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流星の管理人  作者: 半透明幽霊
2/2

流星の管理人 中編

「な、何!?」

二人の体を赤い光が包んだ_


それからどれくらい経っただろう。リトが目を覚ました。

「…ん〜ん。ここは…どこ!?あっ、ギド!」

辺りを見回すと横にはギドがいた。

「ギドぉー起きろぉぉぉ!」

リトがギドの体をブンブン揺らした。

「うわぁぁぁぁ!」

「何!?」

ギドがいきなり叫び、リトはのけぞった。

「え…ここどこだよ!?」

「知らない。」

二人は辺りを見渡した。近くには沢山の本があった。

「うわぁ本がいっぱい!すごいここ!!」

興奮した様子リトが言った。

「ああ。だけど、天井もすげえぞ。」

上を指差してギドが言った。天井を見ると数多のガラス玉がぶら下がっていた。

「すごい…」

二人はポカンとした様子でお互いの顔を見合わせた。

すると後ろから足音が聞こえた。

『あ、起きた?』

二人が慌てて振り向いた。そこには赤い球体の光がふよふよと浮かんでいた。

「「だ、誰?」」

困惑した声で聞かれると光が少し揺れた。

『ああ、ごめんごめん。ちょっと待って…よっと。」

その瞬間、光が消え、黒髪の少年が現れた。

「じゃーん!」

黒髪の少年はニカっと笑った。二人は目を丸くした。

「ふふっ、びっくりしたでしょ。僕の名前はルビリッド!よろしくね!」

ルビリットと名乗る少年は二人に手を差し伸べた。

「「ルビリッド!?」」

「あのりゅうせいぐんの!?」

ギドがさらに目を丸くして言った。

「ピンポンピンポーン!ギド大正解!」

「なんで俺の名前知ってんの!?」

「あの…」

リトが手を挙げた。

「何?」

「そもそもここってどこなの?」

リトが周りを見ながら言った。

「あ〜、そうだね。まずそこから説明しよっか。」

そう言ってルビリッドは指をパチンと鳴らした。

「わっ」

「うぉっ」

その瞬間二人の立っているところに椅子とテーブルが現れた。テーブルの上にはクッキーと紅茶が置いてあった。

「まぁゆっくり聞いてよ。」

ルビリッドはにっこり笑うと話の続きを言った。

「まぁ、さっきも言ったけど僕の名前はルビリッドでここは…う〜んなんていうか特別な場所?」

「いや、それは分かってるんだけどお前って星なの?」

「確かに!ルーっておほしさまなの!?」

「う〜ん、それはちょっと違うかな。僕は厳密にいうと星ではないな。僕は星の管理人なんだよ。」

「「ほしのかんりにん?」」

二人が声をそろえて言った。

「うん」

「それってなんなの?」

リトが不思議そうに言った。

「えーっとね、星の管理人って言うのは…なんていうかね、星を管理している人のことで、僕はその中でもルビリッド流星群が担当なの。」

二人はまだ理解していなさそうだったのでルビリッドはさらに詳しく説明した。

「というか、君たちがここにいる理由をまず説明するね。」

「「うん」」

「君たち流星群に夢中になっててオオカミに襲われたじゃん。星に気を取られて襲われるって結構ドジじゃない?」

少し馬鹿にした様子でルビリッドが言った。

「うっさいわねー」

頬を膨らましてリトが言った。

「あはは、ごめんごめん。」

ルビリッドが手を合わせて謝った。

「で、話は戻るけど襲われた時に君が『生きる生きる生きる!!』って3回言ったじゃん。その時にちょうどでっかいのが流れたんだよ。よかったねー、死ななくて。でもずいぶん無茶苦茶な願い事をしたよね。まぁ、君達くらい小さい子を僕らが見捨てることは無いはずだけど。だからこうして君たちは生きている。助けてあげた僕らに感謝してよね。だけどタダでとは言わないよ。君たちには僕の言うことを聞いてもらう。君たちはルビリット流星群が見れる間、僕の手伝いをしてほしい。」

「えっ…それってどういうこと?」

リトが首を傾げた。

「だ、か、ら、助けてあげたお礼に仕事を手伝って欲しいの!もうほんっとーに大変なんだよ!管理人って!!」

ルビリッドがため息を吐いて言った。

「仕事の手伝い、か…」

「手伝わなかったら、オオカミが襲ってきたところから巻き戻すよ!!」

「「えっ!?」」

二人の顔が真っ青になった。それを見てルビリッドは意地悪な笑みを浮かべた。

「なーんてね。」

「もう、びっくりしたー」

「嘘でもそーゆこと言うなよー」

「あはは、ごめんって。でも君たちにとっては結構魅力的な仕事度と思うよ。だってー今ここ宇宙だしー…」

「「宇宙!?」」

二人は大声を上げた。

「うん宇宙だよ。もし君たちが仕事を引き受けてくれるなら窓を見せてあげてもいいけど?」

「「やる!!!」」

二人の返事にルビリッドは満足げに頷いた。

「よし!交渉成立!それじゃあ早速仕事の内容についてだけど、期間はこの流星群が地球から離れて見えなくなるまで。だから、猶予はあと…7日か。それまでに書庫の管理及び願玉ねがいだまの手入れをしてほしい。」

「願玉?」

「あのガラス玉みたいなやつのこと?」

リトが上を指差していった。

「そそ。それは、さまざまな人の願いがこもってる大切なものなんだ。で、そこにあるものすごい量の本は願玉の記憶とかそれぞれの流星の記録とかが載っているんだ。」

「よくわかんないけどすごい。」

「うん」

感心している二人を見てルビリッドはハッとした。

「あ、大事なことを言うの忘れてた。流星は流れて続けていつかは消えるよね。でもその流れる間に、願い事をたくさん言ってもらうのに意味があるんだ。」

「「?」」

「つまり、流星は僕達なんだ。」

「「は?」」

次回で「流星の管理人」完結します!

冬童話2022として書いてますが、これ童話じゃなかったらすいません!

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― 新着の感想 ―
[良い点] めっちゃいい! なんかすごいわくわくする 宇宙いいなぁ私も行きたい 星の管理人って素敵だね。次回も楽しみ!!! ルビリッドって名前、好きだな
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