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第三の転生者

《カイン》……それが今の私の名前。


前の名前は《海原真音(まいん)


()()()()()()()()()()()()()()()()子を保健室まで運び、先生にその子を任せた後、何故か保健室から出た途端に保健室の扉が壊れて、中からトラックが突っ込んできた。部屋から出たばかりで動けず、なすすべもなく跳ね飛ばされ、死んでしまったらしい。


そして私は公爵家の長男として新たな生を受けた。

何故私は女なのに男に転生したのか。

ーーもしかすると死ぬ直前に起こした罪が原因なのだろうか。


ともかく私は《カイン》となり、新しい人生を送ることになった。成長していくにつれて、今の自分であるカインという女の子のような男の子が、昔とてもやり込んだ恋愛ゲームに出てくる攻略対象だとわかった。

恋愛ゲームの名前は《あれあれ?高貴な僕たちは君に惚れ惚れ?》という三流並みのタイトル。いや三流以下だ。


ただ三流以下だとしても、《カイン》として生を受けた以上、ゲームにしたがってカインを演じようと私は考えた。

何故ならゲームで私はカイン君や他の男の子に元気づけられたこともあって、これは攻略対象として生まれた私の責務だと考えたから。


このゲームでのカインはヒロイン(主人公)に対してとても優しく、学校内でも《妖精》とまで称されるほど人気者だ。

ちなみに他に《悪魔》や《魔王》、《狼》や《鬼》なんて別名を持つ攻略対象の男たちがいるが、それはまあ気にしないでほしい。


妖精、というからにはもう幻想的な魅惑を持つ男の子なんだろうけど、生前女な私には女っぽい事をするだけで精一杯。

主人公のヨコピーに()()()()()()()()()()話しかけることしか出来ない。


そして今日も昔のゲーム知識を使って主人公と接しーー






ーー糾弾された。






そばにいた主人公に対して助言を言ったり、男子の好感度を教えてくれる()()()()()()()()キャラづけだった《メリッサ》を泣かせたことが原因らしい。


メリッサはゲーム内でとても口が悪く、私の嫌いなキャラだったので扱いが雑になってしまった部分もあったかもしれない。けれど私はゲームのセリフ通りに喋ったはず。

カインは優しいものの、過去の出来事が原因で人と話すときは2人っきりと決めているキャラだ。

だからその性格通りに演じ、主人公と2人っきりになろうとした。けれど主人公からは糾弾され、私は1人っきりになってしまった。



【……なんでよ】



なんで私がこんな目に会わなきゃいけないの?

ゲームでは私が主人公だったのに、今ではその主人公に糾弾された。

こんな目に合う謂れはないはずだ。

私はゲームのシナリオ通りに動いた、なのになんで……



【やっぱり、死ぬ前の()()がいけなかったの?】



私が死ぬ直前、階段から落ちた女子高生……《()()()()》に私は告白した。

リサ先輩は『私にはもう好きな人がいるから』と断られた。

断られてもどうしてもリサ先輩への気持ちが抑えきれず、私はリサ先輩に詰め寄った。

するとリサ先輩の後ろには階段があり、そのまま落下した。


リサ先輩は私のせいで階段から落ちたんだ



【……私はもう、恋はできないのかな……】



それに答える声は、なかった。




完結、です、多分

さらに話を思いついたらまた書きます。

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