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すっとぼけ覇王のVRMMO蹂躙記  作者: 愛良夜
青年編

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ライネル伯爵領XX

クロウ視点に戻ります。

数日時間をかけてしっかりと3つの策略を書き上げたクロウ。魔法で2つに複製し、ブラッキーにはクロエに、もう1つはマーノに渡し、彼女にクララに渡すように言った。かれこれ3日かかったので、そろそろメルティ達の方も気になってくる頃合い。ジークの精鋭部隊とドーベルマンの諜報部隊がいればまあ負ける事はありえないと思うが、いくらアルルの元で戦争や兵法について学んだとはいえ、これは実戦、戦場の恐怖に怯えていなければいいのだが....そんな心配をしつつ、クロウは今日もブラッキーの朝食を食べ終えた後、日課であり綿畑と養蚕場の様子を見に行く。


「おはようございます!クロウさん!」

「おはよう~、調子はどう?」

「はい、今日も元気です!」


以前にある程度教えたとは言え、まだまだ彼らの持つ[栽培]のスキルランクは低く、いまだ四苦八苦しているが、やりがいも感じているようだ。


「でもいい感じじゃん、ヘンな虫とかつくと思ったけど、綺麗に育ってるね」

「えへへ、心配で数時間おきにちょくちょく確認してますんで」

「うんうん、良いね、その調子で頑張ってね」

「はい!何から何まで、いつもありがとうございます!」

「家の方は大丈夫?」

「はい!最初は色々戸惑いましたが、今ではすっかり住み慣れました!もうあの家じゃないと生きていけません」

「大げさだよ全く」

「えへへ」


快活に笑う彼の顔には、初めて会った時のような悲壮な決意もなく、今は楽しくてしかたないと言う良い表情になった。


「ん?」


その後も少し彼らと話をしていると、屋敷の方へ続く道からマーノがやってきた。


「く、クロウ様!クロエ様がお探しです!」

「ん?クロエか、分かった」


談笑していた彼らに一言挨拶をし、クロウはマーノと共に屋敷へ戻った。


「久しぶりね、クロウ」

「クロエか、もう立ち直ったのか?」

「立ち直った、のかは分からないかけど、貴方の書いたものを読んで、いてもたってもいられなくなったわ」

「そうか、それで、これからどうするんだ?」

「貴方の言う通り、次はベレンツァ卿への手紙を書くわ。もしかしなくても卿は私が兵を送るより喜ぶでしょう。ただ、難民の管理は文字通り、貴方の言う、じゅうみんひょう?を試してみたいの、だからお願いできる?」

「もちろんだ」

「ありがとう、正直まだ悲しい気持ちはあるけれど、でもそれ以上に父の守ってきたこの場所を失うわけにはいかないの」

「強いな、クロエは」

「ふふ、貴方に言われると説得力あるわね」

「く、クロエさん!そ、外から大量の馬車が!し、しかも全部フェナード卿の紋章が!」

「な!敵襲か!?」


一瞬でクロエが戦闘態勢に入る。


「い、いえ、武装している人は見当たらず、以前夜中に見た人達がいっぱいで」

「行ってみますか」

「ああ、行こうクロウ君」


クロエと共にマーノの後をついて外に行くと、街中に数えきれない程の金銀財宝や鉱石を載せた巨大な馬車が何台も並んでいた。同時にメイドや執事などを始めとする人間も複数人乗っており、筆頭馬車に乗った人間がクロウやクロエ達を見つけると、ぴょんと馬車から飛び降りて2人の元へやってきた。


「ごきげんよう、私はジーク様の配下であり、メルティ総指揮官の指示の元、フェナード、ファイーム両領から手に入れた資源と金品を届けに来ました」

「あ、ありがとう」

「して、これらはどこにおけば」

「屋敷の倉庫で構わないよ、マーノ、案内を」

「わ、分かりました、どうぞこちらへ」

「承知しました、捕虜となったメイド等の家令達はいかがなさいましょう」

「できれば私の屋敷で働いてほしい、もしそれが嫌なら、私が路銀と馬を出してどことなりに行かせる」

「なら良かったです。全員クロエ様の元で働きたいを言っていたので」


男は2台目、3代目の馬車のキャビンの扉を開けると、中からぞろぞろとメイドや執事が現れた。


「マーノ、まずはメイド達の案内を、それが終わり次第金品や資源をいつもの場所にお願いね」

「分かりました!」

「すまないクロウ君、私はまずはこの大量の馬車をどうにかしないといけないようだ」

「大丈夫だ、終わったら呼んでくれ」

「ああ、そうする」


クロエに一言そういった後、馬車の後ろの方を見に行こうと思うと..


【危険な未来を察知。[龍眼]を自動使用します】


再び突如としてクロウの瞳が[龍眼]になる。クロウの両目に見えたのは、日本語を話すプレイヤーらしき人物3人が、ドーベルマンとジークを手に持った武器で殺し、メルティをいたぶるなんとも気分の悪い未来が見えた。


「.....!」


短い未来視が終わった瞬間、クロウは何も言わずに問答無用で背中を[龍化]、同時に瞳も[龍化]し、一瞬でかなり遠くのフェナード領の一番大きい屋敷で書類仕事をしているメルティを見つける。全力で[エアロマニューバ]を使い、周囲への影響もお構いなしに空中へ飛び立ち、一瞬で音速まで加速し、メルティの居場所目掛けて飛行を開始した。


「ん?なんか物凄い音が近づいてくるような」


メルティ執務室の窓を開けてみると、遠くから黒い点がこちらに向かって飛んでくるのが見える。数回瞬きをして飛んでくる点が何か見極めようとした瞬間、メルティの目の前にはクロウが滞空ポーズで周囲を見渡していた。


「あれ?パパ?どうしたの?」

「危険な未来が見えたから急いで飛んできた」

「め!メルティ様!ジーク様からの緊急連絡です!異世界人(プレイヤー)が出現しました!ジーク様の兵士は壊滅寸前、既にこちらへの撤退を開始しています!」

「何!?プレイヤー!?」

「やっぱりか、メルティ、早めに仕事を終わらせろ、そしてお前はドーベルマンの部隊といち早くライネル領へ戻れ」

「そんな、パパは」

「何、俺も異世界人だからな、大丈夫だ」

「そう、分かったわパパ、生きて帰ってきてね!アンネ!ライネル領へ避難するわよ!ライネル領へ行きたい人全員を馬車に乗せて、すぐに出発するわ」

「わかりました」


クロウは素早く動き出したメルティ達を見届けた後、メルティに教えてもらった南部前線の方へ向かう。分離帯のようになっている森林を上空から飛んで通過すると、ジークの部隊らしき重装歩兵の死体が多く地面に倒れていた。


「ジーク!どこだ!」

「クロウさん!来ちゃだめだ!」

「隙あり!」

「ぐはっ!」


[龍眼]で見た通り、地上ではジークがプレイヤーらしき人物3人に囲まれている。既にジークも傷だらけであり、特に腹部の怪我がひどい。


「ジーク!退け!ここは俺がどうにかする」

「ですが!」

「[龍化・喉]【全部隊ライネル領へ撤退、お前も含めてだ】」

「ぐっ!」


【龍言】には抗えず、ジークは自ら残存兵を引き連れて、生き残った騎兵の馬に乗り、森へライネル領へと撤退を開始した。


「おい、待てよ、こいつおかしいぞ」

「あ?どした?こいつはクエストの敵じゃないのか?」

「ああ、こいつは違うみたいだ、それに、こいつやべぇぞ」

「どした?」

「プレイヤーだ、しかも()()()の」

「黒髑髏?レイドボスって事か?」

「ああ、なんでかは分からないが、今は撤退した方がいい」

「おいおい、マジかよ、レベルは?」

「ダメだ、[鑑定]が通用しない」

「はぁ?マジかよ、いややべぇって、俺こんな場所でデスペナ喰らいたくないよ、クエストは達成だよな?」

「ああ、ライネル兵10体倒したから、もうクリアだ」

「じゃあ早く行こうぜ、あいつに襲われたらやばいって」

「ああ、帰って報酬貰おう」


3人のプレイヤーはクロウを見て何かぶつぶつと話し終えた後、そそくさと退散していった。とりあえず戦闘にならなくて良かった。あの3人は[鑑定]スキルがどうこう言っていたけど、俺も緊張あまり[龍眼]で相手のステータス等を見るのを忘れていた。


「これ以上は戦う必要もないし、とにかくライネル領へ戻ろう」


3人のプレイヤーが何かしらのアイテムでフェンデル領へ戻ったようなので、クロウも[龍化]を解除して普通の[エアロマニューバ]でフェナード領へ戻る。メルティ達も素早く撤退の準備ができたようなので、クロウはメルティと同じ馬車に乗り、帰りはメルティと一緒に帰る事にした。


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