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焦がれたもの程届かない

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

願ったもの程、焦がれたもの程、私の元を去るのは、私がひねくれているからだと思います。

まぁそれは、此処の登場人物全員に言えますが。

家に帰ってきて、私は枕を片手に部屋を移動した。元々ノックをする様な間柄でも無いし、勝手に扉を開けて入る。彼は床に座って、ヘッドホンを着けていた。私が入ってきた事に気が付いてない。黙って近寄ると、気配で気が付いたのか、漸く顔をあげる。

「おかえり」

「ただいま」

簡素な挨拶の後に、私は彼の膝上に枕を置いてそのまま寝そべった。不貞腐れた様に平たい腹に顔を押し付ける。

今日という日がつまらなかった訳じゃない。けれども求めていたものが無かった。あの時もっとよく見ていれば、もっとしっかりと浸っていれば。そんな後悔ばかりが胸に残って侵食していく。まぁ後悔は後に立たないし、昔から愛したもの程、求めたもの程、私を手酷く嫌うから仕方がないのだけれど。

一人そうやっていじけていると、髪を撫でられる感触がした。どうやら慰めてくれてるらしい。

「今日どうだった」

「……明治、大正の博物館で、明治、大正のBGMを聞いて、一作品仕上げる筈がBGMが流れて無かった。展示会は先週で終わり。だから……BGMも撤去されてた」

圧倒的盲点。調査不足。大ホールで博物館の歴史が流れているPVだったから、てっきり展示会後も置いてあると思っていた。けれども実際はそれさえもセットだったらしい。懐かしいセピア色のPVもしっとりしたBGMもそこには無かった。ただの甘い過去と共にその場を去っていた。

「……物凄いショック……。もっとしっかり浸れば良かった」

私はぐりぐりと、固くて平べったい腹に顔を押し付けて、猫の尾の様に脚を動かす。それを咎める様に、彼は私の腿を叩いた。

「あー……でも、棚からぼた餅も無きにしも非ずだった」

ショックを受けて、そのまま音楽堂に移動したらフーガが流れていた。繰り返される旋律。追い掛けても、互いの音が重なる事はない輪唱。思いは届かないと知らされているようで、ほんの少し寂しくなる。

でもそれを聞きながら登る屋敷の階段は、あの図書館で聞いたBGMと引けを取らない程に心を満たしてくれた。宗教音楽故に、慰めてもくれている様だった。

その事を話すと彼はくすくすと笑って、頭を撫でる。顔を上げると慈愛に満ちた顔で見下ろしている。

「なんだ。今日はオルガンだったのか。聞いていたのも丁度オルガンのフーガだったし、着いていけば良かったなぁ」

「誘ったよ。しかもオルガンって言った」

「その時はその気分じゃなかったのさ。でもそう言うものさ」

そんなこんなで、幻想奇譚どーしよっかなー 状態です。

また本日も保留な気がします。

書くとしたら、夏の部屋ですかねぇ。


解読する場面あるか分かりませんが、ちょっと読み直しますね〜。


そこにあるのが当然と思っているもの程、願い、焦がれるべきものなのに、あえて素っ気なく接した因果応報な気がします。

そこら辺は此処に出てきた登場人物同様ですね。


気になった事に目を瞑り、失った時に虚しくなって、求めてしまう。

それは作品を後回しにした彼女と、誘いを断った彼と同じだと思います。


ひねくれているから、愛想尽かされるんだよ。

という特大のブーメランを此処に残します。

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