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第三十話 国境へ

 始末書を書いて、数日が経つと通信魔法で共産国から連絡が届いた、無事ヘルヘイトス達は目的地に着いたことが分かり書簡も無事届けられ、オーフェンスは王国の使者として仕事もしっかりこなしているようだ。


 書簡を王に渡った途端すぐに準備をし始めたとのこと、共産国は予想外の行動に警戒をしているとのことだった、くれぐれも滞在するヘルヘイトスの存在を共産国側に知られる訳にはいかない。


「とういうことで、我々剣聖隊も準備するよ。」

 ハセクがその場を仕切る、顔色も良く元気があった。

「陛下の護衛だが、私とアルスで行く訳だ、あっちも軍を多数用意してきてるみたいだな。」

 王国の兵力は前の古城での戦いでドルクが殆ど殲滅したので余り残ってなく、若い兵士や学徒兵が殆どいる状況だ。

 手だれは少なく、王都を空にする訳にもいかない。

「剣聖からもう一人連れて行けねぇのか、ハセク?」

「いや、うーん……」

「なら、ライノックかエレスにすれば……」

 自分は提案するが、どうだろう。

「剣聖隊が三人もいりゃ少し警戒されると思われても不思議じゃねぇ。」

 元々、三国大会議場は武力を持たず会議する場であり、共和国、王国、帝国がまだ、親密であった時に利用されていたものだ。

 そのため、規約として武器を持っての参加や護衛を連れての参加も本来であればできない、女王はそれを重んじて各書簡に最低限の武装兵力による防衛と記したが、ヘルヘイトスとオーフェンスの話を聞く限りかなりの武力で向かっているそうだ。

「じゃあ、エレスとライノックは普通の兵士として外で待っててもらおう。」

 まず、最低限の武力を誇示したのは王国だ、有言実行として本当に争う気は無いと両国に示す必要がある、あっちがどうかは分からないが……。

 護衛する対象は女王以外にも各貴族やお偉いさんも来るし、王国の行政府も来る、案外この会議場は規模がデカく護衛対象が多すぎる。

 こんな中でこれだけの兵力は少し心許ない。

 結果、兵士三百人とエレスを含む剣聖三人、ライノックとアグライトが入る。

 中に入るのは自分とテレスミクロ、アグライトの三人だ。

 他兵士は外で待機する形だ。


 あらかた、指示をもらい各々が行動する、議会に各国が顔を合わせるのは二日後だ、明日は確認と大会議場の中の設計を見て把握する、正直あっちに着いて下見する暇はない、それと女王に今回護衛する剣聖隊として挨拶をしたりとやる事が多い。

 それらが済めば、すぐに会議場に向かう手筈になっている。


 それぞれの業務が終わり、自室に戻ろうとするがテレスミクロに呼び止められる。

「よお、いよいよ明日だな。」

「なんか元気ですね。」

「まぁな、久しぶりに弟子と仕事ができるんだ楽しみだよ。」

「よく考えたんですけど、剣聖隊として一緒に仕事することは初めてですね。」

「確かにお互い仕事してたのは傭兵の時だったからな。」

 テレスミクロに育てられ、当時傭兵としての仕事の紹介も彼女によるものだ、帝国で生活していた時は随分と世話になった。

「それで、剣聖隊には慣れたかい?」

「ええ、既に2年ほど経過してますから。」

「なら、良かったよ。でも気を抜くなよ最近は両国が物騒だ、時代が変わろうとしている。」

 確かにここ最近は王が死んだり悪魔の大胆な露呈が目立っている。


「ところで、用はなんですか?」

「これを渡したい。」

 テレスミクロは短刀を渡す。

 自分は短剣に触れ鞘から抜いてみると剣には刃が付いておらず物が切れない。

「これは一体。」

「マジックソードってやつか、魔法が付与されてるみてーだが、なんなのか分からん。」

「ゴミを押し付けましたね?」

「さぁね、私の部屋の掃除がまだなんで、色々漁ってたら変なのが出てくんだよ。」

 テレスミクロの封印が解かれてから日は浅い、彼女の部屋は残っていたらしく物が多いというのもあって皆んな手を付けたがらなかった、なので彼女がいない間、物置部屋と化したらしくハセクとマルマキアの私物が散乱していた。


 自分はテレスミクロの部屋を見てみるが、ただのゴミ屋敷だった、中には貴重な資料やらマジックアイテム、ミミックに封印の鎖が繋がれガタガタと動いていたりと物騒な物もあった。

「どうやって寝てんですか?」

「いや、寝てない。」

 彼女は封印が解けてから寝ていないらしく今の状況や12年の間に何が起きたのかなど数日と調べていたらしい。

 幼少の頃一緒に過ごしたが、彼女は規則正しく寝ては起きている、地下街ではあったが体感時間で分かるらしく健康的な生活リズムであった。

「眠く無いんですか?」

「今は、脳に疲労感を麻痺させて覚醒状態を貫いているが、休むべき時に休まないと多分壊れる。」

 テレスミクロは魔法以外にも超能力に精通しており、前にテレパシーを使ってみせたこともあるが、自分や相手の思考に都合のいい物を混ぜて勘違いさせるらしい、ただ使用対象者の負荷が大きいらしく解けた途端しばらくは目を覚まさないこともあるとか。

「それで、自分にどうしろと?」

「ベッド貸して。」


 渋々ベッドを貸し、自分は床で寝ることに師匠はベッドに横になるなり直ぐに寝た、イビキがうるさくヨダレも出ている、よほど疲れていたのが分かる。

 明日早いことを考えながら自分も寝たが、集中できなかった。



 日が昇り、支度をしようとするが師匠を見るが起きる気配がない。

「勘弁してくれ。」

 小言を挟んでブランケットを剥がすが、裸だった、暑かったのかな?

 特に育ての親みたいなもんなので、気にすることはなかった。

「早く起きてくださーい。」

 師匠は「うるさい」と言ってそっぽを向いて、ケツが見える体制になる。

「刺しますよ。」

 自分は師匠にもらった刃のない短剣をケツにブッ刺す。

「いたあああああああ!!」

「時間です、起きなければもっと深くに。」

 力を入れ深く刺していく、因みにだが、穴に入っている訳ではなく押し付けているだけだ、それでも痛いのはよく分かるだろう。


 アホなことをしているとドアが開く。

「アルスさん!お母様がお待ちしております!」

 元気なラスティーネ姫が入ってくるが、彼女の目には裸の女のケツに短剣をぶち込む変態がいると思われているだろう……とても気まずいのは気のせいだろうか。

「おはようございます、王女殿下。今向かいますので、ドアの外で待っていてください。」

「え、なんですか?え?!何これ?!」

 どうやら年端のいかぬ幼女には理解が追いつかなかったようだ、見苦しいものを見せてしまった、女王になんて説明しよう。


 しばらくして、師匠に服を着てもらい、待っているラスティーネに会いに行く。

「さっきのは何ですか?」

「アレはアルスの趣味だよ。」

 師匠が変な事を話す。

「私にはまだ理解ができませんが、大人になれば理解できる日が来るのでしょうか?」

「なんか誤解してますよ。」

 訂正するが、自分は決してアブノーマルな性癖は持っていない、性に興味がない訳ではないが、普通の人と同じように表に出さないだけだ。

「テレスちゃんの時もそうだし、好みの女性ははぐらかすし。でも、受け止める気概の女に私はなりますからね!」

「そんなん受け止めたら、おしまいだよ……」

 不安を口にし誤解を解きながら、王城へ向かう。


 中へ入り進むとスフィアーネ女王が待ってくれていた。

「お待たせして、申し訳ありません。」

 自分は謝罪を口にする。

「いいえ、大丈夫です。忙しいでしょうに……今回はよろしくお願い致しますね。」

 追加でとスフィアーネも大会議場へ行くようだ、護衛の難易度大きく上がるが、女王曰く、ラスティーネは今後国を担う人間にするという事もあって、外せないのと、各国の行政府が総出で出ており王族も顔を出すような場である、信頼を得るためにラスティーネの顔と悪魔街での実績を各国に証明したいそうだ。

 

 確かに悪魔街の問題はラスティーネに一任され解決の兆しもある、だが、悪魔との共存をより強く前に出すということは反対派の意見も多く見積らなければならない。

 特に国という、価値観そのものが違うように悪魔は敵と考える人からすれば王国は脅威という認知になることがある、それはより一層と国同士の戦いの火種としての素材に過ぎないだろう。

 今回の目的は共産国の侵略の防止及び侵攻はしないという協定を結ぶこと、帝国には共産国とグルであるかどうかの確認と鉱物資源の使い方の提案及び方針を決める事である。

 その他にも沢山あるだろうが、護衛の自分には政治には顔を出しずらいし、己の仕事に全力で取り組むだけだ。


 対話で解決するには嘘も必要だろうが、女王は嘘を言わず押し通る気でいる、両国は嘘しか吐かないだろう、特に帝国だが、銃の製造に使われた鉱物資源は帝国のものだ、戦いの助長になるので使うのは良いけど、それだと共産国が明らかに王国に向けての侵略準備だというのが明るみだ、共産国には銃以外での鉱物資源の使い道と帝国には鉱物資源の輸出を少し抑えてほしいようだ。

 上手い事、女王が立ち回ってくれなければ、この国は戦いという選択になる訳だが、どうだろう。


「失礼、私テレスミクロさんはご存知なのですが、あなたの事を存じ上げておりません、自己紹介の程お願いできますか。」

 女王とは実は会っていない、封印が解けてからバタバタしていた事もあったが、特に行政面での活動が多くハセクとテレスミクロとは面識はあるようだが、政治に触れない自分が会っても仕方ないので会うことはなかったのだ。

「ああ、申し訳ありません。王国精鋭剣聖部隊、隊員のアルスといいます。」

「ん?あなたがアルス?」

 何だろう……急に不機嫌な感じになった、名乗らなかったのが悪かったのか。

「あなたね!私のラスちゃんに夜遊びを教えたの!」

 急にキレてきたが、報告書を見たのだろう、娼館前での出来事だったり色々……

「今日は大丈夫だった?ラスちゃん?私心配よ!!」

「大丈夫ですわ、裸の女性のお尻に剣を入れてましたが……。私は王の器として受け止めてみせます!」

「何ですって?!あなた私の娘になんてモノ見せるの?!」

「いやいや、師匠……説明を。」

「こいつ変態だぜ。」

「誤解だ……。」

 事は余計に悪化していった。

「聞いてみれば、小さい子供に興味があるとか、ロリコンなんてもってのほかよ!!」

 テレスの事だろうか、ラスティーネは何を言ったのだろう。

「悪い、それは私もちょっと……。」

 隣でテレスミクロが引いていた、本当に誤解なんだよな……。



 賑やかになってしまったが、女王、王女とアグライトが王宮馬車に乗り、自分達は兵士の乗る馬車に入る、そこにはエレスとライノックと友達である帝国兵士が王国兵士の格好で入っている、エレスは剣聖だが、女王には伏せている、彼女は最低限の武装と兵力を提示しているが、両国は最低限とは思えない兵力なので女王には申し訳ないが嘘をついた。


 女王との挨拶が終わった時にハセクから帝国にいるキーウィから連絡が取れないとのことだった、何か問題があった可能性がある、共産国からは通信できるので少なくとも生きていることが分かる。


 自分達は王国と帝国の国境に向かって行くのだった……。



 三十一話に続く……。



 世界設定:キャラクター


 テレスミクロ、彼女はダークエルフであり、大賢者の元で修行した数少ない弟子である。属性魔法を三つ用するトリプルエレメントで炎、氷、雷の生成魔法が使える、秘密が多くかなり前の時代から剣聖隊にいたらしいがその実は不明である、一番長生きなので生き証人がいないため証明ができないのと単に彼女自身秘密が多い。剣聖と同時に帝国では名のある傭兵だった。主人公のアルスを傭兵にし育てるのと同時にヒルブライデも剣聖として育てていた、何が目的なのかも現段階ではわかっていない、年齢は間違いなく1000年以上生きているが、本人は数えるのをやめたようだ。使う型はエルシドと状況に合わせた究極型を使用する。趣味は旅行で新しい価値観に触れるのが好き。




 読んでいただきありがとうございます。この世界の作りはどうでしょうか、だいぶ凝ってはいますがとっつきにくいでしょうか?元々SF作品を見るのが好きで、特に洋画は好きではあります、コテコテになった世界観には圧巻させられます。これからも頑張りますのでよろしくお願いします。


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