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クインテット。ナイツ  作者: 恵/.
L―対応する。ナイツ
9/132

これが二丁目?

  ◇



 縄文寺が、すらすらと問題を解いていく。

「ほら、次の問題も同じようにやってみて」

 そして、笑顔で紗佐をほうを向いた。

「~~~……」

 しかし、紗佐は唸っていた。かれこれ、三十分はこうしている。

「駄目だな。これ以上やっても意味が無い」

 戸沢が、諦めたように言った。

「諦めは禁物。多少は効率が悪くても、気長に見守るのも指導者としての役目」

「教師にでもなったつもりかい?」

「これからなる予定。ほら、続けるよ」

「うぅ~~~……」

 そして、勉強会は続いていく。



 ……数分後。



「ぜぇ……、ぜぇ……、ぜぇ……。勉強は……、進んでるか……?」

 狼が、息を切らしながら歩いてきた。

「あ、狼。解放されたんだ」

「とんだ災難だったな、うるっち」

「まったくだ……」

 狼は息を整えると、紗佐のほうをちらりと見やって……、

「全然、見たいだな……」

「はぅっ!」

 少し泣かせる。

「だったら何とかしたら?」

「へいへい」

 狼が、縄文寺と席を替わった。

「と言う訳で、みっちりいくぞ」

「ひっ!」

 思わず後退ろうとする紗佐を、

「逃がさないから」

 縄文寺が押さえつけた。

 ここからは、地獄の第二幕だ。



  ◇


 紗佐は、途中で詰まりながらも、問題を解いていった。

「よし、こんだけ出来りゃあ何とかなるだろ」

 狼は、安堵の息を吐いた。

「ふぅ~……」

 紗佐も、思わず息を吐く。

「ご苦労様」

 縄文寺が、それを労う。

「皆さ~ん。お夕飯、よかったら食べていって下さい」

 優が、店の奥から現れた。手には大きな盆が二つほど。

「へぇ~。料理も出来るんだ」

「当たり前だ」

 氷室の感嘆の声も、狼に一蹴された。一応居酒屋をやっているのだから、料理ができるのは当然だろう。

 出された料理は、和食だった。白米、焼き魚、味噌汁、御浸し、肉じゃが、どれも質素だが、豪勢に見えるように盛り付けてある。そして何より、量が多い……。

「いいのかよ? 最近不景気だろ?」

「大丈夫です。売り上げは好調ですから」

「それじゃあ遠慮なくいただきます」

 縄文寺は、箸を取っておかずに手をつける。

「皆さんも、どうぞお上がりになってください」

 そう言われて、各々箸を取る。

「ん~ん。やっぱり、お優さんの料理は最高だね」

「ほんとだ。めっちゃうめえ」

「お、おいしい……」

 そして各々が、料理を絶賛する。

「お店の食材横領して作ったものですが」

「自分の店のもんを流用して何が悪い」

「それもそうなんですが」

 いやいや、横領はまずいだろ。と思う一同であった。


 食事は進み、話も盛んに行われた。―――その内容は主に、狼に関することだったが。

「うるっちはあんま良い印象持たれてないな。なんせ、みんなの前で人の首を絞めたから」

「狼、死なない程度に抑えてくださいね」

 優が優しく微笑みかける。

「当たり前だ」

「いやいや、おかしいでしょ」

 氷室が突っ込む。

「いいんだよ氷室。この親子は感覚がずれてる。今に始まったことじゃないよ」

 縄文寺がそう告げる。

「やけに詳しいじゃん」

「そりゃね。狼とは幼馴染だし」

「「えーーっ!」」

 氷室と紗佐が、思わず声を上げた。

「あれ? 言ってなかったけ?」

「言ってねえよ」

 狼が答える。

「あっ。あたしのおかず盗らないでよ!」

「知るか」

 狼は、そ知らぬ顔で食事を続ける。

「ったく……。折角の焼き魚が……」

「ほんの数グラム程度だろ」

「その数グラムがどんだけ大切なことか!」

「まあまあ、私のお魚あげますから」

「チャットみたいに台詞を箇条書きするの、やめてくれ……」

 まったくだ。これではナレーターの存在意義が失われてしまう。作者の手抜きも、いい加減にして欲しいものだ。

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