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すっとぼけ覇王のVRMMO蹂躙記  作者: 愛良夜
領主編

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南部辺境戦争Ⅰ

「旦那様、新しい情報です。南部辺境伯のバックであるトロット王国、このトロット王国はどうやら同じくらいの国力を持つ他2国と三か国同盟を結んでいるようです」

「ふーん」

「それぞれ名前は【アリッサ王国】【グリッタ王国】です」

「【トロット】【アリッサ】【グリッタ】の三か国同盟ね」

「はい、なので実質4対1ですね」

「丁度いいからじゃあその三か国にも喧嘩ふっかけられないかな」

「恐らく南部辺境伯が何かしらの文書があるでしょう、先に調べてきましょうか?」

「頼んだ」

「承知いたしました」


そういうと、小宵はシュッと姿を消した。


「さて、俺もやりますか」


眼下に広がるのは南部辺境伯の正規兵。明らかに侯爵に許される私兵の数を数倍も超えており、その兵士達の纏う殺意と戦意は、バックのトロット王国達の介入が明らかに見て取れた。


「やるか」


自分の龍鱗に作り上げた龍衣である青蘭色のスーツに大きなネイビー色のコートを羽織り、左手には短剣、右手には大剣と言う変則的な二刀流の構えをしていた。顔には口から下をすっぽり隠すタイプの仮面をつけており、狼の牙を模したその仮面は、クロウのスーツも相まって、見る者に青い狼を想起させるだろう。


「前進せよ!侯爵様の名に懸けて、不義不忠の悪しき伯爵の軍勢を蹴散らすのだ」


綺麗な鋒矢(ほうし)の陣形を維持したまま進撃を開始する南部辺境伯軍。前方にはトロット王国の精鋭兵がいるようで、中団には南部辺境兵、そうして後方には今回の作戦指揮官がいるようだ。かなり早いペースながらも、陣形を維持したままこちらに直進してくる姿を見て、かなり練度の高い兵と優れた指揮官がいると思われるが。


「カリウスが相手だとなぁ、分が悪いよなぁ」


キルゾーンの後ろで指示を出しているのだろうか、早速他の第一第二第三世代の人造英雄達は、汎用殺戮人形を率いて敵兵力とキルゾーンの前方で交戦を開始した。精鋭兵相手でも人造英雄達は一歩も引いておらず、むしろ相手の陣形をがっちりと受け止めている。数時間後、こちらの人造英雄達がゆっくりと撤退を開始した。先ほどからかなり激しく戦っているせいで、前方の敵兵士もかなり疲労している。それに加えて、こちらが撤退を開始したせいで、相手はこちらが敗走したと錯覚。再び陣形は大きく動き始めた。


「老師、敵中腹を」

「了解」


カリウスからの指示が耳に着けているインカムに届いたので、早速クロウ達も動き出す。丘陵の影から隠れていたクロウと舞踏人形(マスカレイドドール)達は高速で敵軍の中腹へ進軍を開始した。


舞踏人形(マスカレイドドール)


色とりどりの派手な仮面と鮮やかなバトルドレスを身に着けたレイピア使いの殺戮人形達。身に着けた仮面には状態異常をかなりの確率で無効化する効果に加え、正しい認識を阻害する効果もある。


「マスカレイド・ウルフ」


後方に続くドール達にバトルスタイルの変更を告げる。クロウ本人も以前に使った[魔獣狩り:【闇夜の猟犬達】]ではなく、[魔獣狩り:【蒼き狼(ボルテチノ)】]というバトルスタイルに変更する。平原の覇者の祖先とも言える存在を身体に宿したクロウ。後続のドール達もクロウのバトルスタイルの効果を受けてか、数倍身体能力が向上したように見える。


「狩りを始めよう」


敵軍が見えてきたので、クロウは指笛で大きな音を長く鳴らす。ぴゅーと平原に響く鳥のような音がした方を南部辺境兵達が見ると、青い服を着た狼のような男性が、無数の仮面人形を引き連れて襲い掛かってきた。


クロウ率いる別働部隊が南部辺境軍の中腹を思いっきり分断する。先頭で一番に突撃したクロウは、左手に持つ短剣を器用に敵兵の盾の縁に引っ掛け、そのまま敵への盾を剥がした後、すぐに次の前方にいる相手に飛び掛かる。後方では先ほどの兵士がクロウの後方から突撃してきたドール達2体の持つレイピアにそれぞれ頭と心臓の位置を的確に貫かれている。そのまま似たような方法で次々と横から相手の陣形中腹部に位置する兵士達と次々と倒していき、あっという間に陣形の分断に成功した。


「マスカレイドドール、左方の敵兵士に【恐怖(テラー)】を、右の兵士達は殲滅しろ」

「アッセント」


クロウを中心に既に敵陣形の中腹に大きな空白ができており、クロウから見て左、鋒矢の先端部分の方の敵兵士にドール達は【恐怖】のスキルと圧倒的な戦闘力で引き起こされる戦場デバフである【戦恐】を使って相手を後方から追い立てている。右方のドール達もクロウのバトルスタイルの恩恵を受け、大幅に向上されたステータス手にしたレイピアを使って、相手の攻撃をかわして敵兵士の急所を的確に複数人で貫く。狼の狩りを思わせるその無駄のない致命的な戦闘スタイルに、右方の敵兵もなすすべなくじりじりと押されていくのだった。


そして中心にいるクロウはと言うと、


「[魔力支配]」


魔力やMPの流れを見るそのスキルで、戦闘中にも関わらずその場に立ち止まって戦うドール達を見ていた。


「やっぱり、理論は間違っていなかったか」


ドール達が倒した敵兵士の多くは魔法が使えないが、多少なりとも小さな魔力源を身体に宿しており、全てのドール達には[魔力吸収]を覚えさせているので、自動で命絶えた相手から霧散する魔力源、所謂MPの最小単位である魔素を生成・放出する疑似器官を吸収しそれを自分の魔力源と同化させている。恐らく異世界人(プレイヤー)やその他の魔法が使えるNPC達は無意識にそうやって霧散する他のモノの魔力源を吸収して、それを大きくし、それがいわゆるLvUPと言う事になっているのだ。


「ちゃんとドール達の魔素融合反応炉の反応量も増えてるな、今回の実験で確定したし、少しドール達の魔力源を再開発するか」


同時に[龍眼]で彼女(ドール)達のレベルが上がっている事も確認しつつ、ふとクロウは自分の魔力源についての疑問が一つ生まれた。


「そういえば俺無くね?」


確か[魔力支配EX]を獲得した際、自身の魔力源がなくなり、常時周囲の魔素を吸収できる、つまり世界そのものがクロウの魔力源になっていると言えるが、それはつまり何かしらの手段で相手が一定範囲内の魔素粒子やMPをなくした場合、クロウのMPバーはずっと空になるというわけだ。実際、クロウはMPが無限に使用できるわけではなく、自身の保有するMPは0であり、毎秒の自動回復がほぼ無限に等しいので、実際に無限に魔法やスキルが使用できるのだ。


「これは良くない」


恐らく【魔法使い殺し(マジシャンキラー)】の職業(ジョブ)を持つプレイヤーは少なくないし、その他にも何かしらのアイテムで一定空間内の魔素を消滅させる、つまり空間内のMP自動回復を封じる事ができる物もあるかもしれない。


「だったら自分で再構築しよう」


[魔力支配]のスキルで周囲の魔力を強制的に自分の心臓付近に押し固める。以前のゲームで作り上げたような魔力炉、それの進化系である【魔素融合炉】と【魔素分裂炉】を体内に作り上げるつもりだ。


「うごごごごごご」


龍の血と魔神の血のお陰で、かなり膨大な量を取り込むことができるが、一定量に達した瞬間全く入らなくなった。これ以上無理矢理押し込めそうもないので、龍と魔神の力をフル活用して魔素粒子の融合反応を始める。想像以上の負担にこれ戦場の真ん中でやるものじゃないなと少し後悔しつつ、クロウはこれまで以上に体内にある魔素粒子に圧力をかけ始めた。


【高濃度圧縮魔素粒子を複数確認。[魔神の芽EX][龍化EX][龍脈EX][龍心EX][多重混合魔法EX][魔力支配EX]の所持を確認....[魔力支配EX]が[魔素支配EX]に強化されました。同時に[濃縮魔素融合炉]と[極限魔素分裂炉]の体内生成に成功しました。適合中...成功。起動します】


[魔素支配EX]:あらゆる魔素を自在に支配する


究極の魔力生成源と究極の魔力放出源を体内に2つ形成する事に成功したクロウ。勝手に起動したせいで、クロウは一瞬で周囲の魔素を吸い尽くし、お構いなしに周囲で戦っていたはずのドール達も突如糸切れたようにその場に崩れ落ちてしまった。だが、それは敵の兵士も同じで、クロウの周囲にいた兵士達は充分な魔力源やMP量が無かったため、代わりににHPを全て吸収された


「あっ、ごめん!」


いつも以上に魔法の出力や一度に消費できる魔法の数が数千万倍にも膨れがったので、クロウが脳内で想像しただけ魔法が発動するようになる、その証拠に、一瞬で地面に崩れ落ちていたマスカレイドドール達は頭上に突如出現した黒いワームホールに吸収され、クロウの思い通りの場所にライネル領に撤退した。


【究極の魔力源を獲得....称号[魔素の支配者(マナインペラトル)]を獲得しました】


【魔素の支配者】:魔法・魔素に関するあらゆるスキルのランクを数段向上させる。


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