今日はついてる
「はい!」
と優しい笑顔で私にバケツを渡す先輩。
『ありがとうございます!』
嬉しすぎて涙が出そうだ。
その後も先輩のことばっかり考えて
掃除に力がはいらない私。
「おい・・・柊」
突然私の名前を呼ばれてびっくりしたから勢いよく振り返って見ると、光輝が私の真ん前に立っていた。
「な、何?」
「さっきから同じとこばっか拭いてるぞ。」
『えっ!嘘!ごめんね』
「・・・」
ひえ~光輝君怒ったかな~
掃除ちゃんとしなきゃ~><
「柊ってさ・・・」
『へっ』
「いや・・・なんでもない」
びっくりした~
怒られるかと思ったよ・・・
でもなんで言うの途中でやめたのかな・・・ん~まあどうでもいっか♪
今は先輩のことしか頭に無い私は深くは考えなかった。
「じゃあ 掃除終わって下さい」
と班長が言ってからみんな それぞれの教室に向かいだした。
先輩の方をちらっと見ると目が合って
ふっと先輩は微笑むと姿が見えなくなった。
まだ胸がドキドキいってる・・・。
今日は本当についてる!!もう死んでも良いですってぐらいだ♪
っていうか もしかして先輩も私のこと・・・ってそれは無い無い!!それは絶対ありえない!!先輩は誰にでも優しいから私に優しいのも当たり前なだけで・・・。
って自分に言い聞かせた。だってちょっとでも期待をもったら失恋した時のショックが今より大きくなるだけだもん・・・っていうか失恋するって諦めてるじゃん私!!!!!!
あああああもうっ!!
いろいろ考えてたら分かんなくなっちゃったよ・・・
こういうマイナス思考を直したいって思ってるんだけど。
「じゃあ また明日ね~♪」
『うん ばいばーい!』
まだ自転車通学に慣れてない私は今日もへとへとだ。
でも宿題があるから休むわけにもいかず、私は宿題をやり始めた。
それから1時間ぐらいたった頃だろうか?私は急に外の空気が吸いたくなって家を出た。
そういえばお腹も空いたしコンビニでも行こうかなと思って足を進めたそのときだ
向こうから誰かが走ってくる。
私の中学校と同じジャージを着ているから、知っている人だろうか?と思って見ていたら
!!
「あっ 美優ちゃん」
『せ、先輩!!』
ええええ うそうそうそ!!
なんで先輩がここに!!思わぬハプニングに慌てる私。
ど、どうしよう何話せば・・・
「美優ちゃんの家ってここなの?」
と私の家を指さす先輩。
『は、はい』
とカチコチな状態で返事をすると、
「はは・・・そんなに緊張しなくていいよ。ボクのことは同級生だと思ってくれていいから」
違うんですよ!!先輩が先輩だから緊張してるんじゃ無くて・・・
『ありがとうございます・・・』
「ところで美優ちゃんは何してたの?」
『えと、これからちょっとコンビニに行こうと思って。先輩は何してたんですか?』
「ボクはマラソン大会の練習で走ってたんだ。」
まだ春なのに、もう秋のマラソン大会のために練習してるなんて・・・先輩はやっぱりすごい。
「今日はいつもと違うコースを走ってみようと思ってこの辺を走ってたんだけど、まさか美優ちゃんと会うとはね。今日はつい・・・」
『えっ?』
「あっ・・・なんでもないよ」
と微笑む先輩はまぶしいぐらいに輝いていた。
そんな先輩の笑顔を見て何も考えられなくなってしまった
「じゃあ ボクはそろそろ行くよ。また明日ね美優ちゃん」
『あっはい』
もう行っちゃうのか・・・残念
私は先輩の姿が見えなくなるまでずっとその場から動かなかった。