第16章:短かったが、壮絶だった『倉庫暮らし』の日々(1)
2014年12月。
ぼくは、ついにキレた。
・・・といっても、別に凶悪犯罪をしでかしたわけじゃない。
実家を出ることにしたのだ。
お袋に、除染の仕事の不安定さを指摘され、これまでの大学受験の失敗や、国家公務員である食糧事務所を自己都合で退職したこと、
さらには、例のぼくの前科についてまでさかのぼって、自室に乗り込まれ、さんざん罵詈雑言を浴びせられた。
これまでにも、たびたびそのようなことはあったのだが・・・
今回ばかりは、過去最悪レベルで
さすがのぼくも、聞くに堪えないひどいものだったのだ。
実は、
かねてからぼくは、『たからものⅡ』の看護学校編でも紹介した、当時の親友、「熊田君」に相談し、
なんとかして、独立できないか、とか、一人暮らしでなんとかやっていきたいからチカラを貸してくれないか、と相談をもちかけていたのだった。
ぼくは、
語学書や重要な持ち物をまとめ、引越しの準備をすることに。
直前でお袋が泣きついて、「出て行くな。ここにいろ。」と言ってきたが、ぼくは、もう耳を貸さなかった。
そしてぼくは・・・
茶太郎とともに、熊田君の実家の古い倉庫を間借りし、そこで、うさぎと人間・・・ふたり仲良く暮らすことにした。