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七剣聖伝説  作者: 山田孝彦
第二章
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第九話 魔女狩り

マルマキアの葬儀の後拘束した魔女から拠点を聞き出した。帝国城に行き皇帝の近衛騎士ドルクと黒死隊隊長のバルキルウスも同行し魔女狩りを開始するのだが・・・。

 帝国城を出て帝国の地下都市に向かっていった。

 幼少期と全く変わらない風景、のたれ死んでる人が多くいる——周りを歩いているのは、盗賊や傭兵が多い。お金を恵んでくれるようにせがむ人もいるが、生憎そんな義理はない。


「どうだ、アルス?お前もここで生まれたらしいが全く変わってないだろう?」

「そうですね、ドルクさん。上と下では印象が全く違うのは相変わらずです。」

「バルキルウスもここの出身だ。意外と根性があるやつが多いのかもな。」

 話をしながら、セブラブの案内に沿って目的に進む。

「ここです。」

 そう言ってセブラブが指を指す。

 そこにあったのはエルスター教の教会だった、建物自体はでかいがボロく屋根にデカい穴が空いていた。

「ここで合っているのか?」

 メガネが質問すると。

「はい、間違いありません。ここにゴメリウス様がいらっしゃいます。」

 セブラブが嘘偽りなく答えているのがわかった。


 デカい扉をギギギっと鳴らして中にはいる。

「おや、どうしました?」

 神父が不思議そうに話す。

「ここに大魔女ゴメリウスがいると聞いた、大人しく身柄を差し出せば悪いようにはしない。」

 アルバートが説明をする。

「まさか、ここは敬虔な信徒が集まる教会ですよ。魔女などとは何の関係もない。」

「では、この女はご存知ないのか?」

 そうして後ろにいたセブラブを前に出す。

「ほぉ、この方が魔女なのですかな?初めて見ますな。」

 チッと舌打ちをしたドルクが前に出て神父の腕を切り落とした。

「あああああああ!!!!」

 うずくまり教会に悲鳴が響きわたる。

「猿芝居はやめろ、これ以上仕事を長引かせるな。」

「おのれ蛮族が!」

「おい、お前らこいつの腕を見てみろ。」

 ドルクに促されるように神父の腕を見ると闇の魔術が充満し再生が始まった。

「そういうことだ、間違いなくこいつは黒だ。」

 いきなり、神父が立ち上がり気迫のある声で叫び始めた。

「敵だ、一人残らず殺してしまいなさい!!」

 二階から弓兵や魔術師および魔女が顔だし、信徒のふりをしていた人たちは皆アサシンや傭兵であることが伺えた。おそらく帝国大魔女団の契約者たちである可能性が高い。

「く、敵が多すぎる!」

 アルバートが剣を構えて辺りを警戒する。

 すると、アサシンが自分に切り掛かってきた——剣で防ぐも上から弓で狙っているし、神父はスケルトン召喚の準備をしていた。

 このままでは......。

「おい、ガキ共!そしてバルキルウス!お前らはこのまま先に進め!そこの魔女が場所わかるんだろ!?手柄を渡してやるから早く行け!」

 そして、各々が今相手している敵を倒しセブラブの案内に従って走る。

「たった一人で挑むのか?なんと愚かな。」

「あまり俺を舐めない方がいいぞ。」


 そんな会話をしている一方で、先に進んでいるうちにセブラブに隠された扉を案内してもらった。どうやら下に続いているそうだ。

「私が先人をきる。」

 バルキルウスが前に出てハクバルの型をとり始めた、どちらも白銀の綺麗な剣と盾だった。


 下に進んでいくと周りが暗く数十本の柱にある松明の炎が緑の色をしている、一番奥に大きい椅子に座る女性が一人見えるが......あれが、ゴメリウスか?その女性に近づいて行く。

「道案内ご苦労、セブラブ。」

「ありがたきお言葉」

 そう言ってセブラブが膝まつく。

「まさか、嵌めたのかセブラブ......。」

 アルバートが驚いたように話す。

「いいえ、正確には私ゴメリウスが図ったの。」

 そう言って椅子から立ち上がりこちらに近づく、暗くて見えなずらかったがよく見てみるとかなりの美形だった。

「私の契約者たちは意思疎通ができるのよ、あなたたちが私の顧客を倒そうとするから消えてもらうわ。」

 そう言って魔獣を3体召喚した。

 ケルベロス、ガルム、キマイラ。かなり手強いだろう。

 ケルベロスがアルバートに向かって突進し吹き飛ばした。

「アルくん!」

 ハクレが心配そうに駆け寄る。

「おい、勝手に動くな!」

 バルキルウスが二人を心配していると。キマイラがバルキルウスに噛みつこうとするが盾で顔を弾く、だが肩についている山羊の頭が小突いて来るので防ぎ続ける。

「邪魔するな!」

自分はガルムと距離を置いた、いつ何で攻撃するかわからない。体長は3m近くあり魔術が得意だ。

「おお、苦戦しているようだな。全く人の商売に手を出すから。」

 笑いながら話すゴメリウスだが。

「それもそうだな。」

 何故かドルクがゴメリウスの後ろにいた。

「何!?」

「何驚いてんだ?お前を倒しにきただけだよ。」

「ふざけるな!」

 そういうと炎の属性を有しているのか、インフェルノをドルクに当てた。

「こんなんで、大魔女を名乗るなんて恥ずかしくないのか?」

 ドルクは周りに厚い炎の壁を作ってそれを防いだようだ。


 ハクレとアルバートは......。

 アルバートは何とか立ち直りハクレと共にケルベロスと剣を交えていた。

 三つの頭を有していて側面から回り込んでもすぐ相手に対応されてしまう。

「ダメだ!これでは、先にこっちがバテてしまう!」

 アルバートが氷柱をケルベロスの真下に打って距離を置く。

「ハクレ!天界魔法だ!この辺全域に大きいのを頼む!」

「わかった!」

 ハクレが大きく返事をして魔法の準備をした。光のカーテンと呼ばれるそれは、闇の魔術を有するものを浄化する作用がある——だが、浄化するにはかなりの技量が必要でハクレの魔法技術力では使用するのに時間がかかる。


「なるほど、浄化魔法か。」

 バルキルウスはハクレを確認し、キマイラから一気に距離を置く——そのまま、足場を氷結させてキマイラの足を氷結させて固める。


 一方自分はアルバートがここにいる敵が魔術を持っていることを知っている上での作戦なのを理解したので、ガルムをなるべく二人から遠ざける。


「行きます!」

 ハクレが光のカーテンを放つ。

 ハクレから神々しい光が部屋全体に広がる、ここにいる敵は全て苦しみ始めた。

 アルバートは隙をみてケルベロスの頭を三つ素早く切り落とし、バルキルウスはキマイラを氷結化させてそのまま浄化させた——自分はガルムをズタズタに捌いて殺した。


「終わりだゴメリウス。」

 ドルクがそう言って剣を落とすが。ゴメリウスの前にルビウスが現れドルクの剣を弾く。

「何だぁ?」

 ドルクが不思議そうに話すが。

「ゴメリウスは殺させはせんよ。」

「おもしれぇ。お前から殺してやるよ。」

 恐らく転移魔法か最初からいたかのどちらかだろう。


「ハクレ、大丈夫か?」

 アルバートの方では、魔法を使い疲れ果てたハクレを心配していた。だが、その時である。

「ハクレ伏せろ!」

 頭を切り落としたケルベロスが起き始め爪でハクレの背中を襲う、ハクレはそのまま倒れ気を失うがこのまま放っておくと死ぬ可能性がある。

「全く、焦りましたよ。」

 そこには聞き覚えのある変声呪文付きの仮面をつけた女性がいた。

「数日ぶりでしょうか。アルス君?」

 ゆっくりこちらを見て話を始める。

「今日こそはあなたを連れて帰ります。」

 するとこちらに襲いかかって来る、剣で防ごうとする前にバルキルウスが前に出て仮面の女と剣を交える。

「これ以上、妹の友人に怪我はさせん。」

「あなたは、黒死隊のバルキルウスですね。」

「アルス君!君は魔女を倒せ、ドルクが案外苦戦を強いられている!」

「わかりました!」


 自分は魔女の元に向かった。

 恐らくケルベロスは傀儡化されている、筋組織を破壊するか術の使用者を倒さなければ......可能性が高いのはゴメリウスだろうか?

 ドルクの方を見るとゴメリウスが稲妻、氷柱、火玉を出しルビウスが剣でドルクの距離を詰める。

「アルス!魔女を頼む!」

 そしてドルクは自分とゴメリウスから距離を離してルビウスを戦う。

「ガキ一匹に負けてたまるかー!」

 ゴメリウスが怒りながら、様々な呪文を連発する。

「おい!セブラブ貴様も応戦するんだよ!」

「は、はい!」

 2対1では分が悪い、どうしたものか。

セブラブと距離を詰め蹴って壁に叩きつける——そのままゴメリウスに攻撃を仕掛けるが氷壁を作って距離を取られてしまう。その瞬間横から殺したはずのガルムが自分に向かって噛み殺そうと突っ込んできた——剣を持っていかれ右腕に切り傷を負った。

「おい!傷物にするな!」

 バルキルウスと戦いながら仮面の女がゴメリウスに訴る。

「ええい!そうも言ってられないだろ!」

 反抗するゴメリウス。

 ガルムがそのまま突っ込んで行き自分を襲おうとする。

 右腕をそのまま喰わして剣を回収しようとしたその瞬間——セブラブが自分を庇ってガルムに喰われてしまった。

 咄嗟のことで驚いたが、剣を回収し動揺しているゴメリウスの腹部を刺した。

「何故だ......?セブラブ貴様は。」

 驚きながら口を動かすゴメリウス。

「そうか。愚かだが、それは仕方のないことなのかもな......。」

 ゴメリウスはそっと目を閉じ息絶えた、それと同時にガルムも倒れてしまった。


 ハクレに細心の注意を払いながら、首のないケルベロスと応戦するアルバート。

 ゴメリウスが死んだためケルベロスは倒れ一切動かなくなった。だが、肝心のルビウスには何の反応もなかった。

「おい、ジジイ!もうそろそろ死んでもいいんじゃねーか!?」

「まだ死ぬわけにはいかぬ。ゴメリウスは失ったが、まだ終わっておらぬわ!」

 怒り狂ったルビウスはドルクに向かって攻撃を仕掛ける。

「甘いな!」

 ドルクが究極型に切り替えて、老人の四肢を切り落とした。

「隙だらけだ。お前もこれで終いだな。」

 ドルクが剣をルビウスに刺そうとするが。

「だが、タダで死ぬわけにはいかぬ!」

 ルビウスの失った手足から虫の手足が生えドルクに攻撃する。

「こんのバケモンが!」

「この、ベルゼブブと契約した私の力を見るがいい!」


 バルキルウスの方では、意外と善戦していた。

 バルキルウスの攻撃を防ぐ仮面の女だったが、全く攻撃をしてこなかった。

「どうした?早く攻撃をして来い。そうしないと勝てないのだ。」

「さすが、黒死隊の隊長ですね、隙がない。」

「アルバート君!ハクレちゃんを連れて早く帝国城に行きなさい!」

「わ、わかりました!」

「逃がさない!!」

 仮面の女が氷柱を発射させるが。バルキルウスがアルバートの周りに氷壁を作った。

「無駄だ。大人しく投降するか死ね。」

「一人も殺せぬとは・・・!」

 仮面の女はルビウスの方を見た。

「退却だ!行くぞ!」

「黙れ!ゴメリウスの仇を打つまでは負けられんのだ!」

「このクソジジイが!!」

 仮面の女がドルクに一気に近づこうとするが、自分が仮面の女の足を止める。

「マルマキアさんの仇はとらせてもらう。」

「その女の名前を口にするな!!」

「アルス後ろだ!!」

 ドルクの声が聞こえた。

 後ろを確認するとルビウスの背中から毒針を放出してきた。体に数本針が刺さり自分は倒れた。

「何んてことをしてくれた!!ルビウス!!」

 さらに怒る仮面の女。

「ゴメリウスの仇を取ったま......」

 その瞬間ルビウスの頭がさっきまで倒れていたガルムによって食いちぎられた。驚くドルクとバルキルウス。

「くそ、死ぬんじゃないぞアルス!」

 仮面の女が転移魔法を使い姿を消していった。


「おい、しっかりしろ!」

 ドルクが寄ってきて針を抜き解毒剤を使ってくれた。

 幸い臓器を傷つけたわけではないので何とか致命傷には至らなかった。

「死に損ないが!」

 バルキルウスがガルムに向かって剣を構えるが。

「あ、ちょっと待ってください私!私です!」

 ガルムの方から聞こえる気がする。

「あの、私もよく理解できないというか。喰われた時にはこうなっていたんです。」

 ん、この声どこかで聞いたような。

「ああ、そうですよねわからないですよね。私です、セブラブです。」

「「「は?」」」

 三人は驚きこの後セブラブの考察を聞くことになった、そしてこの帝国大魔女団の目的も......。


十話に続く......。


世界設定:キャラクター4


ドルク、今作の最強キャラ。皇帝の近衛騎士であり、数少ない大賢者の元で修行した人間である。主に使う剣技はキルスであり、敵の攻撃がくれば究極型に切り替える。テレスミクロとの模擬戦で究極型の作りを理解したが、本人は究極型を自分から攻撃できる型にできないか模索をしている。見た目は長髪で後ろに髪を束ねているサムライヘアーな感じ、年齢は43歳で性格はおちゃらけている。だが、仕事はきっちりこなすし人当たりもいいので彼に使える兵士はいい上司として慕っている。属性は炎。


読んでいただきありがとうございます。だいぶ設定がコテコテになってきた頃だと思います。自分で考えて世界観を作っているわけですが。こういうファンタジー物にちゃんと説得できる設定を設けるというのはSFに近い感じがします。これからも頑張りますので、よろしくお願いします。


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