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第一話 怠惰で無欲な最強の存在

 俺という人間は、怠惰だ。なぜなら、俺が通う学園『フェコム』というのは実力主義の学園。そして、その学園は実力が高ければ高いほど優遇される。それ故みんな己の実力を高めようと励んでいるのだ。ところが、俺は実力を高めようどころか毎日を怠惰に過ごしている。そして今日も今日とてその学園に通う。


 





 俺は頬杖をつきながら妄想をしていた。


「さて、今日は何をするかな。」


そうつぶやいていると、横から見知った顔。いや、笠山 千秋がひょっこりとだした。


「お前は、ほんと怠惰だよなぁ。しかもおまけに無欲と来た。そんなんじゃ彼女どころか、人間関係にも苦戦しちまうぞ?」


「まあ、俺はそれでもいい。だって、俺が生きているんならそれでいいんだからな。」


「お前って、ちょくちょく屑なところがあるよな。」


「そうか?俺はそう思わないが。」


「まあいいさ。そんなお前のために俺がお前を勉強会に誘ってやるぜ。」


そうか。もうそんな時期か。忘れていた。たしか、四十点以下をとると退学なんだっけか。おまけに一か月毎ときた。ほんっとに、めんどくさい限りだ。だが、勉強会というのは悪くない。


「じゃあ、俺も行くよ。」


「じゃあ、午後3時に集合な。」


「はいよ。」


そういった瞬間、俺の携帯が鳴る。


「すまない。電話だ。」


そうして、俺は学園の外に出た。







 人気がないところに出た俺は、いったんあたりを確認し、その電話をかけた主へと電話をする。


「もしもし。」


「お前に伝えたいことがある。いいか、一度しか言わんぞ。」


「わかった。」


「午後4時からE区都市の3通りの路地裏に来い。わかったな?」


「了解。」


そうして、俺は電話を切る。俺は青空を見上げながら


「なんでこういう時に限って、依頼が来るかなぁ。」


そう、毒を吐くのだった。






 俺は、教室に戻ってきていた。すると笠山は俺も見つけるなりこちらに駆け寄ってくる。


「おいおい、どうしたんだぁ?もしかして、彼女からの電話からとかか?」


そういって、その肘で俺の体をぐりぐりとえぐる。俺は少し腹が立ったので、その肘を手で握りしめる。


「お、おぉぉぉ!?やめてくれ!俺が悪かったからって、だから、その戦闘ロボットじみた怪力で俺を攻撃しないでくれぇぇぇぇぇ!!」


そう命乞いをされてしまったので、俺はその手の力を緩めた。


「で、結局なんだったんだ?」


「あ~。家族からの電話。なっか今日出かけるらしい。だから、今日の勉強会には行けないかんじだな。」


「そうかぁ~。まあ、しょうがないか。じゃあ、また今度誘うぜ!」


そうして、今日の学園は終わり、俺は、帰路をたどるふりをする。







 俺は近くのゲームセンターなり、電化製品をみるなりして時間をつぶし、ようやく時刻は午後の4時を回った。


「さて、行くか。」


そうして、俺はその指定された場所へと向かうのだった。


 そこはとても薄暗く、不気味な雰囲気が出ていた。だけどそんな雰囲気には屈せず、俺はその路地裏を突き進む。 


 やがて、俺の目の前に細身な男が現れた。その男は軽く俺にお辞儀をし、その口を開けた。


「こんにちは、『ザードリ』。今回は、敵国と連絡を取っている会社を発見いたしましたので、今回の仕事はその会社の秘密を暴くことです。」


『ザードリ』それは、いわば俺のコードネームだ。そしてこいつはいつも俺の仕事の側近の『ハルク』だ。


「今回のお仕事の内容はこうです。」


そうしてハルクは俺にその仕事の内容を伝える。


「なるほど。了解した。」


それでは始めよう。仕事を。







 そうして、俺は指定されたビルの近くまで来ていた。そのビルは他の建物よりも群を抜いて高く、いかにこの会社が名をはせているかわかる。


「確か内容は、このビルに侵入して社長室にある金庫の中身を奪うだったな。」


そうして俺はそのビルへと侵入するのだった。






 


 今回の作戦はこうだ。まず、俺が下層部から侵入し、敵を集める。そして俺がそいつらをせん滅し、警備の数をがくんと減らす。というものだ。そんなわけで俺は地下室から来ていたわけだが、予想外のことが起きた。そこには会社所属している大体の警備員が女の周りを警備達が囲んでいた。警備員だけならまだいい、だが、その女は、俺のクラスメイトだった。思わず舌打ちをしてしまう。だが、仕事を遅延するわけにもいかないので俺はなりふり構わずそいつらを倒す。


「ふぅ。」


そういった時には、警備員は全員床に突っ伏しており、女は愕然と俺を見つめていた。だが、俺はそんなこと関係なくただ上層部へと向かうのだった。







 俺はビルに侵入することに成功していた。窓ガラスを割って侵入したためか、すでに警備の手が回っていた。だが問題ない。そうして俺はマイクをオンにしてハルクと通信をおこなう。


「こちらザードリ。警備が来た。そっちのほうは頼んだ。」


「了解です。」


さて、あとはこいつらを蹴散らすだけだ。そうして俺はそこからかナイフと銃を取り出して、そいつらに突き出す。それにしても、いきたかったな。勉強会。だけどこいつらのせいで、そう思うとどんどん腹が立ってくる。


「支払ってもらうぜ。俺の大切な時間。」


そうして、その圧倒的な身体能力で蹂躙を始め、最終的には俺だけが立っていた。そしてそのまま、俺は社長室に行くまで、道を阻む警備員を悉く撃破しつつ、向かう。





 そうして、俺はその社長室の扉を開けた。すると社長と思われる人物は目をまん丸とし、口がぽっかりと開いていた。俺は社長の首元にナイフを突き立てる。


「動くな。そこでじっとしていろ。」


そういうと、社長はその場から一ミリたりとも動かず、ただ冷や汗を流す人形と化していた。俺はそんな社長をしり目に、奴の背後にあった金庫のカギを力ずくでこじ開け、その中身をとった。俺はその中身の内容を確認し、その場を後にしようとした。すると、奴が俺に質問をしてきた。


「お前は、いったい何者なんだ?」


ああ。わかるよ。どうしてたった一人でビルに侵入できるのか。だけど、


「それを教える筋合いはない。だが、一つ教えといてやるよ。」


そうして、俺はその事実を口にする。


「俺はあの伝説の男、『ザードリ』だ。」


そういって、俺はその場を後にした。






 俺はそのビルの天井で星空を眺めていた。ああ。どうしてこうなったんだろうな。つくづくそう思う。本当に。


「俺は、ただただ普通に生きたいだけなのに。」


俺は怠惰だし、無欲だ。だけど、唯一ほしいものがあった。それが、普通の生活だった。だけど、そんな俺の夢は今はかなわない。だって、この戦争が終わらない限り、俺が、最強である限り。この願いはかなわない。



もしこの物語がおもしろい、続きが見たい!と思ったかたはブックマークや高評価を押していただけると幸いです。何卒宜しくお願い致します。


別シリーズ、風魔法しか使えない落ちこぼれと言われた僕はどうやら現代最強の魔法使いだったようですも絶賛投稿中です。よかったらぜひ読んでください!!

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