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異世界デイサービス   作者: はんぶん
11/36

ドラゴンのリハビリ

1週間後、国王が視察に訪れることになった。


「本日はよろしくお願いいたします」


アリーシャと一緒に頭を下げると国王は少し照れくさそうに言った。


「そう畏まらなくてもよい」


国王は怪我で飛べないドラゴンたちを見て、少し悲しげな表情をしていた。

「この者らは治るのか?」


僕は自信満々に言った。

「はい!治すことが可能な症状です!」


【改善する眼】ドラゴン達のステータスを評価する。

どうやら【改善する者】で機能回復が見込めるようだ。



僕は国王に伝えた。

「【改善する者】でドラゴンの羽ばたく筋トレ…リハビリは効果があります!」

国王は驚いた表情を見せた。


「そんなことができるのか!?」

アリーシャも驚いていた。


「さすがです!ナオルさん」


まずは、怪我をしたドラゴンたちを診ることにした。

怪我をしているドラゴン達を治療していると国王が話しかけてきた。


「ナオル殿、よろしく頼むぞ」


「はい!」


怪我をしているドラゴン達は衰弱しているものの致命傷となる怪我を負った者はいなかった。

怪我をしたドラゴン達を治療して分かったことがある。


それは、この世界のリハビリと日本のリハビリには違いがあるということだ。


日本では脳や神経へのダメージが原因の麻痺、怪我による痛みなどに対して治療をすることが多かったが、この世界では負傷や老化により身体が衰えた場合が多いようだ。


つまり、日本のリハビリで言う筋トレやストレッチのようなものがこの世界のリハビリになるのだ。


僕は筋力や体力をつけることがこの世界では効果的なリハビリであることに気がついた。

改善する者で瞬間的に治しても良いけれど

それじゃ、僕がいないとリハビリにならないから

この方法だけは避けることにした。



【改善する眼】でステータスを評価し、筋トレとリハビリを行うことにした。



2時間後、無事リハビリが完了した者が現れた。

筋力や体重が増え、飛ぶ準備ができたのだ。


国王は驚いた表情で言った。

「まさか……こんなにも早く……」


僕も驚いた表情で言う。

「まさか、こんなにも早く効果が出るとは……」


「これもナオル殿の力なのか?」


「いえ、皆さんがリハビリした結果です。」


「僕だけの力ではリハビリの効果を100%発揮することは難しいんです」


僕はリハビリはあくまでも本人の力を引き出すきっかけにすぎないことを説明した。

日本にいた頃も患者さんが他力本願になってしまっては、リハビリは効果を発揮しなかったから。


国王は少し考えた後で言った。

「ふむ……確かにそうだな」


僕の言葉に国王は納得したようだった。

その後、リハビリを受けたドラゴン達が空を飛んでいた。


「また、自分の力で飛べる日が来るなんて……」


リハビリを受けたドラゴン達は涙を流しながら

嬉しそうに自分の翼で大空を羽ばたいていた。


その光景に僕たちはとても感動した。

国王は嬉しそうに言った。


「空を飛ぶ皆の姿は素晴らしいな」

「はい!私も心が暖かくなります!」


アリーシャも嬉しそうに言った。


僕たちはリハビリを終えたドラゴンたちにデイサービスの案内を行った。


1日1回、リハビリを受けに行くことができるデイサービスだ。

定期的にデイサービスに通うことで

怪我を治すだけではなく、筋トレやストレッチを行うための

より良い健康状態を維持することができるのだ。


また、栄養補給も重要だ。

食事はカロリーを摂取し、筋力や体力をつけることができる。

筋力を維持するためには

トレーニングだけでなく、栄養管理の意識も改革していく必要がある。




1週間後には順調に利用者が増えているようだった。


その後、国王に連れられてドラゴニアの大臣達も正式な視察に来た。

リハビリを受け、能力を回復するドラゴン達を見て驚いたようだった。



アリーシャも嬉しそうに言った。

「はい!皆さん喜んでいます」


大臣達も

「ドラゴン国の高齢化問題を解決できるはずだ!」

希望に満ちたように国王に話しかける。


国王は終始笑顔だった。


「うむ、良い試みだ」


こうして、異世界の高齢化問題解決の第一歩を踏み出したのだった。


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