第53章:おだやかで平和だった、彼との残された日々(5)
・・・2019年11月30日、昼間のこと。
この日ぼくは、
宇都宮市清原工業団地北の、
新しい路面電車『LRT』の路線敷設、トンネル工事に関する工区で、
2号警備に従事していた。
本当はこの日、ぼくは勤務表では「休日扱い」となっていたのだが・・・
前日に、未熟な警備技能しか持っていなかった同僚が、適切な誘導を怠ったがために、
工事現場から出る、資材搬入用の大型トラックと一般車の接触事故を誘発して、現場から外され・・・
それでぼくが、休日にもかかわらず、
急遽、現場に引っ張り出された、という流れだったのだ。
・・・しかしながら、
工事現場に出入りする車両は少なく、
実にヒマで、楽な勤務ではあった。
ぼくは、
道行くおじさんや、ときおり通る自転車の女子高生、
小学生の列をぼんやりと眺めながら・・・
家で過ごしている、茶太郎ちゃんに思いをはせた。
(いまごろ、彼はどうしているのかなぁ・・・。もしかしたら、マイクロファイバーの上で、また引っくり返って、お袋が起こしにくるのを待ってるかもしれないなぁ・・・。おなかすかしてるんじゃないのか、茶太郎ちゃん・・・)




