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3話

なんやかんやあって私は悠君に手伝ってもらいつつ、無事行きたかった高校に合格した。キョーコちゃんも悠君も同じ学校で、一緒に演劇部に入った。ちなみに悠君は主席だった。もう一個上のランクの学校に入れたのに何でだろうと思ったが、悠君も演劇部に入ったときに謎が解けた。悠君も演劇部に入りたかったんだろう。(ちなみに小学校と同じ間違いはまた起こった。)


 演劇部は結構部員が多くて楽しい。一年のうちは裏方かな?と思っていたが、演劇部の部長が私が男装していたコミケにいたお客さんで、私のファンらしく、部長が私をメインの王子様役に推薦してくれたので王子様だった。そして、まだ背は低いがイケメンな悠君は騎士役だった。それを聞いたキョーコちゃんは部長とニヤニヤしながら「騎士が受けですなぁ。」「チャラ王子が真実の愛(騎士への)に目覚めた!」と話していた。私も同意。


 お話の内容は美しい平民の女の子を取り合う王子と騎士で、恋の勝利は王子だ。私がする王子は、コミケの時と同じチャラい性格だ。私の演技の見せ所である。そして悠君がする役は真面目な年下騎士だ。うん。受けである。


 初舞台は11月にある文化祭だ。それまでにいろいろあった。

5月、近所の山まで遠足の時に悠君がずっと私にへばりついてた。悠君曰く「亜紀が弱ってるところを男に襲われたら大変だから」らしいけど、心配性だなあ。制服じゃないとまだ男子に間違われるのに。ていうかキョーコちゃん無言で私の胸を注視するのはやめてほしい。男子に間違われる要因はそこでもあるのだから。


夏休み、中学の時の美術部の友達でカラオケに行った。悠君がついてきたがったが、キョーコちゃんが悠君に何かこそこそと話して、苦悩の末といった表情で折れていた。(その時、私は知らなかった。二人の間で私の写真が取引されていることなど…)


 他にも、演劇部員で海に行った。私の水着は何故か昔から悠君監修だ。へそまで隠す裾の長い水着に短パンタイプのズボン。その上に男物のラッシュガードを着せられた。案の定男と間違われた。水着でさえスカートをはいていないと男と間違われる私は何なのだろう。あれ、目から海水が…まあ、そんな感じで逆ナンされた私(いや、同性だけどね?)だったが、そこはみんな演劇部。「私の物に手を出さないでくださる?」


「おや、嫉妬ですか?安心してください僕は姫様の物ですよ。」


みたいな姫と執事や、


「いたぞ!怪盗だ!捕まえろ!」


「おっと、警察に見つかってしまったようだ。今夜のお宝は貴方達のハートという事で。See you next illusion!」


 みたいなどこぞの警察と怪盗の寸劇をして逃げたり断ったりした。…逆に見物客が増えて最後にはほぼ劇みたいな感じになってしまったが、みんな楽しかったから良しとしよう。


 そんなこんなで終わった夏休みの次に待っていたのは体育祭だった。体育祭の部活対抗リレーでは、私達演劇部は、一人一人衣装を着て、バトンは台本だった。そのため、私も王子様衣装だったのだが、そのあとの借り物競争で「イケメン」や「かっこいい後輩」などで何回も走ることになった。皆、私の事女だって分かってるのかな?あれ、目から汗が…


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