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すっとぼけ覇王のVRMMO蹂躙記  作者: 愛良夜
マクベル王国内戦編

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フェンデル伯爵の最期の夢

「お、王子殿に!どうか、どうか最後にもう一つ、お助けを!」

「はぁ、前に王子の騎士団を任せたよね?」

「す、すいません!」


第三王子の本拠地である、南部辺境伯領にて、自分の領地から逃走した元フェンデル伯爵は、第三王子と連絡を取る事ができる人物に必死に懇願していた。常時自分の顔に黒い靄がかかっている正体不明な人物だけど、確かにその人物を通せば第三王子とのコンタクトは可能だ。


「多分だけど、これが最後になるよ、自信はある?」

「はい、今回は!今回こそは!」

「分かった分かった、数日待ってな」


数日後、フェンデル伯爵は残った資金全てと第三王子の援軍総勢2万人の引き連れて、再びライネル領へ向かい始めた。


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「また来たのか」

「そうみたいですね」

「はーめんどくさ、小宵任せた、魔素人形の戦闘部隊で相手してやれ、丁度戦闘データも欲しかった所だ」

「承知いたしました」

「今回は先手必勝だ。奇襲してフェンデル伯爵らしき人物がいたらその首持って来い」

「お任せください」


数時間後、東部辺境伯と南部辺境伯との境界線に集合する最後のフェンデル軍。今回はフェンデル卿自ら馬車に乗って前線にやってきており、全軍既に境界線を踏み越え、まずは旧フェンデル領を通過してそのままライネル領へ向かい始めた。


「全軍!周囲を警戒しろ!霧が出てきた」


旧フェンデル領に差し掛かる頃、フェンデル軍は全軍既に深い霧に飲み込まれていた。


「なんか、寒いな」

「ああ、ぶるってき」

「ん?どうしうぉあっ!?」


突如として隣を歩いていた兵士の身体がばたりと倒れる。不思議に思った横にいる兵士が見てみると、大きな(はさみ)の刃の上に頭が乗っていた。


「切ります、斬ります、伐ります斬ります切ります」


起伏の感じられない少女の声と共に、大きな鋏は突如空に飛び上がったと思うと、その巨大な鋏とほぼ同じくらいの高さのメイドが霧の上から飛び上がった大きな鋏と共にスタっと降りてきた。白磁の肌色に透き通るような蒼い瞳、月のように白く輝く長い銀髪に白黒を基調としたクラシカルメイド服を身に着け、少女達はどこまでも人間らしく、そしてどこまでも人形らしかった。


「切ります、斬ります切ります、伐ります斬ります斬ります斬ります」

「そ、総員!戦闘じゅ」


指揮官が言葉を言い始めると同時に、似たような見た目の大鋏のメイドがその人物の頭を切断した。


「キーーーーーーーーー!」


指揮官の頭をその手に持つ大鋏で切断したメイドは頭に星が1つ付いているティアラを装備しており、そんな彼女が周囲に向かって高周波のような高音で叫ぶと、蒼い瞳のメイド達の眼が全て赤色に変化した。そしてそれと同時に彼女達は手にした大鋏をそれぞれ中央結合部から切り離し、二刀として周囲にいる兵士に振い始めた。


鋏姉妹(シザーシスターズ)


小宵の指揮する戦闘用魔素人形戦闘群、【殺戮人形(キリングドール)】の鋏担当。他のキリングドールに引けを取らない程の高い戦闘力と、高い執行力を持つ。残念ながらそれらと引き換えに、他の姉妹達に比べて複雑で応用の効かない彼女達は、複雑怪奇な任務執行には向いていないが、今回のような単純な戦闘ならばお手の者である。


「構えろ!総員!せんと」


霧に紛れて既にフェンデル軍の内部に既に鋏姉妹達が降り立っており、特に指揮官クラスの兵士は、同じく星の付いたティアラを持つキリングドール、通称【星持ち】の鋏姉妹達にあっさりと切断されていた。


「う、うわぁああ!逃げろぉおおお!」

「おい!待て!にげ」


先の見通せない濃霧と大鋏の戦闘人形の異常な戦闘力を目の前に、あっと言う間にフェンデル軍全体が【戦恐】と言う致命的なバッドステータスに陥る。雑踏事故も既に起きており、フェンデル軍中央で守られているフェンデル卿本人も、その護衛もろとも両断されていた。


「お姉様に届けなければ」


黄色の星が2つ付いたティアラを装備した少し背の高い鋏姉妹はフェンデル卿の頭を掴んで、そのまま霧の中空高く飛び上がった。


霧が晴れる頃には、旧フェンデル領には悍ましい程の人間の死体が溜まっており、先程まで戦闘をしていた鋏姉妹達は周囲から大きな丸太をかき集めて、簡易的な焼却炉を作り上げていた。そしてそんな中へ次々と装備を剥いだフェンデル軍の兵士の死体を投げ込んでいく。独特な異臭と弾ける音が聞こえてくるが、魔素人形達は特に気にしなかった。


数時間後、戦場の片付けが終わったので、鋏姉妹達はポケットに入れていた青白いカプセルを握りつぶす。そうすると彼女達の前に小さなテレポートゲートが出現し、彼女達がそのゲートをくぐった瞬間、彼女達は一瞬でライネル領へ帰還し、そのゲートも一瞬で消えた。


そうして、どこまでもライネル領征服と言う夢、クロエクララの2名を妾にすると言うそんな夢も、鋏姉妹の手にした大きな鋏で容赦なく両断された。


「終わったー?小宵」

「はい、現在フェンデル卿の記憶を解析中です」


ライネル領に戻った魔素人形達は既に自分達の兵営に戻っており、怪我をした魔素人形は自ら修復カプセルポットに全裸で入り、その他の人形達もメンテナンスポットに入って戦闘データを小宵のタブレットとクロウのタブレットに送信している。ついでにフェンデル卿やその他の副官の頭部も特殊な装置に入れられており、特殊な処理液で皮膚や髪の毛、頭蓋骨を溶かし、脳漿だけになった彼らはただ記憶とスキルを引き抜かれ、表層意識を抹消され、ただAIの演算と処理の補助をするだけのパーツとなった。


「クロウ様、解析が完了しました」

「お?どれどれ」


小宵との晩餐時、フェンデル卿とその他副官達の記憶解析が終了したようで、早速魔力で大きなスクリーンを作り上げ、映像魔法や投影魔法で彼らの記憶を見てみる事にした。


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