四足歩行の巨大兵器がそのテレポートゲートから出現した。


「な、なんだあれは」


クロウが目の前にいるのにも関わらず、思わずその後ろの存在に目が行ってしまうプレイヤー三人衆。


「自立型装甲機動兵器....名前は....【アイオーン】」


名前は今思いつきました。


「あ、アイオーン.....」


目の前の3人は絶望的な顔を浮かべている。それもそうだろう。全長数百mを超える巨大な機動兵器。今は四足脚で節足動物のように器用に動いているが、必要に応じてキャタピラの付いた足を地面に横にして高速移動も可能だ。基本的に蜘蛛のような見た目をしており、身体の後方からは無数の小型無人式自爆ドローンや小型無人式自爆歩行機など、シンプルで凶悪で効率的な兵器を大量に開放した。同時にそんな巨大なアイオーン自体にも複数の砲塔や4連、6連、8連の砲管が巨大な魔法機関銃が付いていたり、しかも自立行動できるため、ゴエティアシステムとリンクして自動で位置情報や攻撃優先地点を判断し、状況と対象物に対して適切な魔法効果が込められた【魔法弾】を自動で撃ちだす事も可能だ。同時に強力な魔法障壁や魔力障壁も常時発動しており、それだけはなく[魔力吸収]の効果を持つ塗装もしっかり使っているので、こうしてトロット王国軍が後方から打ち出しているさまざまな魔法は全てアイオーンにぶつかると同時に吸収されてしまった。


「あっ、お前らそろそろ逃げた方が良いぞ、じゃないと...」


クロウが言葉を言い終える前に、後方のアイオーンから巨大な砲撃音が戦場に響き渡る。数秒後、

トロット王国連合軍は、クロウの眼の前にいた3人を除いて、地形ごと全員吹き飛ばされた。


「意外と器用だな、でも少しでかすぎるか、これは攻城戦用に残しておくか、戦車のような高装甲高機動の自立兵器も作らないとな」

「あ....ああ....」

「ああ、生きてたのかお前ら、そろそろ逃げな?今なら見逃すからさ、3秒待つよ、3~、2~、」


1を言い切る前に、既に3人はなりふり構わず逃げ出していた。戦場の後片付けがクレーターを埋めるくらいしかやる事なさそうなので、クロウは脳内で新型アイオーンの構想を練りつつ、また臨時指令室に飛んで戻っていった。


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