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作者: 豆苗4

目が私を狂わせる。

あの目が、私を!


目に見えないもの。

サンタ。

あそこに立っている少女。

隣のサナトリウム。

泣いているおじいさん。

首を絞められてニタニタ笑っている老婆。

気の触れたおばさん。

首を傾げた赤ん坊。

目、目、目。

目という目。

数多もの目。

ひとつの目。

こっちを見るのをやめろ!

と言っても、もう遅いのだ。

肝心な事はいつも

始まる前にはすでに終わっているものだから。


そんな目などどこにも無いのだ。

あるのは、うずらの卵の殻だけ。

あとは、とかげの前足、ヘビの鱗

魔女の指輪、どす黒い血で染まったガードレール。

あの目さえなければ私は地べたを這うことはなかったのだ。

本当にそうだ!

済んだことは、未だかつて起きていなかったこと。

そうだと言ってくれ、私の兄弟。

サンタが赤い帽子をかぶるのは、月の影から身を隠すため。

うそだ。

そんなちっぽけな理由なはずがない。

くじら、ちょう、カメレオン。

服がずたずたに裂かれたとしても、

苔が墓前に飾られたとしても、

鏡は月を示し続けるだろう。

赤い肉が食べられた。



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