物件探しは順調!
3番街の物件探しも終わり、国王たちに報告を行うことにした。
「そうか、それは良かった」
「それだけですか?」
ドラゴニアの一大プロジェクトにしては反応が薄いような…
「ナオル殿のリハビリのスキルを信頼している」
「ドラゴン国の高齢化問題を解決するために頑張ってくれ」
国王に激励され僕は嬉しくなった。
「はい!」
こうして、僕はドラゴン国のデイサービスを作ることになった。
アリーシャと一緒に物件巡りをしていると、小さな家を見つけた。
3階建ての小さな建物で、設備も十分整っている。
僕はアリーシャに尋ねた。
「こことか、いい物件だな」
アリーシャも嬉しそうに答えた。
「ええ、私もそう思います」
しかし、営業している様子がなく廃墟のようだ。
「ここには何が?」
僕はアリーシャに尋ねた。
するとアリーシャが気まずそうに言った。
「ここは、過去の王族の別荘です」
「今は誰も住んでおらず、廃墟のような状態になっているのです」
「建物を壊すにもお金がかかるのでそのまま放置されているのです」
なるほど……確かに取り壊しの費用もバカにならないし放置するしかないのかな?
しかし、僕にはある考えが浮かんだ。
「よし、ここを改装しよう!」
僕が言うとアリーシャは驚いていた。
「えっ!ここにですか?」
「ああ、せっかくだしここを改装してデイサービスにしよう」
僕が言うとアリーシャは嬉しそうに答えた。
「ありがとうございます!更地にするのもお金がかかるので助かります。」
この世界、妙なところで日本と似てるんだよな……
こうして、僕たちは別荘の改装を始めた。
改装作業は1ヶ月程度で完了した。
廃墟だった別荘は綺麗に改装され、ドラゴンと人間のリハビリ施設へと生まれ変わった。
内装や設備もしっかりと整備した。
「これで、怪我で飛べないドラゴンもデイサービスに通えるな」
「はい、こんなに綺麗な施設は初めて見ました」
アリーシャも満足してくれたようだ。
あとは国王に報告を行うだけだ。
「国王様に報告に行くか」
アリーシャは嬉しそうに言った。
「そうですね、おじい様も喜んでくれるはずです!」
国王への報告はアリーシャに任せて僕は王宮に戻った。
「おお、ナオル殿か」
「なにか良い報告でもあるのか?」
「はい、施設の改修が終わりデイサービスを始める準備ができました」
国王は満足そうに言った。
「それは良かった!」
「喜ぶのはまだ早いですよ、始まってもいないんですから」
「そんなことはない、ナオル殿がいなければ我が国のドラゴン達は衰弱して死んでいっただろう」
「本当に感謝している」
「ありがとうございます。」
それほどまでに、ドラゴニアの高齢化問題は深刻ってことか……
こうして、ドラゴニアで世界初のデイサービスが始まることになった。
そして、国王に報告を終えるとアリーシャが言った。
「おじい様にもう一つお願いがあります」
「なんだい?」
「リハビリを受けるドラゴンは私たちに選ばせて欲しいのです」
アリーシャは真剣な表情で国王にお願いしている。
「ふむ……どうしてだい?」
国王の質問には僕が答える。
「リハビリは万能ではありません。怪我の状況ではリハビリでは回復が困難な場合もあるからです」
僕はさらに続ける。
「皆さんの期待を裏切るようなことは絶対にしたくない、だから高確率で能力が改善する者からリハビリしていく方針にしたいんです」
日本でもそうだった
リハビリは神の技ではない
回復が見込めないケースもたくさんあった。
国王はしばらく考えてから答えた。
「分かった、ドラゴンのリハビリはナオル殿に任せよう」
「私としては少しでも早く国民の助けになるようなら何でもしようと思う」
アリーシャは嬉しそうに言った。
「おじい様ならそう言うと思っていました。」
僕たちは国王にドラゴンのリハビリを任せてもらうことにした。
王宮から帰宅すると、アリーシャが嬉しそうに言ってきた。
「これで国民の役に立てますね!」
僕は笑顔で答えた。
「そうだな、早速準備を始めようか!」
こうして、僕たちはデイサービスの準備を始めた。