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第四十一話 剣聖隊と最強の男

 アルス一行は城目前まで歩みを進めていた、アンデットの召喚もあったがラスティーネの力が大きく大抵は浄化してしまう、まず剣聖隊が七人と強すぎるため殆ど向かってくる兵士は屍と化していたが、それもここまでのようだ。

「よう、お前ら。」

 ドルクが怒涛の進行をする剣聖隊の前に立ちはだかる。

「おードルクじゃねーか。こんな国に尻尾を振るなんざお前らしくない。」

 テレスミクロが煽り始める。

「姉弟子には分からんさ、俺には身分があって守らなきゃならねーもんもある、そんで討たなきゃならねー敵もな。」

「ドルク、君のいる帝国はそろそろ終わるよ?僕たちが戦っても意味はない。」

 ハセクは正論をかましてもドルクはそれには動じなかった。

「そんなもん分かってるさ、王国の事だろうから国民は殺さねーだろ、親父だけ死んでくれればそれで良い。」

「なぁ、どっちなんだ?」

「さぁね、どっちに着いても俺の理想がそこにあるかどうか……迷ってるみてーだ。」

 するとドルクは背中に背負っている装備を手に持ち始める、布を全部取ると剣だが柄頭が同士がくっ付いてる双刃剣でいわゆるダブルブレードというやつだ、噂によればドルクの持っている剣は帝国の国宝であり魔剣の一種で黒龍の骨から作ったものとされる、そのため妙に禍々しい。

「おいおい、良いのか?こっちには姫様だっていんだぞ……お前が暴れるってんなら……」

 ドルクは奥の方に目をやるとラスティーネの存在を確認する。

「ガキまで前線に出させるとは、考えもんだ……」

 構えを究極型にして圧倒的オーラを醸し出す。

「まずは姉弟子、あんたからだ。」

 ドルクは剣を回しながら飛んで行き、テレスミクロと剣を交える、どちらも究極型と言われる型を使って攻防が始まる。

 アンデットや共産国兵士が集まり出し、乱戦が始まる。



 セブラブの方でも共産国兵士が中央へ移動しており、剣聖隊の進行を止めようと動いているようだ。

「私も行きます、あなた達はそのまま右翼と挟む形で進行を。」

 セブラブは剣聖隊のいる方向へ足を進める。



 ドルクの猛攻は凄まじく、テレスミクロは手も足も出なかった。

 顔を掴まれ地面に捻り伏せると背中がガラ空きになる、そこをアルスは斬りかかると首を魔法で締め上げられる。

 ヒルブライデが急いで二人を助けようと接近するとアルスを投げてヒルブライデに直撃する。

 投げた威力は大きく、しばらく立つことは難しいだろう。

「撃つぞテレスミクロ!」

 ハセクが警告すると、上空に雷雲を作って大規模の雷を落とす。

 テレスミクロはそれに気づくと全身を氷結させ身を守るとドルクが掴んでる手まで固まりその場から動けなくなる。

「舐めやがって!」

 雷が落ちるとテレスミクロを持ち上げ盾にして攻撃を防ぐとハセク目掛けて剣を投げると頬を掠り回転しながらドルクの元へ戻っていく。

「よくもやってくれたなハセク……」

 テレスミクロは感電しており全身を氷結で覆っても最小の被害で済むだけだった。

 テレスミクロを掴んでいた手は赤くなっており衣服が燃えていた、どうやらテレスミクロの氷結を溶かそうとしたらしいが、魔法ではテレスミクロの方が上なので間に合わず力で解決したようだ。

「師匠!」

 ライノックが到着したようだ。

「なんだ、死にに来たか。」

「いえ、俺はただ……」

「バカが!ここに来て良いのは死ぬ覚悟のある奴だけだ!」

 ドルクは怒りを見せるとライノックに襲い掛かる、剣で受け止めても力はドルクの方が上であり反撃の隙などない。

 ドルクが剣で追撃を行うとエレスが横から渾身の一撃をお見舞いする。

 剣で防いでもあまりの力強さに足が地面を擦る。

「ライノックさん、流石に話し合いしてる場合じゃないですよ。」

 エレスがライノックに言い聞かせる。

 ドルクの後ろから回復したアルスとヒルブライデが斬りかかる。

『回復が早い……』

 ドルクが不思議に思い、剣で防ぎながら周りを見渡すとテレスミクロがラスティーネとハクレによって治癒魔法を受けていた。

『あれか……まずは王女からだ。』

 ドルクはアルスとヒルブライデの攻撃を凌ぎ、すり抜けて王女に突進して行く、王国兵士は守ろうと壁を作るも吹き飛ばされてしまう。

「行かせない。」

 クフラクはハセクの指示でなるべく先頭に立たないよう指示をされていた為、ラスティーネと行動を共にする事が多かったため近くにいた。

 クフラクが炎をドルクの足元に出すと飛び上がり標的がクフラクに移る。

 ドルクは落下と共に剣を振り落とすもクフラクがそれを受け止める。

 サタンの恩恵か力はかなりのものだった。

「やるな小僧。」

 少し嬉しそうに話すとクフラクの後ろから先回りしたであろう、ライノックとエレスがドルクに斬りかかり、両方の剣を凌ぐとドルクの足が地面にめり込む、二人の力は凄まじくドルクは凌ぎ合いで負けそうになる。

「脳筋どもめ……中々楽しめそうだ。」

 ドルクのダブルブレードの両方で凌ぎ合っているのでここから攻撃するのは難しい。

 後ろからアルスとヒルブライデが接近してきている、前にはライノックとエレスによって剣を封じられている、そして様子を伺うクフラクが見え、テレスミクロもそろそろ復帰するだろう。

 ドルクは後ろにいるアルス達の接近を感じ取ると右足を地面に叩きつけ、小さい地震が起きる。

 エレスとライノックがよろめくと力が緩むのを感じ、立ち直される前に剣で二人を斬る。

 二人は倒れてしまう。

「ライノック!エレス!」

 アルスはそれに気づくと、ドルクは既にこちらをマークしており標的は明らかだった。

「アルス君下がって!」

 ヒルブライデは氷塊を出してアルスに近づけないようにするが、ドルクの前では意味をなさず氷塊を破壊した後ターゲットをヒルブライデに移す。

 剣で戦うとヒルブライデはあっさりと斬られてしまう、再びハセクが稲妻を飛ばすが避けられてしまう。

 ハセクの存在を発見すると近づいていくが周りに電撃を走らせ近づけられない。

 後退りをすると、クフラクがドルクの下に炎の魔法を出し軽傷の火傷を負わせる、ドルクは炎の元を断つべく剣を回転させ周りの炎を寄せ付けないようにクフラクの元へ飛んで行くと炎で見なかったテレスミクロが氷柱を飛ばしドルクの持っているダブルブレードを飛ばす。

「クソ!」

 ダブルブレードを魔法で引き寄せようと右手を伸ばすと魔法陣が出現し封印用の鎖が飛び出し右手に絡みつく。

 次々と魔法陣が出現し足と体に絡みついていく、今度は左手を狙って魔法陣が出現し鎖が飛び出てくるが腰にある剣を抜き鎖を寄せ付けまいと剣で次々くる鎖を弾いていく。

「ここまで、追い詰めて負けてたまるかああああああああ!!」

 ドルクがテレスミクロの横を見るとセブラブがいた、恐らく彼女の仕業だろう。

 ドルクは鎖によって封印されている箇所は魔法が使えない、なのでダブルブレードを引き寄せることができないため、左手に持っている剣で鎖を切ろうとするが、回復したライノックとエレスが再び攻め寄せてくる。

「師匠!諦めてください!」

「王女め……あなたの天性の魔法は強力すぎる。」

 あまりの回復の速さに驚くドルク、王女を叩かない限り敵が復活する。

 ドルクは利き手でない左手で二人の攻撃を凌ぐほど強かった、足も拘束され動けないにも関わらずだ。

「マジでバケモンじゃねーか。」

 テレスミクロもここまで粘るとは思いもしなかった。

 ドルクは力を振り絞り右手に絡みついた鎖を引っ張る。

「嘘!?」

 セブラブの魔力は一般の魔導士と比べても別格に強い、魔力が強ければ使用する魔法の威力も強い、ドルクの体に巻き付いた魔法陣から出てる鎖は巻き付いた後、拘束するよう引っ張るのだが、その力は以前ドラゴンさえも拘束した強さだったはずにも関わらず引っ張られている、右手は魔法が封印されているはずなので強化魔法は使えないはずだ。

 ドルクはライノックらを利用しライノックの斬撃と同時に右手に絡みついた鎖を体の前に持っていき鎖を破壊させる。

「ああ、やべ!」

「お前らの負けだ!」

 ドルクは右手を再びダブルブレードへ伸ばし魔法で引き寄せると回転してドルクの右手に渡ろうとする瞬間ラスティーネの方から神々しい光が現れる、ドルクはそれに気を取られ目も眩しく思わず瞑ってしまう。

 すると、右手に渡る筈だったダブルブレードはドルクの右腕を切り落としてしまいそのまま、カランと音をたて地面に落ちる。

「まだだ、まだ終わってない!」

 ドルクは腕さえ切られても平然としており、足と体に巻き付いた鎖を壊し再びライノックとエレスの猛攻を耐え凌ぐ。

 さっきの光でセブラブ、ハセク、クフラクは弱っておりヒルブライデは虫の息になっている。

 ドルクはどうしてもラスティーネとハクレを討ちたかった、あの回復要因を倒せば勝機はある。

「どけ、ガキ共!俺の邪魔をするなああああああ!!」

 ドルクも疲弊しているようで、体が持たなそうだ。

 テレスミクロが氷塊をドルクに目掛けて出すと破壊はできず、飛び越えて行くしかなかった。

「お前ら今だ!」

 テレスミクロが大きな声を出すと、その後ろには弓兵がいた。

 ドルクは現在テレスミクロの出した氷塊の上にいる、良い的である。

 矢が飛んで来ると剣で弾き返すが数本と体に入ってしまう、矢が止まると今立っている氷結を足で踏み砕きラスティーネの方へ接近するもテレスミクロが立ちはだかり剣を折られてしまう。

 折れた剣をラスティーネの方へ投げるが、隣にはハクレがいて弾き返されてしまう。

「残念だったなドルク。」

「勝った気でいるのか?姉弟子?」

 ドルクは重力魔法で周りに圧をかけるが最初ほどの屈服させる程の力ではない。

「無駄な足掻きだ。」

 テレスミクロは無慈悲にもドルクの体に剣を突き刺す。

 ドルクはうめき声を上げるが左手をよろめいた王国兵士に向け剣を引き寄せる。

 武器を奪うとテレスミクロに斬りかかるが彼女は妙に落ち着いていた。

 背中から激痛が走る、アルスとエレスが剣で突き刺していたようだ、彼らはドルクを拘束するように、突き刺した剣を固定し身動きを取らせないようにする。

 後ろを振り返るとライノックが突っ込んでくる。

「師匠!」

「さぁ、来るが良い!」

 ドルクは周りにいる三人を強力な衝撃波を出して吹き飛ばしライノックと向き合う。

 ライノックの一撃をドルクは防ぐが、重い攻撃のためドルクは体勢を崩してしまう、ガラ空きになった所をライノックは見逃さなかった。

「当たれえええええええ!!」

 ライノックの斬り上げは見事に入りドルクは立ち膝になる。

 それに気づいた共産国兵士達は退き始めるのだった。


 ドルクの体力は限界であり、腕も痺れているため持ち上がりそうにない、戦う気はないと見える、剣は腹に一本テレスミクロの剣が刺さっているし背中に二本刺さっている、軽度の火傷もそうだが右腕が欠損しているため出血が多く意識も朦朧としている。

 剣聖隊全員で挑んでも彼に勝てることは難しく、何より究極型を独自で極めている以上白兵戦に持ち込むのはかなり危険だ、なので凌ぎ合いに持って行ったりとなるべく剣術に頼らない戦い方をしないと勝つ事は難しかった、魔法では剣聖隊が強いので持ち込んでも力で捩じ伏せられたり、立ち回りが的確だったりと隙もなかった。

「降れドルク。アンタはあそこに居るべきじゃない。」

 テレスミクロがドルクに近づき説得する。

「今更、ここで降れってか?悪くもねぇが己の信念に反するな。」

「とりあえず、回復させてやる。暴れたら殺すからな?」

 テレスミクロがラスティーネに治癒魔法をお願いする。

「大丈夫ですか?」

「ああ、すまなかったな……手間をかける……。」

「私の代であなたの理想を叶えて見せます、なので信じてくれませんか?」

「姫を信じろと?信じた先に何がある?」

「真実だと思います、悪魔がなぜ皇帝を殺す必要があったのかそれが分かります。彼らの目的は身内を通してでないと分かりません、仇を討つかどうかはドルクさん次第ですが、少なくとも大罪悪魔以外はおおらかな方が多いですし協力的です。皇帝が何のために殺される必要があったか、知りたくありませんか?」

「諭すのが上手いな……だが、一理あるか。」

 ドルクは皇帝を殺した悪魔を殺すという目的のため志が同じであるロート王についていけば一刻の早く自分の野心が消えると思っていた、自分の父によって領民が命の危機に遭い、脅されて今に至るのも悪魔による侵攻が原因だ。

 彼らが発端なら一刻も早く対処しなければならない、だが、ラスティーネの言う彼らの目的は何なのだろう、もしこれが分からなければ、同じ事が繰り返される筈だ……それを考えればラスティーネの言うことは少し分かる、ただ、戦って倒せば良いというものではない、彼女の母親である対話もある意味情報を引き出す上で大事な事だろう。

「少し考えてみるよ、姫……」

「良かったです、私頑張ります。」


 ラスティーネがドルクに治癒魔法をかけていると矢が飛んできた、信じられない程速く気づく者はいない、周りが気づくのは対象が射抜かれた後だ。

「ひ、姫?!」

 ドルクは驚いたように言葉を漏らす。

 ラスティーネの胸は矢で貫通されており、バタリと倒れてしまう。

「おい、身を隠せ!」

 テレスミクロがそれに気づくと周りに呼びかける、怪我人はその場に放置されラスティーネも放置されてしまう。

 ここで誰かがやられれば被害が大きくなるばかりだ。



「僕だって、子供は射抜きたくないよ。でも、そうさせたのは君達で選んだのも君達だ。悪いけど僕の選択に付き合ってほしいな。」

 矢が飛んできたのは城の方であり、放った本人はキュキュルスだった。



 四十二話に続く……。



 世界設定:キャラクターとエルフ


 キュキュルス、彼はウッドエルフという種族であり一般のエルフとは少し違う。エルフの中でも原種に近く森の中でずっと暮らしてきた種族である、基本彼らは長生きだが世界の発展と共に外界に興味を持ち始めるのも必然だ、憧れを持って外界へ向かうエルフはそのままエルフと呼ばれる、肌が黒ければダークエルフとそのままの呼び方をされる、彼らも元々は原種であるウッドエルフだったが街での暮らしに慣れ筋力は原種と比べ少し落ちており、本を読むようになったため目も少し近眼化している、他の人間やオーガなどの他の種族と違い適応速度が速く次の代では街慣れした特徴を引き継いで生まれてくるという意見もあった(この作品においては)ウッドエルフはエルフと比べ狩猟を生業とし木の上で暮らしていた事もあるので筋力が備わっており、遠くの物を見るため目も良かった、おまけに魔法もエルフ由来のためかなり強い。だが、外界に触れてないためその力を発揮する事はまず無いが、彼ら独自の伝統的魔法があるのも事実だ。話は戻るがキュキュルスは他のウッドエルフと違い目が良すぎる、遠戦に持っていけば彼は必ず標的を射抜く。年齢は2000歳ぐらいで趣味は釣りとか落ち着いたものである。


 読んで頂きありがとうございます。ドルクは強キャラにしたかったので今回彼がメインになっています、今後もよろしくお願いします。

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