表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/56

第十六話 再会

 古城に向かったアルス一行、地下に行き死んだとされるスフィアーネ女王を発見する。封印されていたため解こうとするが上手くいかず、地上に戻るが子供のエルフに行手を阻まれる。その時アーブルが仮面の女に刺されるのだが……。

 後ろを振り返った時、アーブルさんが倒れていた。刺したのはあの仮面の女だった……。


「逃げろ……お前ら……」

 かろうじて、生きているが……もう持ちそうにない。

「悪いが、アルス君だけ残して逃げてくれないか?」

 仮面の女の目的はやはり自分だった。

「エレス、無闇に突っ込むなよ。」

「わ、わかりました!」

 考えなしに挑んでは絶対に負ける……あの女は強い。

「はぁ……君の仲間には手を出したくないんだがな……。」

 そう言って仮面の女は剣は自分達に剣を構えた。


 仮面の女はこっちに攻撃を仕掛けて来たが、それはどうやら揺動で自分の足元に氷柱を出して距離を置いた、そのままエレスの方に向かっていく。

「エレス!標的はお前だ!」

 エレスに向かって叫ぶが……

 ガキンっと鈍い音を出して女の攻撃を防いだようだ。

「さすが、力はダントツかな?」

 仮面の女はエレスをよく観察しているようだ。

 エレスは攻撃を繰り出していく、エルシドの型だ。少し大ぶりに振っているが素早さもある為カバーできている。

 激しい攻防、このまま仮面の女の後ろを斬ろうと考えたがエレスの邪魔になる。エレスは思いの外かなり強い。

「そこです!」

 エレスがヨロついた仮面の女の隙をついて攻撃を入れようとしたが、攻撃が跳ね返りエレスが深い切り傷を負ってしまった。そのまま膝をついてしまう。

 地下で見たリフレクターと同じだ。

「エレス!」

 このままでは、やばいと思い仮面の女をエレスから遠ざける。

 エレスはかなりの重傷を負っている。腹部に深く入ったため内臓をやられているに違いない。

 セブラブがアーブルとエレスを乗っけて遠くへ行ってくれたようだ。


「これで、二人きりになれましたね。」

「何が狙いなんだお前は?」

「いずれ、分かります。」

 恐らく短期決戦だ、エルフの子供まではセブラブは回収できなかった。拘束しているとはいえ何をするか分からない。

「さぁ、始めましょう。」

「ああ」

 二人はそれぞれ得意な型を取り始める。

 仮面の女は2年前と同じガルガンドとバーラスの組み合わせだ、そして時々氷柱を出して牽制してくる。

 自分はそれに対してエルシドの型で防ぐが女の手数が多くて正直苦戦を強いられている。

 だけど、この2年間何もしなかったわけじゃない。

 自分は究極型に切り替えた、その瞬間女は攻撃をやめて距離を置く。

 その瞬間、距離を詰めて攻撃を仕掛ける、女は剣で手元を狙ってきたが予測できたので剣を絡めて切り上げたが仮面だけ傷をつけて避けられてしまった。

「なぜだ?」

 女は困惑している、究極型の弱点である先制攻撃で負けるという概念がまだ生きていたようだ。

 ドルクさんが言っていた相手の動きを予測するという戦い方だが、上手く決まって良かった。しかし予測が外れればそのまま負けが確定する。

 そのまま自分から攻撃を仕掛け、相手のカウンターを予測していなす。そのまま斬ろうとするが防がれるが、女が攻撃して来たので究極型の本領である絶対に当たるカウンターで攻撃をした。しかし剣で防がれたが、その剣は弾き飛ばされ女は手持ち無沙汰になった。

「勝負あったな。」

「まさか、負けるとは……」


「いや、まだだ!!」

 その時、子供のエルフが後ろから炎の呪文攻撃を仕掛けてきた。

 背中に大きな火傷が残ったが、大事には至らなかった。

「傷物にするとは……。」

 女から静かな怒りを感じる。

 仮面の女はエルフの子供に呪文で首を締めた。

「ま、待った……多少傷物にしないと……君の目的は達成できないだろ……?」

 女は呪文を解いた。

「次はないぞ。」

「わ、わかってるよ……。」

 ドラゴンの鎖が解かれエルフの子供に寄って来た。

「ヘルケン!無事だったんだね!」

 無邪気に喜ぶ子供のエルフだったが、ドラゴンがエルフを弾き飛ばした。

「何?」

 仮面の女は動揺した。

 瓦礫の山に突っ込んだエルフは気を失ったのかピクリとも動かない。

「また会おうアルス君、次会うのは正真正銘の再会だ。」

 逃げる仮面の女を追おうとしたが、間に合わない。

 すぐさま、仮面の女が転移して子供のエルフを回収した。

 自分に手を振って何処かへ転移してしまった。


『このドラゴンは一体?』

 こっちを認識しているようだが、攻撃の気配はない。

「間に合って良かったです!」

 セブラブがダッシュでこっちに寄ってくる。

「これは一体?」

「アーブルさんが使役を解いてくれたんです。自分の命と引き換えに……。」

「そうか……」

 どうやら、セブラブがここを離れる前、アーブルさんに引き返すように言われたらしい。エレスの傷を治療してある程度は保たせるようにしたという、その後、ドラゴンに向かい闇の魔術の使役だったため浄化させたらしい。

 死んだ原因は魔法の使い過ぎによる血液の枯渇だろう、ただでさえ出血しているのにまた、負荷をかけたのがわかる。

「早く戻ろう……アーブルさんの遺体は後日埋める。」

「ええ、そうですね。エレスさんも応急処置とはいえかなり危険な状態です。」

 とはいえ、時間がかかる。エレスだけセブラブに乗せて行かせるか。

 考えてると、セブラブが話始めた。

「どうやら、ギータが王国まで連れていくと言ってます。」

「え?喋れんのドラゴンと?」

「ええ、ガルムになってから他の動物とも意思疎通が可能になりました。時間はかかりましたけどね。」

 もう、なんでもアリになってしまったがドラゴンの方が確実か。


「頼めるようにお願いできるか?」

「はい。」

 そうして、ドラゴンの背に乗って王国まではすぐだった。使役されてたところを救ってくれたお礼だそうで、アーブルさんの遺体もドラゴンが埋葬してくれるという。

 ギータというドラゴンらしいが、この大陸の外にある国で悪魔や悪霊を祓うのを主にしているらしい。

 ある時、悪魔に使役されエルフの子供に渡ったそうだ。


 王都付近から少し離れたところで降ろしてもらい、セブラブに乗ってすぐに王都の病院でエレスと自分を見てもらった。


 病室で包帯を巻かれていると、扉からアルバートが顔を出した。

「兄貴!大丈夫ですか!」

「いや、大丈夫だけど。エレスはどうだ?」

 エレスとは病室が別である。

「それが、目を覚まさなくて。昏睡状態だそうです。」

「そんな……」

 それから、ハセクが顔を出す。

「お、いたね。ちょっと怪我してるとこ悪いけど、ついて来てくれないか?」

 そこから、病院の外に出て小さい路地裏に来た。


 そこには、アルバートとハクレ、ハセク、アグライトの四人が居た。

「国王が三日後に共和国に行くのが分かったんだ。」

 ハセクが説明する。

「それと同時にラスティーネ様の謀殺を決行するそうだ。」

 補足でアグライトが説明する。

 どうやら、密偵とかは必要なく国王が直々に共和国を視察すると言っていたそうだ。万が一があるというので王国城の兵力の殆どを国王に回すそうだ、そのためラスティーネ姫の守りは薄く、いつでも攻めやすい状態になったそうだ。

 話ができすぎていると悟ったのか、ラスティーネ謀殺は視察と同時に行われると予想したらしい。

 とはいえ、こちらの行動は国王が知っていてもおかしくない……何かの罠か。

「あと、ヒルブライデとは適当な距離を取れ。何かと胡散臭い。」

 アグライトが注意しながら話す。

「うん、僕もそう思う。アグライトの考察を聞いて何かと辻褄が合うんだよね。」

 ハセクが納得したように話す。

 恐らく、地下でアグライトと二人で話た内容だろう。


 その後、剣聖隊の施設に戻って寝ようとしたが背中が痛くうつ伏せで寝た。

 テレスが心配してくれたのか、今日は一緒に寝ないと言ってきた。何かと気を使わせてしまった。


 翌日になり目を覚ます。


「アルスさん大丈夫ですか?隊長が呼んでます。」

 クフラクが呼びに来てくれたようだ。

 いつもとはなれない体制で寝てしまったため調子が悪い、そして起きる時間も少し遅いな。


 剣聖隊施設、廊下……。


「アルスさん昨日は何があったんですか?エレスさん大怪我してるし。」

「ああ、仕事でトラブルが起きてね。」

「大変ですね、死と隣合わせってまだ分からないな。」

「君はそんな経験はしなくて良いよ、望むなら別だけどね。」

 大広間の扉に着いて中に入る。


「おはよう、昨日はご苦労だった。」

 ヒルブライデが言葉をかける。

「えー昨日の仕事でエレスが重傷を負ったのはみんな分かるな?まだ目を覚まさない状態のようだ。ここしばらくはエレスのいない環境で働くことになる。」

「テレスだが、今回はアルスに任せる。警護を頼むぞ。」

「はっ」

 怪我人だから負担の少ないものを提案してくれたようだ。

 ヒルブライデが各々仕事を振って今日の業務を始める。

 残り二日どうなることか……。


 剣聖隊施設外……。

「アルスさんこれ見てよ!ハセクさんに教えてもらったんだ。」

 クフラクはハグバルの型を見せてきた、しかも同じサイズの両手剣で構えがしっかりしている。

「見事だな……結構練習したんじゃないか?」

「それがハマちゃってさ、夜更かししてずっと練習してたんだ。」

 楽しそうでなによりである。

「アルスあそぼ。」

 テレスが自分の手を引っ張ってきた。

「ん?ああ良いよ。」


 そのまま、剣聖隊の花壇の方まで連れて行かれた。

「テレスはいつも外で遊んでて退屈しないの?」

 自分は少し心配して話すが。

「ううん、楽しいよ。」

 首を横に振って否定した。

 見ててと言ってタネが植えられている花壇に魔力を注ぎ始めた。

 すると、芽が出てきた。

「これは……。」

 正直びっくりした、天性の魔法だが植物を成長させるというのは命を操るということである、これは大賢者や神などの高位者のできる魔法だ。

 その他にも植物のみならず、生き物だって命を吹き返すほどの力がある。

「どうやってこれを?」

 自分は疑問に思ってテレスに聞く

「前にハクレさんとタネを植えたの、早く咲いて欲しいって言うから祈ったらいつの間にかできるようになった。」

「そうか、よく頑張ったな。」

「やった。」

 素直に喜んでくれた。

 この魔力、王国がほっとくはずが無い、やっていることがスフィアーネ女王と同じだ、女王も生まれながらにして天性の呪文が使えて同じく生命を司る呪文の持ち主だと聞いている。


 しばらくして、テレスが疲れて寝てしまった。

「アルスさん俺、模擬戦してみたいです。」

 クフラクが期待の眼差しで見てくる。

「良いよ。」

 怪我もだいぶ馴染んできた、少しぐらい体を動かしても擦れるぐらいで大したことないだろう。


 ハクレとアルバートにテレスを預けて剣聖隊施設にある小さい模擬戦場を使ってクフラクと対峙する。

「じゃあ行きますよ!」

 クフラクが飛び込んできた。

 剣の振るスピードが早く力もある。

 覚えたばかりなのに良いセンスを発揮している。

 両手剣のため注意が逸れてしまう。だが、甘いのか自衛にはあまり徹してないようだ。

 そのうち、剣で弾いたり避けたりしてたら。動きが少しずつ大胆になってきた——懐が空いたので、突いてみた。

 クフラク後ろに倒れて尻もちをついた。

「大丈夫か?」

 自分は心配して話をかける。

「はい、大丈夫です。ありがとうございます。」

 ここ最近クフラクが大きく成長している。剣の腕もだが、心もだ。前みたいに大人への敵意もないし少し変わったように見える。

「色々変わったな。」

「そうですか?」

「ああ、前みたいにずっとイライラしてないし落ち着いたって思っている。」

「ああ、まぁ色々あって。」

 恥ずかしそうに頭を掻いていた。


 その後お昼になったのでクフラクと一緒にご飯を食べに行った。

 大衆食堂で料理を注文した、一応先輩なのでクフラクに飯を奢った。

「好きなだけ食っていいぞ。」

「え、良いんですか?」

 正直就職してから、趣味という趣味がないのでお金は持て余していた。使わないなら誰かに使ったほうが良い。

 遠慮なく注文するクフラク。12歳なんだしいっぱい食べないと。


 その後お腹いっぱいになったクフラク、腹がはち切れるぐらい食ったようだ。

「こんなに食べたの初めてです。」

 嬉しそうに答えるクフラク。

「一応貴族だろ?いっぱい食べれなかったのか?」

「僕は家の後継には選ばれなかったので、いっぱい食べれませんでしたよ。」

「そうか……。」

 どうやら、クフラクの長男が家督を継ぐらしく本人には愛情を注がれなかったと言う。

「さぁ、そろそろ行きましょう!」

 クフラクが元気に話す。


 大衆食堂を出た時、知らない女が前にいた。

「あ、あのこ、これお手紙です読んでください!」

 女性はそそくさと離れていった。

「アルスさん今の誰?」

「知らん。」

 封を開け手紙の内容を見る。

 今日の夜、関係者以外が寝静まった後酒場の地下で落ち合おう。アグライトより。

 裏に小さな文字で時間が書かれていた。

 この内容を察する限り今の女性はアグライトの密偵だろう。

「アルスさん中身はなんでした?」

「恋文」

「変な嘘つかないでください。」


 十七話に続く……。


世界設定:この世界のドラゴンおよび竜族について。


 この世界のドラゴンには種類があり翼を持つ者もいれば、ない者もいる。はたまた手足がなく蛇状の形を模したものも存在する。基本ワイバーンが普通のドラゴンとされている、その他にも地方によってドラゴンの形状が異なり役目も違う。神話上のドラゴンも存在し力があり高位の存在だ。高位の存在であれば人の姿でそこら辺を歩いていることがある。また昔、人に化けたドラゴンがこの世界の住民との間に子を作り竜族と呼ばれるものができたとされる。その種類は様々で人型で顔がそのままドラゴンであったり人間をベースに尻尾や肌の一部に鱗があるなど様々だ。竜族の年齢は様々で基本は300年ほど生きるとされる。

 読んでいただきありがとうございます。これからも頑張りますのでよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ