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新聞社シリーズ 第1作。

40000~50000字程度目標にしたい。


         ↓第1話↓

             一


 その新聞社の社員は五人である。

 いや、そんな少ない社員でやっていけるのか?

 この新聞社は、そのぶん忙しく回っていた。


「おーい! みんな! 新入りの――なんつったっけ、お前?」

「豊田。とよだ、みつるです」


 ゲンじいという男のヒトが、八百屋のおくのような埃っぽい空間から顔をのぞかせた。いつもの徳野編集長と――あともうひとり、見慣れない若造がいる。

「んえ、だからお前、名前は?」

 ゲンじいが聞いた。

「わからんかなぁー」

 満は苦笑いした。満の代わりに、隣に立っていた徳野編集長が口を開いた。そういえな、墜ちりと編集長の身長はあまり変わらない。

「すらりとしたからだか、これぞ中年! と、そういうべき体か――。そんくらいやな」

 とゲンじいが茶化す。

 この新聞社はビルの一角でやっている。音のない廃ビルは、いつものやかましい声が一段とうるさく重なるから、やれやれ……とでも頭をかいているのだろうか。

「そうかー、おめ、豊田っていうのかぁー」

 やっとゲンじいも理解してくれた。

「ごめんけど、豊、田さん、さっそくなんだけど仕事が入ったよ!」

 ゲンじいとおなじように、奥のほうから、おばちゃんが顔をのぞかせる。「私は中島。まぁ時間あったら覚えといて!」

 豊田は答える。「……わかりました。で? 仕事というのは?」

「あぁ、仕事というのはねぇ……」おばちゃんはもっていた手書き原稿の束を、よっこらせっ、と床に置いた。「これのことだよ」

 豊田はおばさんの後ろに回り込んで、記事をよく見た。「人気小説家、微罪で逮捕!」という達筆な見出しが躍っているだけである。

「他は――わーぷろっていうんか?——便利な機械で打ってんねやけど、この見出しだけはァ譲れへんなぁ」

 どうやらこの味わいのある字を書いたのはゲンじい、平間幻三らしい。ゲンじいは満よりいくぶんか背が低い。ゲンじいは、立ち上がるとストレッチをはじめた。

「で? 僕はこれの取材へ行けばいいんですね」

「んまぁ、そういうこっちゃ」

ゲンじいが口をだした。

「じゃあ、行ってきます!」


足音が、街に響いた。


そしてその街が、とある声を吸収していく。〔バスジャック〕〔最終手段〕〔使うかもしれない。〕〔万が一の時は。〕言葉が漏れていく、単調で深く、味わいのある時間。


〔全話見ないと繋がらない!? 創作裏話〕

 作中のエピソードのダイタイ8割程度にいれますぜこのコーナー。

 運良いひと以外は全話見ないとわかんないぜこのコーナー。

 さぁさっそくの第1回ですが・・・。

 誕生日企画というのはオモテで、本当は某ドラマに影響されて、設定は似てるけど起こすことは違うというドタバタコメディー書こう、として失敗しました。

 前書きでも書いた通り、4,5万字めどにしたいのですが、この一含む「第1話」は、2万ちょっと(はーどる高!)行きたいなぁ…。

 全”エピソード”で一つの短編にして、それを集めて中篇にし、それを集めて成り立つという、何か数学(算数)のプリントなりテストなりの簡単だけどめんど臭い問題みたいなシリーズですなぁ。

 では、これからもよろしくね✽

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