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47.勇者様、これ以上はやめて下さい!

「ゆ、勇者キ、キーレ様」

 様付け。悪い気はしないもんだ。

「お、何だ?」

「こ、この私……ヴァレリーの足を……ど、どうか優しく。優しく……せ……せ」

 優しくと、きましたか。

「せ?」




 俺は満面の笑みで聞き返す。




「よく聞こえなかったな」




 ヴァレリーの鎧の上から腹に手を置いて内臓破裂魔法をかける。気持ち、優しめにな。鎧は砕けないけど、きっと中身はぐちゃぐちゃだ♪




「ぶうがっふぐ」




 魚が溺れているみたいじゃないか。さっきまで自由に泳いでいたのに、突然息絶えたみたいだ。俺は優しいからヴァレリーの背中をでて元気づけてやる。




「ほら、安心して吐けよ、血反吐。俺が口で受け止めてやろうか?」

 冗談半分に、ヴァレリーの前で寝転がって口をあーんと開けてやる。




 俺の手の指のあった場所はまだずっと出血している。止血魔法が使えたらいいんだけど、生憎俺は人体破壊魔法しか使えない。よって、俺の血が止まるまで、ヴァレリーは人体破壊魔法による拷問を受け続けることになるな。




「さぁ、言いたいことは全て言わないと、口だってなくなるんだぞ」

 俺は容赦なくヴァレリーの上唇を、親指でばっさりと切断魔法をかけてやる。深くやりすぎて鼻の下までまるっと皮膚がなくなったな。




「ふぎがあああ」

 鼻からも口からも血が飛ぶような叫び。ぞくぞくするなぁ。

「さ、早く言えよ」




 ヴァレリーは苦心しているらしく、己の投げ出している足を見やる。さっきから臭いと思ったら、いつの間にかこいつ。失禁してやがる。

「すぇ、ぅ、すぇつらんしてください」

「あ? 聞こえるかよ」




「足うぉ、すぇつだんしてくらさい」

「切断?」




 ヴァレリーは頷くような、泣き笑いのような顔をする。

「や、優しく。痛くないように……」




「お前がそう願うなら、俺が叶えてやるよ」




「や、やっぱ、やめ、ひゃめて! 勇者様、これ以上はやめて下さい!」




 いやいや、俺はお前の願いを叶えてやる心優しき勇者様だぞ。やめて下さい以外は。




 親指で太ももを回るようになぞる。ここまでくると野菜とかじゃなくて、木でも切ってるみたいだな。でも、俺の指の食い込む感触的に、人肉だな。俺はもはや人肉に恋をしそうだ。骨にぶち当たってもノコギリみたいには、押したり引いたりみっともないことはしないさ。




 俺は優しいからな。滑らかに手際よく一回転させる。義足が外れるみたいに、ヴァレリーの足は抜け落ちた。




「……んんだあああああああああああああああああああああああああああ」




 地の底から響くような叫び。俺は感じるぞ。満たされている。満ちてくるな。




「ふっ。くははははははははははは!」




 今夜の月夜は素晴らしいな。後方から雑魚どもの竜騎士がドラゴンに乗ってやってくる。月を背にしてやってくる。俺を成敗しにやってくるぞ。どこに、その戦力がある? 言ってみろ? 誰が俺を止められる?




「誰か言ってみろよ。勇者様! これ以上はやめて下さいってな! どうか、このままセスルラ国のことは放っておいて、お願いだからお帰り下さいってな! ふはははははははは!」




いつもありがとうございます!

ここまで全力でやってきました。どうか評価のほど、よろしくお願いいたします。

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