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プロローグ
僕は如月幸。本が好きないたって普通の中学生だ。
人並みの学力に人並みの運動神経。普通に好きな人も...いる。
きっとこのまま普通に生きて普通に大人になり、普通に働く、と、
今日までは思っていた。
何故なら一時間前に僕は死んだからだ。
悲しんでいる家族を見ながら僕はふわふわと宙に浮いている。
正直ここまで悲しんでくれるとは思ってなかった。
(幽霊になったってことは、僕には何かしら未練があるんだろう。)
読みきれなかった本、悲しむ家族、それらを見てると何だか
(僕も悲しくなってきたなぁ)
死にたく、ないなぁ
ぽたりと目から汗が出る
止まらない、止まらない。
汗を止めるために僕は目を閉じた。