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empty mind  作者: くらむ
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鉄の皮膜

頭上の雑踏が、地下室にひびく。うるさい。虫でもないのに、踏まれてる気分。


どうやって入ったんだっけ。自分で入ったような気もするし、誰かに押し込められた気もする。


まるで僕のためにつくられたような、小さな小さな地下室。


足を畳んで座ってないと、首を曲げたままでいなくちゃならない。


もはや箱と呼んだほうがいいかもしれない。たまに、四方の壁のすぐ向こうから這いずるような音がする。


もしかすると、すぐとなりにも地下室があって、誰かが入っているのかもしれない。


とすると、その隣にもまた同じように部屋があり、這いずる音をきいているのだろう。


彼らは埋葬されたのかもしれず、荷物をしまうように片付けられただけかもしれない。


ところで、僕は、地上から使者がきて自分を連れだしてくれるのを待ち望んでいるのだけど、その使者は、どうやってここまで来るというのだろうか。


すべての地下室を通りぬけることは不可能だし、ここに来るまでに、ひとりでもうまく連れだしたら、もう帰ってはこないだろう。


そして次の使者を待っているあいだに、からっぽになった部屋に別の誰かがやってくる。


そういうことなので、誰も僕の部屋にはたどりつけない。


きっとそうに違いない。

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