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流星の管理人  作者: 半透明幽霊
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流星(ほし)の管理人 前編

ーこれは5000年に一度の流星群が最も盛んな日に起きた不思議で特別な物語ー

「ハッ、ハッ、ハッ」

白い息を吐きながら一人の少女が真夜中の白銀の世界を走っていた。

少女の名前はリト。

リトはこっそり家を抜け出し、丘を目指して走っていた。

_____________________________________________

「なあ、今日はルビリッドりゅうせいぐんっていうのががいっちゃん綺麗に見れるんだって!だから今夜、俺たちだけでりゅうせいぐん見ようぜ!」

帰り道、リトの親友ギドが提案した。

「うん!じゃあさ、リー今日の夜お家をこっそり抜け出して丘からお星様を見るからギドも一緒に観に行こうよ!!」

「丘か!確かにあそこなら星も綺麗に見れるな!よし、じゃあ約束な!」

「うん!約束!」

_____________________________________________

ここは人も多く、賑やかな隣町から離れたところにあるこじんまりとした小さな村だ。

真夜中の今、村は夜の闇と静寂さに包まれていた。

リトはオレンジ色に光るランプとまだ暖かいバスケットを持って丘を登った。

リトが丘を登り切ると、そこにはもうギドがいた。

「ギド!」

「おう、リト!上見てみろって!!」

興奮した様子で話すギドにつられてリトは上を向いた。

「うわあ。」

そこには満点の星空が隙間なく輝いていた。

「ギドぉ、りゅうせいぐんはどれ?」

目をキラキラさせながらリトは言った。

「まあ待ってて。もう少ししたら来るだろうし、あ、お前そのバスケットて…」

「うん!お星様観てる間に凍っちゃたらやだから、スープ持ってきた!」

リトがニコニコ笑いながらバスケットの中身を見せた。

「うお!美味そう!」

そう言いってギドが手を伸ばした。それを見たリトはすぐさま手を叩いた。

「痛ってぇ!お前!」

怒った顔でリトを見た。二人は顔を見合わせて吹き出した。

「待たないギドが悪いのっ!」

「はいはい。わかったって」

二人は空を見上げながらスープを飲んだ。

「「ごちそーさま」」

二人が声をそろえて言った。

そして、何かを思い出したかのようにリトが言った。

「ねぇギド、流れ星っておねがいごとを3回言うと叶えてくれるんだよね?」

「何言ってんだ。あんなのただのウソだろ。」

そっけない返事にリトが頬を膨らませて言った。

「もう!ギドは夢がないなっ!」

「だって言っただけで叶うなんて無理に決まってんじゃん。」

リトがさらに頬を膨らませて言った。

「じゃあリトがしょうめいするもん!」

その瞬間東の空が赤く光った。

「「ルビリッドりゅうせいぐんだ!!」」

二人は声をそろえて言った。

その言葉を合図に赤く光る流星が二人の上を通った。空が真っ赤になった。

「すげぇ…」

「うん!」

流星群に目を奪われた二人の後ろには怪しく光る八つの目があった。

「グルルルッ……」

その声を聞き二人は慌てて後ろを向いた。

「オオカミだ!!」

「ヒッ…!」

「リト!逃げろ!!」

ギドが声を張り上げて言った。

「リト早く!!!」

ギドが大声で叫んだ。その瞬間四匹のオオカミが二人に襲いかかってきた。

「いやぁ!」

リトは悲鳴を上げ、逃げようと走った。すると視界の端で何かが赤く光った。

(りゅうせいぐん!)

その瞬間リトに一つの考えが浮かんだ。リトは全速力でギドのところへ走った。そしてしっかりと手を握った。驚いた顔でギドはリトを見た。

(ながれぼしはお願いを叶えてくれる!だったら…!)二人はオオカミに挟み討ちをされた。二人は四匹に囲まれた。もうダメだとギドが目を瞑った瞬間リトが空を見上げ叫んだ。

「生きる!生きる!生きる!」

その瞬間オオカミが襲いかかって来た。しかしそれよりも早くリト達を赤い光が包んだ。襲いかかろうとしたオオカミは光を見ると慌てて逃げていった。

「な、何!?」

その瞬間二人は光と共に姿を消した。

丘の上ではルビリッド流星群が流れ続けていた。

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