2章 青の学生の時の過去
1 (青の中学時代)
青山幸村が 中学1年生の
ときだった。
2つ隣の家に ある家族が 引っ越して来た。
それは 山井もみじと 山井恵理の
姉妹と その両親の 4人家族の
山井家だった。
山井恵理は 青山幸村とは 同級生であったが
この山井恵理は 現実離れしている所があって
男子の中で 特別な人は 一人だけで
他の人は 何の興味もなかった。
実は 山井恵理にとって 幼い時から
運命の人が 決まっていて 白馬の王子様の
ような人と 必ず出会って 迎えに
来てくれると 思い込んでいる
女子であった。
そういう所があったので 青山幸村の
内気な 性格が 気に入らなかったみたいで
完全に 眼中に入ってなかったのであった。
山井もみじの方はというと 現実的で
きちんと 世の中のことを 見ている
高校1年生であった。
青山幸村は 山井恵理より 山井もみじが
とても大人に見えて ご近所付き合いもあって
それなりに 話す機会があった。
そういう大人な 山井もみじと 内気な
青山幸村が 年の差を越えて 友達に
なることが出来たのは 不思議ではなかった。
青山幸村と 山井恵理は 近所で しかも
同級生なのに 全く 性格的に気が合わずに
いたので とても不仲であった。
このとき青山幸村は 同じ姉妹なのに どうして
こうも 違うのだろうと ずっと思うことに
なっていくのであった。
そのとき 青山幸村は 山井もみじに
恋愛感情は 持ち合わせていなかったが
なぜか 青山幸村が 高校生になるまで
数少ない 姉的存在であり 友達であった。
そんな 山井もみじも 青山幸村と
仲良くなって それなりに好感を
持ち始めていた。
そして こんなやり取りも 多々あった。
「ユッキー(青山幸村のこと)も 恋人は
作らないの?
まあ そのちょっと 優柔不断で内気なんだけど
とても優しくて あなたの作った ポエムとか
作詞とかって とても 心ひかれる部分が
あるんだけどな」
いつしか 青山幸村は 友達の間で
「ユッキー」
と あだ名で 呼ばれることになって
いたのである。
そして 青山幸村は こう答えるのであった。
「えっ そうなの?
もみじさん」
と。