第二話 幸せとは
前回の続きです
前回の少女が幸せとはなにかを知り
それを探していくために決意するという内容になります
「幸せなんて名前の品物はさすがに売ってないなぁ」
おじさんは笑いながら答えた。
「君にとっての幸せとは?」
と続けた
「私は...」
答えられなかった
「わかりません...」
私が俯きながら答えるとおじさんは優しい声で
「そうだよ それが答えだよ 幸せは考えるものじゃなく感じるものだと私は思うからね」
と、いい
「幸せは確かに置いてない。けれど、ここにはたくさんの売り物があるし色んなお客さんが来るんだ 良かったらここで働かないかい?」
と続けた。
「で、でも私、販売なんてしたことないし、人の目を見ることもできないし」
私が言うと
「大丈夫だよ 見てるだけのお仕事さ いつか何かの役に立つだろう」
「そうしてるうちに、幸せを感じることがわかるかもしれないしね」
と言った。
私はここで働くことにした。
「ここで働きます 頑張ります」
「じゃあこれ、従業員の証ね」
おじさんが古びた缶バッチを差し出した
「まあ、うちの賞品のひとつだが付けてる人間が満たされるほど缶バッチは綺麗になっていくんだ」
「そして、身代わりにもなってくれるお守りさ」
私はそれを手に取り胸元のポケットに付けた心なしかほんのりと暖かくなった
「さて、では新しい従業員くん」
「は、はい」
「改めてまして、ようこそ」
「奇怪な機会と機械、道具を売る店 『きかいや』へ」
続きます