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akane

作者: ひろゆき
掲載日:2020/03/19

 卒業は、これまで親しかった人とも別れてしまうのかもしれない。

 それでも、これまでと同じようにいられる。

 不安がよりそう思わせる。

 バイバイ……。


 数分前の言葉が胸に積もっていく。

 いつもの坂道。見上げた茜空に手をギュッと握った。

 今まで歩いた道、明日からは別々の道を進むんだね。


 街に溢れる卒業ソング。

 これまでなら、胸に響く歌声に、心を奪われていたはずなのに。

 今は、今だけは寂しい……。


 バイバイ……。 バイバイ……。


 また明日ね。

 昨日までなら、そう受け取れたのに。

 普通に言えていたのに。

 明日からは別の道、もう、君とは一緒に笑えないのかな。


 振り返れば、昨日までの姿が、今の自分を追い越していく。

 茜空の下、笑い合っていたあのころ。

 卒業ソングなんて、普通の歌なんだと思っていたんだ。


 時間なんて考えていなかった。

 いつまでも笑っていられるんだ、 

 君と一緒に笑って、

 怒って、

 泣いて。

 それももう最後なのかな。

 もうできないのかな。

 

 追い越していった過去たちに問いかけた。

 懐かしさは笑っているだけで、心を迷わせた。


 いつか聴いた卒業ソングが茜空に響いた。


 バイバイ……。

 別れたのにスマホを握っていた。

 友達が笑って出てくれた。

 可笑しがる友達に、寂しさを隠して、茜空を見上げた。


 バイバイ……。

 これまでと同じ感覚で言えるのかな。

 これまでみたいに遊んで、笑って。

 ずっと友達でいられるのかな。


 励ましの歌詞。

 心に染みるメロディー。

 それよりも、友達の話し声が何よりも励ましてくれる。


 ーー 大丈夫だよ。


 そう笑ってくれているようで、嬉しかった。

 嬉しかったよ。



                   了

 様々なところで訪れる“卒業”という形。

 それは人との別れの場になってしまうかもしれません。

 そうしたなかで、あるかもしれない一つの場面として、捉えてもらえると嬉しいです。

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