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転生先はロリの国でした ~チート能力を添えてロリコン目指して翻弄す~  作者: 桐戸李泉
一章 ようこそ真正ローリ帝国編
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第04話 真正ローリ帝国

 修道服のロリ——ノドカに案内され、真正ローリ帝国の城門へ辿り着く。

 豪華に飾り付けられた城壁に組み込まれたアーチの入り口の中には分厚そうな鉄の扉が備え付けられていた。城壁は高く、侵入者を許さないという圧を感じる。


 ノドカは門の近くに立っていた門番らしき人物の許へ行き、話し始める。話し相手があたふたとしているところを見るに、ノドカはそれなりに有名な、もしくは高い身分の人物なのだろう。

 しばらく経つと門が開く。おそらく俺たちが入る事が許可されたのだろう。そんなことを考えていると、ノドカがこちらに戻って来る。


「あなた達二人の仮入国の許可が下りました。ただ……」


「ただ?」


「後で詳しく事情をお話ししますが、すぐにお二人が一緒に生活するというわけにはいきません」


「そ、そうなのか?」


「はい。何も問題が無ければすぐにその許可は下りると思いますが、しばらくの間そちらのロリの方は国営の施設で生活してもらうことになります」


「施設?」


「不安に感じるでしょうけど安心して下さい。この国家はロリの為の国家です。危険な目、嫌な目に合う事は決してないと保証します」


「そういう事なら……分かった」


「ご理解いただけたようで。……こっちに来てください」


 ノドカがそう言って手を叩くと、門の方から二人組の男が駕籠を担いでこちらにやって来る。

 洋風なのか和風なのかよく分からない。


「さぁ、こちらへ」


 ノドカはヒツギの手を引いて駕籠に乗せる。若干困惑した様子のヒツギだったが、俺が頷くと安心したのかそのまま駕籠に乗り、施設の方へ運ばれていった。


「では、私達も向かいましょうか」


「お、おう。というか君が俺を案内してくれるのか」


「不満ですか?」


「そういうわけじゃ……」


 返事に困っていると、ノドカがくすくすと笑う。 


「冗談ですよ。では行きましょうか。……とその前にお名前をお聞きしていなかったですね。お名前は何と言うんですか?」


「そう言えばまだだったな。小鳥遊和樹だ……です」


「そんなにかしこまらなくてもいいですよ。私はノドカと言います。では行きましょうか」


 ***


 門を抜けると、そこには異様な光景が広がっていた。  


「な、何なんだ……ここは……」


 石畳の道。レンガ造りの建造物。

 そこまではいい。そこまでは想定できた。


 しかし誰が想定できるだろうか?

 公園で遊ぶたちロリ。を遠目で微笑みながら見守る一般男性の姿を。


「あれは法に抵触してないのか?」


「いいえ、あれはむしろこの国家では推奨されています。ああして見守ることでロリたちをあらゆる事故から守っているんです」


「えぇ……、そうなのか……」


「はい」


 衝撃的な光景だったが、改めて周りを見ると確かにロリを遠くから見守る男たちがそこら中にいる。その一方でロリと手を繋ぎながら歩いている男の姿もあった。


「あの人は一体どういうことなんだ?」


「あぁ、あの方はロリコンの方ですよ」


「ロリコン?」


「はい。この帝国における特権階級です。ロリコンの階級の者だけがロリと共に住む権限が与えられ、あのように接触をすることを赦されているんです」


「なるほどなぁ」


 納得はできないが理解はできた。

 先ほどの男も俺がロリコンと言った時に驚いていたのもそういうことだったのだろう。


「つまり、俺がロリコンであると認められないとヒツギ……あの子とは一緒に暮らせないってことか?」


「その通りです。驚くほど理解が早くて助かります」


「理解が早いと言うか、異常すぎて逆にすんなり入って来ると言うか……」


 とりあえず一つだけ分かったことがある。

 この世界は俺の常識が通用しない。


「というか、俺は一緒に歩いていても大丈夫なの?」


「私なら問題ありませんよ。こう見えても私は国教の総主教を務めていますから、特別扱いなんです」


 ノドカはむふん、とドヤ顔をして胸を張る。


「ただ、和樹さん。この国では先ほどのようにロリコンを自称するのは控えて下さい。私であっても庇いきれませんから」


「庇いきれない?」


「はい。この国でロリコンを自称することは罪に問われてしまいます。悪質だと認められた場合、最悪極刑の可能性も否めません」


「極刑?」


「後で詳しく説明する機会がありますが、この国で極刑を受けた人間は……ふふ、後は想像にお任せします」


「あ、はい……」


 よく分からないが、とんでもない目に合わされるのだろうということだけは理解した。

 

「ここです」


 前を歩いていたノドカの足が止まる。

 石造りの建造物。教会のような所だろうか。ノドカと同じような恰好をした幼女が何人かいる。


「そのまま中へ入ってください」


 ノドカに促されるまま、建物の中に入る。ひんやりとした空気が身体を纏い、ここが神聖な空間であることを意識させた。

 綺麗に並べられた長椅子の列。正面には巨大な祭壇とステンドガラスの装飾が施されており、そこから差す光が建物内部を神々しく照らしている。


「綺麗だな。何が描かれているんだ、あれは?」 


 ステンドガラスには二人の人間が描かれていた。一方は跪いて空を仰ぎ見る男性、もう一方は倒れている女性の姿だ。


「あそこに描かれているのは真なるロリコン、ロリの為にその命を捧げた英雄ですよ。男性がロリオ・マモラントス。女性の方がリヴィ・ヨナク・トートスキです」


「は、はぁ」


 名前の響きのせいで全然凄さが伝わらない。


「そうした方々を讃え、ロリコンとしてあるべき姿を知る場所、ここは幼女教会と呼ばれる場所になります」


「……幼女教会?」


「はい。この国をこの国たらしめる聖典『幼書』の教えを正しく広める場です」


 ———幼書。

 柩の中に入っていた『ロリ哲学論考』と同じ内容の書。

 偶然にしては出来過ぎているが、極めれば道は一つだ。そう考えるとあまり違和感がない。むしろ誇らしささえ感じてしまう。

 そんな俺の感動を他所にノドカは説明を続ける。


「そして最初にここに来てもらった理由は一つです。和樹さんに幼女教会の洗礼を受けてもらいます」


「つまり入信しろってことか?」


「端的に言えばそうなります。ただ、そのためにには一つ条件があります」


「条件? 教えを絶対的に信仰しろってのだったら何にも問題はないぞ」


「それも大切ではありますが、より重要なものがあります」


「教えよりも重要なことがあるのか?」


「はい。あります」


 ノドカは真っすぐな眼差しを向け、口を開く。


「あなたのペ度の測定をさせてもらいます」


「……ぺど?」


「端的に言えば、幼女に対する危険度を数値化したものです。一般的な男性のペ度は30~40度程度と言われています。しかし、ここの住人である男性は20度を下回らなければなりません」


「つまり一般男性の平均の半分以下でなければこの国の住民にすらなれないってことか」


「理解が早くて助かります」


 下回っている自信はある。いや、ここで下回っていなければ俺はもう二度と「ロリコン」であると言う事は許されないだろう。


「いつでも測定の準備はできてるぞ」


「よい自信ですね。では、早速測らさせてもらいます」


 ノドカは持っていた杖をこちらに向け何かを唱え始める。その瞬間、俺の足元に魔法陣が拡がり、周りに文字のようなものが次々に浮かび上がる。

 そして、俺の頭上にでかでかと大きく、俺の自信が反映されたかのように光り輝いた『0』の数字が浮かび上がる。

 

「てか、どうして数字はアラビア数字なんだよ……」


 これも極めれば道は一つということだろうか。いや、絶対違う。


「ゼ……0……」


 遠巻きに見ていた修道服のロリの一人が声を震わせながら言う。その声に続き、周りがざわめきだす。


「静かに」


 ノドカの一言でその場がシンと静まり返る。


「素晴らしい結果ですね。改めて歓迎しましょう、ようこそ真正ローリ帝国へ」


 ノドカが笑顔を見せる。


「お、おう……」


 何だかよく分からないが、簡単に突破出来てしまった。


「では和樹さん。次の目的地に向かいましょう」 

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