朝顔
その日、僕は自分の部屋に案内された。元は華さんのお爺さんが使っていたそうだが、既に亡くなっているため、使っても良いのだそうだ。一応男だから、他の女性陣が住んでる所から離れているらしい。その後、沢山の荷物が運ばれてきた。これは全て前の正室の方が使っていたそうだ。その方も3年前に亡くなっていたそうで、僕に瓜二つだと水仙さんが言っていた。
朝顔さんと言うそうで、華さんの寵愛を一身に受けていたそうだ。菫ちゃんもその朝顔さんの娘さんだという。
まあ、なにか?つまりは、その朝顔さんの代わりか?僕は。イライラするな。しかも正室だと言っても男だから大人になるまで妾だと言われた。親戚の人に。もっとイライラする。
しかも菫ちゃん僕の一個下位の年だし。義理の子供が同じ位はつらい。
やけになって物語を読み漁っていると、部屋と廊下を仕切っている戸が開き、ダンディーな雰囲気漂う男性が入ってきた。どこか華さんに似ている気がする。すると、そばに座っていた水仙さんが小さい声で
「帝様···」
と呟いた。帝?帝···華さんから聞いたことな、そう言えば華さんのお父さんも帝···確か、桔梗帝だと呼ばれていたそうだけど···
「桔梗帝?」
「ああ、知っていたのか。」
華さんのお父さんだったかーどうりで似ていると思った···
あれ?ヤバイんじゃね?