序章《プロローグ》
初めまして、琉威と申します。まずは、本作品を閲覧し、読もうという気になってくださりありがとうございます。 本作品は以前投稿していた「狭間の世界の言霊使い」の別案として考えていたお話です。以前の作品は諸事情により公開停止しております。初投稿と何も変わらないような執筆能力でございますが、どうか温かい目で見守ってくださると嬉しいです。
序章
「はぁ…。」
ただひたすらに白い地面だけが広がる無の世界。そこにたたずむ一人の若者から溜息が洩れた。
(全く終わりが見えない…。そもそも終わりがあるのかどうかすら不安になってきたぞ…。)
若者がここにたどり着いたのは今から数時間ほど前。いや、たどり着いたというよりは、気付いたらこの場所にいたのだが…。
(考えていても何にもならないか…。まぁ、そもそも考える為の知識自体がないんだけどな。)
そう、若者には知識がなかった。正確には知識となり得る記憶がなかった。目が覚めたら、何もない真っ白な世界に、記憶をなくしただ一人佇んでいた。
「考えていても仕方がない、か。とりあえず、歩けるかぎり歩き続けてみよう。」
そう考え若者はまたゆっくりと終わりを求め歩き始めた。
若者はこのとき、まだ自分の運命を知る由もなかった。
そう、既に自分が終わっていることを。