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インフリンジ・ロー   作者: 好天
3/4

3弾目 ルール

ビルの中は明るかった。照明が付いていたのだ。

「なんでここは電気がついてんだ?」


「おそらくこのビルは太陽光発電をしていて、発電機がまだ動いているとか。」


ヒカリの予想はまあ当たっているだろう。

が、私はもっと残酷な考えが思いついていた。


「一部の力をもった人間が弱い人間を無理やり従えて発電させている…?」


「そんなやつがいたら俺がぶっ潰す。」


「今そういう任務なんですけどね。」


一通りビルの内部を歩くが人には会わず、二階へ続く階段に辿りつく。


「しっかしこのビル広すぎない?迷っちゃいそう。」


「だから外で留守番してろっていったろ。」


「はあ!?あんたが留守番してなさいよ!あんたいっつもひとりで行動しようとするから計画がつぶれんのよ!」


またコウキとヒカリが喧嘩しはじめた。


「お前らがザコすぎるから俺についてこれねえんだろ。」


この場合はいつもライトに二人の頬をつねってもらっている。一見子ども騙しだが割と痛い。


[はやく いこう]






このビルは横には広いが、上にはあまり長くなかった。 ゲームなどでは、ボスはダンジョンの最上層、もしくは最下層にいる。この理屈から考えると、我ら四人組「リュミエール」が狙うターゲットはこのビルの最上階である4階にいると推測できる。


「で、結局3階まで来たのはいいけど、人が全然いないね。」


「油断しないで。隠れてる場合だってある。」


と言っても、基本私たちも物陰に隠れて侵入してきている。

これで多少は見つかる確率も減っているはず。だが足音ぐらい聞こえてもいいはずなのに何も聞こえない。



ゴッッ!!!


おそらく上の最上階からだろうか。鈍い音が聞こえてきた。


「どうやらここの奴らはすでにお怒りのようだ。」


「もう喧嘩中ってこと?」


「そうよ。急ぐわよ!」


私たちは走って上層へ向かう。


ビル4階。銃をリロードしつつ構え、突入した。

コウキが組織のやつらに叫ぶ。

「はーいおまえら、おとなしくしろ。抵抗したら殺す。」


もはやただのチンピラの言葉だ。


ふと下をみると頭から血を流す村人が倒れていた。どうやらさっきの音は殴られた音のようだ。 向こうには大柄の男が細い棒をもってたっていた。まわりに仲間らしき人物数十人。

大柄の男が言う。

「よぉ〜エセ警察のみなさん。このへぼ野郎が俺たちの言うこときかないんでちょいと叱っていたところですよぉ!」


「法律があればお前ら取っ捕まえるとこだったんだがな。」

コウキも言い返す。


「残念ながら法律なんて無くなっちゃいましたもんねぇ!だからこの弱肉強食の世界で力をもった俺たちは生きるためにいろいろ頑張ってんですよぉ。」


ルールがないため、やつらの言っていることを否定しきることは出来ない。だが否定できることが無い訳ではない。


「法律は無くなったが、人間としての生き方がなくなった訳ではない。法律がないこの国は人間の地位も平等になる。よってお前らが人の上にたてる権利はない。もっともお前みたいなデブに操られる人間が可哀想だ。」


「言ってくれるじゃねえか!!!」

煽り耐性ねえな。


「ルールがないなら俺がつくる!!」

コウキがもう片方のポケットに入れていた拳銃も取り出し、敵に向けダブルでらんしゃする。 バァン!バァン! バァンバァン!


私たちもただただデタラメに撃ちまくる。

この任務の目的は相手の組織を潰すこと。殺しもokとのことだ。なので容赦はしない。


ライトは的確に敵の足首のあたりを撃ち抜いていた。こいつの狙いはすごい。全部の弾がヒットしている。

まわりの輩は武器を持っていなく、ほとんどを動けなくしていた。


大柄の男は机の後ろに隠れていた。まあそうするよな。


「チィ… 雑魚どもがぁ…」


大柄の男が姿を現した。すると持っていた細い棒をかまえ、スイッチを押す。

その途端、細い棒のまわりに氷塊がハンマーの形になって現れた。


「めずらしい武器もってんじゃねえか。」


「そうだよ…日本の最高技術を駆使した武器だよ… お前らの組織ではこんなもんがいっぱい出回ってるんだろ…ふざけやがって」


その氷塊の武器は、空気中の水分をすばやく集め、なんらかの化学変化で急速に凍らせている武器だ。 長さも自由に決められるらしい。

すると男は氷塊を振りかぶり、こちらに向かって走り出した。

もはや1vs4の状態でその行動は無謀だ。


ライトが氷塊をもった男の手の甲を的確に撃ち抜いた。


「ぐぁぁぁぁぁっ!」


「さあ大人しく組織を解体させる?それともここで死ぬ?」


「何にもねえ世の中ですべていちからやり直すなんてごめんだぁ!!!!」


男の様子が変わり、地面へ倒れていく。


「こいつ、舌を噛んだか。」

「気の毒だけど、仕方ないかな。」


こんな絶望的な世の中では、人生を辞めたくなる人も多いだろう。だがこんな世の中を生きてこそ手に入れるものもあるだろう。


私たちはまたそれを信じて今を生きているのかもしれない。


「さーてコンビニでなんか探すか。」

「もうそろそろ賞味期限とか危ないんじゃない?」





差出人 上

宛先 リュミエールno.1


任務ご苦労さん。 のところで済まないが、こんどはそのとなりの○☆市へ向かってくれないか。そこは幸い人の暴れた被害が少なく、学校までやっているという。 日本で一番元気な街と言われても過言ではない場所だ。

というわけでその学校へ向かって欲しい。用件は行ってからのお楽しみだ。車もあるから安心してね。




いやお楽しみとかいらねえから。教えろよ。

また車かよ。酔うわ。


かくして私たちはまた別の都市へ向かうことになった。 ちなみに法律のない世界で○○県というのはただ単に場所を表しやすいからである。





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