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会いたい  作者: あおい
6/9

光輝と将太

しばらく黒板に貼り付けられた紙を

ぼーっと眺める私。しかも半分にやけている。


周りから見れば私はかなりの変人だろう


雪も横から「み、美優?」って慌てている様子だ。


でもそんなのは

今の私には全く気にならない。


私の頭の中は先輩のことでいっぱいだったからだ・・・









「じゃあ それぞれの掃除場所に移動して下さい。そこで先輩が指示をしてくれるのでしっかり聞きましょう」


先生のその言葉の後、それぞれ 移動し始めた。


雪とは残念ながら違う班だ。

「後でね」と言って私は掃除場所に向かう。




雪と班が違うのは残念だが

後少しで先輩に会えると思うと嬉しくてたまらない♪


早く会いたいから少し小走りで掃除場所に向かう。

と、そこに「おい」の一言。


ちょっと誰よ!私は早く先輩に会いたいのに!

少しだけ苛立ちながら振り返るとそこには 隣の男の子がいた。


『・・・何?』

少しだけ不機嫌な私は素っ気なく答える。


「嫌・・・その」

と男の子は言い顔を赤らめた。


もう!なんなの!私は1秒でも早く先輩に会いたいのに!!


「俺、楢崎光輝って言うんだ・・・お前と一緒の班の・・・」


『えっ』


この人も私と一緒の班なんだ・・・

ってそんなこと考えてる場合じゃなくて!


『そうなんだ~よろしくね!じゃ!』


と適当に返事をして私は急いで掃除場所に向かった。


後ろから「待てよ!」って声がしたような気がしたけど・・・気のせいだよね



やっと掃除場所についた。

結局全速力で駆けてきた私はしばらく息をきらして下を向いていた。


そして先輩の姿を見ようと顔を上げてみると


!!


「よお」


そこには

光輝の姿があった。


『な、なんで!』


「お前 遠回りしすぎだよ・・・せっかく近道教えてやろうと思ったのに・・・」


『そんなあ・・・』とがっくり肩を落とす私・・・


とそこに

何故か人を安心させるような優しい笑い声が聞こえた。

声の主は先輩だ。



「お疲れ様 美優ちゃん」

!!


突然憧れの先輩に話しかけられた私は

顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。


や、やばい嬉しすぎる・・・



「よし全員そろったね。じゃあまずは簡単に自己紹介していくから。私は・・・」


と3年生から順に自己紹介をしていく。

私は先輩の顔ばかり見ていたから あんまり頭に入ってないんだけど・・・w


真っ黒の髪は光輝に比べると少し短くて

綺麗で優しそうな目は少し茶色がかってる

すらっと背が高くて細いわりには、しっかりとたくましい腕。

野球部なのに真っ白の肌。


全てが完璧で絵を見ているようだ・・・


「じゃあ 次は掃除の分担言っておくね。1年の二人は雑巾で下駄箱ふいてもらうし、バケツはあそこのロッカーにあるから。それから・・・」

・・・ーー

「じゃあ掃除始めて下さい」


私は下駄箱ふきかあ~

とりあえずバケツに水くむか・・・


ロッカーからバケツを取り出し水道に向かおうとすると・・・


「俺が行くよ・・・」

と光輝が手を差し出してきた。

実をいうと 水が入った重いバケツを運ぶのはちょっときついかな・・・って思っていた私は

素直に渡そうとした・・・

そこに・・・


「ボクが行くよ」


とそのバケツを受け取ったのは先輩だ。


『えっそんなの 悪いですよ!』


先輩にめんどうな事はやらせたくない!


「いいんだ。ボクにやらせてくれない?美優ちゃん」


でも先輩の優しい笑顔で見つめられてはもう「嫌」とは言えない。


素直にお願いしますと言った私を見て少し笑ってから先輩は水道に向かって行った。


まさか先輩に2回も話しかけられるなんて夢みたいだ・・・


小学校の頃は委員会のこと とかで話す程度だったのに・・・


幸せオーラーを出しながら先輩を見つめている美優を見て

光輝は顔をしかめていたという・・・

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