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第五十五話 未来予想

 目を覚ますとベッドの上だ、ニーナ家のとある一室である事に気づく、ルミナスはベルフェゴールに取り憑かれたハセクによって拉致され姿を消した、彼は新世界の扉を開くためルミナスを利用するだろう。

「あー頭が……。」

 頭が痛い怪我もそこそこしている感じだ。

「気が付いたか?」

 そこに居たのはテレスミクロ本人だった、彼女がなぜここに……。

「今まで何処に……。」

「さぁ……私は私のやる事があるからな……。」

「そんな事より、ルミナスだ……早く行かないと……。」

「そんな怪我じゃあアイツは止められない。おまけに一人で行くのか?」

「俺一人でも彼女を助けてみせる。」

「アホ言ってんじゃねーよ。勝てない戦いに挑むのはバカの考えなのさ。」

 彼女は呆れながらモノを言っていた。

「じゃあどうすんだよ!早く行かないと、間に合わない!」

「安心しな、しばらくは無事だ。」

「何処にそんな保証があんだよ!」

 体から怒りの炎が滲み出る、相変わらずサタンの恩恵はすぐ表に出る。

「おい、よせよ。この建物を壊す気か?それに私に勝てるとでも?」

 テレスミクロは剣を抜くとゆっくり歩み寄る。

「お前みたいなクソガキ相手を抑止できない大人とでも思ったか?ドルクほどじゃねーが、私は強いぞ?」

「クソ……俺をどうするつもりだ?」

「どうもしないさ、ただ戦力は多いに越した事はない。」

 すると扉が開く。

「どうやら、間に合ったようだな。」

「お、お前は!」

 クフラクが驚くのも無理はない、正体はドルクでありクフラクにとっては化け物当然の人間だからだ。

「クフラフ、数日振りだな。」

 おまけにアルバートさんもいる、なんで……。

「良いか、お前一人で戦っている訳じゃねー。ハセクと同じ末路をたどりたいか?」

「じゃあ、皆んな……。」

「そうだ、ルミナスを渡す訳には行かない。世界もだ、第一ベルフェゴールがこっち側にあると限らねーだろ?」

 確かに、ハセクさんの行動は他の誰よりも鍵を手にして世界を開くことにある、自分一人に責任を預け誰にも迷惑をかけない道だ。だが、よく考えてみれば彼は悪魔に体を乗っ取られている。そうであれば、ベルフェゴールの意思が尊重されるだろう。答えが分からない以上さっぱりだ。

「ほんでよ、姉弟子。ハセクの野郎は何処に向かっている?」

「今はアルスに任せている。カラス座の面々も頑張ってる所だ。」

「アルスさんが?!」

「そうだよ、アイツはアイツなりに元気さ。今はね。」

 

一方でアルスはハセクの行方を追っていた。とはいえ彼は未来が見える、何処に行き着くのか明確だった。

「ベルフェゴール……本当にこの場所で合っているのかい?」

『案ずるな、新世界の扉はもうすぐ……。』

 ハセクはベルフェゴールの指示に従い、ルミナスを担ぎその場所まで歩んでいく。扉の場所は帝国から近い場所に存在する。山脈の麓にサタンは扉を作ったらしいのだが……。

「ここは……。」

 何もない平地、帝国では珍しいほど草木が生い茂っており見渡しが良かった。

『さぁ、その鍵を。』

「悪いね。」

 ハセクは体が勝手に動く、気を失ったルミナスを地面に置き剣を突き刺そうとする。

「待ってください。」

「ん……お前は……。」

「世話になりましたが……こうなってしまっては剣を抜きざるを負えない。」

 丁度アルスが待ち伏せていた。

「ヒルブライデは残念だったね。」

「知っているのですか?それとも悪魔の言葉か……ロート王の言う通り無法者でしかない……貴方ほど聡明なお方が取り憑かれるなど何がありました?」

「君には関係ないだろ?」

「もちろん……ですが、助けにはなりたい。自分と彼女を軟禁された部屋から手引きしてくれたのは何を隠そう貴方だ。」

「……僕はただ、死にたいだけ。これ以上の他人の死は耐えられない……。代わりにベルフェゴールが全てを全うしてくれる。」

 アルスは素早く近づきハセクの頭をがっしり掴む、そこから浄化の光を出してみると。

『脅しのつもりか!俺はただ彼の言う通りに世界を存続させるだけだ!』

「本当か?この未来が見えていると言う事は俺かお前のどちらかが扉を開いたという事になるが……ベルフェゴール、貴様の狙いはなんだ?」

『簡単な事だ、目的はただ一つ世界の存続本当にそれだけだ!他の悪魔と違い俺は貪欲じゃない!』

 するとアルスの未来が少し変わる、今まで見ていたのは間違いなく自分が扉を開いた後の世界……謎の建物が多く建ち住民は平和に暮らしていたが、今度はどうだ?少し気を許しベルフェゴールに身を任せても良いと考えると謎の建物は消え今と同じ建物が並ぶ、そして何も変わらないのだ。悪魔との契約、宗教の規制……自由がない。悪魔と人類の平等だろうか、進化しない。同じ事の繰り返しだ。

「やはりダメだ。お前を殺す。」

『ハセク手を貸せ!』

 同時に剣を抜くと凌ぎ合いが始まる。

「アルス……僕達の未来はどうなっている……?」

『耳を傾けるな!ハセク、ここまで来たんだ!諦めるな!』

 ハセクは間違いなく迷っている、アルスの言葉に何か悟ったか……頭が良い分ベルフェゴールには不利か……。

「自分の浄化魔法ならベルフェゴールだけ消す事は可能です。どうします?」

「ああ……ああ……」

 ハセクはさらに動揺する、何があったのだろうか?

『体が言うことを……ええい!』

「アルス……まさか……。僕が今までやってきた事って……未来も……。」

「変わらないです。何もかも……また血が流れる。」

 ハセクは脱力するとすぐに力む、完璧に体をベルフェゴールに乗っ取られた。

『よくもハセクを誑かしたな!アルスうううううう!』

「アホか、少なくともハセクさんがこの先の未来が見えていたらこんな事にならないだろうよ。」

 そうだ、彼はただ未来が見えなかった。ハセクはただ単に世界の終わりを阻止すると共に血の流れない未来を望んだ。だが相手が悪かった、ベルフェゴールも所詮悪魔。互いの利害が一致する未来を望む、おまけに何も進歩しない未来だ、血を流さない未来を望むハセクには絶望だろう。

「良いか?元々お前ら悪魔は抑制されるべきだ、俺たちのような人間と対等の未来は必ず破綻が生まれる、種族だって同じだ、力の差がどれだけ未来の足を引っ張るか考えるんだな?」

『俺の道が間違っていると?』

「間違ってはいない。少なくともこの世界では合わない。」

『だったら!』

 ベルフェゴールはハセクの体を使い剣で攻撃する、それを剣で防ぐとハセクの両肩からベルフェゴールの腕が飛び出る。

「全く自分勝手だ……人の体を傷物にする時点で明確だな……。」

 腕がアルスを襲うと大きな光を出すベルフェゴールの指先は徐々に削れるためハセクの体ごと身を引く。

『貴様のような人間に負けてたまるか!私の世界こそ平等!全ての民は種族の差別を無くし、そして悪魔にも寛容になる!今の王国はどうだ?!あれこそ平和だろう?!』

「あれがいつまで続くと思う?ラスティーネが死ねば長くは続くまい……オロバス達を信じない訳じゃないが力をつけ過ぎた後を考えるんだな?」

『貴様!未来が見えたぐらいで良い気になるな!』

「ああ、そうだな。」

 ベルフェゴールはまた立ち向かってくる、だけどそろそろ終わりにしよう。

 アルスは懐からリボルバー型の銃を取り出しハセクの心臓を狙って撃つ、頭に撃たなかったのはせめてもの感謝だ。

 胸を打たれると立ち膝になり己の状態を確認し始める。

『な、何を……。』

「銃だよ、携帯できるようになったんだ。ただ、装填に時間がかかるけどね。」

『く……そ……マズイ……本体が死ぬ……』

「最後に話すのがハセクさんじゃなくてお前なのが気に食わないが、まぁ……いい。」

 ハセクの息が絶えるとベルフェゴールも姿を消した、鍵も無事だし後は師匠達に知らせるか。

 横に倒れたルミナスに近づき回収する。彼女を殺し扉を開く。こんな行為ハセク自身にできたのだろうか?いや、彼だったら未来のために躊躇わないだろう。もう関係ないが……。

 さて、この先の未来……どうなるか……。

 すると未来が変わり始める。

「なんだ!」

 ラスティーネが死んでいる、助けに入ったのだろうか……エレスも死んでいる……誰だ?徐々に誰が殺したのか明るみになる、正体はハセク本人だった。

「まさか!?」

 背後を振り返るとハセクの胸から何かが光っている、それが落ちると手帳のようだが魔導書のようだ。

「蘇生か!?いや……!」

『アルスよ、鍵は一つだけとお思いかな?思い出せ……私は一つの仮説を打ち出したラスティーネにはテレスが憑いていると思わんか?悪魔のように……。』

 あの時か……グランハースで彼女はキュキュルスに撃たれた、その時一時的にテレスになった。だが、それと何が……。

『あれはスペアキーだ。テレスを複製体やコピーと言っていて何かと思ったがこの可能性があるならば私は!』

「クソが!」

 その時転移魔法が発動した、行き先は間違いなく王国だ。ハセクが死んだ後未来が見えたが蘇生した後未来が変わった……未来はちょっとした事で変化する。これが仇になるとは……。

 通信魔法で直ぐに現状を帝国にいるテレスミクロ達に伝える。完全に自分の失態だ……この体たらくどうするか……。


 ——一方王国では、ラスティーネは自室で思い耽っていた、同時にスフィアーネとアグライト一向も前の戦いがあった為、王都で防衛策を練っていた。

 そしてエレスだが……。

「さすが、物流も良くなってますし色々な食べ物が……。」

「隊長……食べ過ぎです。」

 彼女は屋台巡りに行っていた、部下を一人連れまわし巡回という仕事を利用していた。

『おい!エレス聞こえるか!?』

「どわあああああああああ!!」

「ど、どうしました隊長?!」

「今、アルスさんの声が!」

『これは通信魔法だ!いいか?よく聞け?悪魔に取り憑かれたハセクがラスティーネを殺そうとしている、今すぐ彼女の元へ迎え!』

「は、はいいいいいい!!」

「ど、どうしました隊長?!」

「今直ぐ、王城へ全員特攻です!」

「はぁ?!」

「私もよくわかりませんよ!姫が殺されるみたいです!突然消えたアルスさんの声はするし死んだ筈のハセクさんは悪魔に取り憑いているとか……!」

「はぁ?!え!」

「とにかく!残りの四人を集めてください!」

「了解です!!」

 

 第五十六話に続く……。


 読んで頂きありがとうございます。なんか久しぶりな気がします、最後の投稿から三ヶ月程経ってますがもう一個の作品にかなりお熱になってますね……とあるコンテストで中間選考まで行きましたがやはりダメでした。とりあえず完結させてから勝負な気がします。分からないけど……。この作品も更新していく予定ですのでよろしくお願いします。

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