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エピソード2:Friday/キミの戦場④

 『仙台支局』の事務所を出たユカは、フロアにあるエレベーターを使って、この建物の31階まで登ってきた。

 複合施設のこの建物には、最上階に展望スペースと結婚式場が入っている。展望スペースはエレベーターフロアから見て左右にあり、ガラス張りになっているので風雨を気にせず景色を楽しめる場所だ。片方からは新幹線が走る様子を、もう片方からは遠方に広がる山並みを見ることが出来る。ベンチのように座って落ち着ける場所もあるので、ちょっとした観光スポットになっていた。現に今、週末の午後である今も、観光客らしき男女が楽しそうに眼下を眺めている。

 新幹線側の展望室にやってきたユカが、彼の姿を探してキョロキョロしていると……端の方でぼんやり立っている蓮(政宗)の姿を視界に捉える。ユカは一度呼吸を整えてから足を踏み出し、程なくして、彼の隣に並んだ。

 彼女の気配に気付いた彼もまた、肩越しに彼女を見下ろして……普段よりも近い距離に、思わず胸がドキリと跳ね上がる。

「ケッカ……」

「統治がここやろうって。ビンゴやったね」

 ユカがそう言って彼を見上げると、蓮(政宗)が弱々しく頬を緩めた。

「そっか」

「とりあえずお疲れ様。政宗の懸念事項が消えた……ことにはならんやろうけど、区切りは付けられそうやね」

「ああ。ただ……」

「――政宗は間違っとらん」

 刹那、蓮(政宗)がギョッとした表情でユカを見つめる。自分の迷いを一刀両断する彼女は、視線を前に向けたまま……同じ言葉を繰り返した。

「この決断は間違っとらん。政宗がそれを信じきられんでどげんすっとね。あたしも統治も、支倉さんも……片倉さんも、路頭に迷わせるつもりなん?」

「そんなこと……!!」

「勿論、パッと割り切れん気持ちも分かっとるつもり。けど、さっきの電話でしっかり言葉を選ぶとことか、見た目は名波君なのに、ちゃんと政宗に見えた。色々なものを背負って、覚悟して、逃げずに相手と向かい合ってるとこ、流石やなあって見直したところやったんよ?」

「ケッカ……」

「今回に関しては、あたしも統治も本当に間違っとらんって思う。まぁ、仮に間違っとったら……」

 ユカはここで彼を見上げたまま、口元にニヤリと笑みを浮かべた。

 そして、彼に再就職案を示す。

「その時は大人しくここを畳んで福岡で出直したい」

「……マジか。そっちのほうが茨の道だよなぁ……」

 破顔した蓮(政宗)が、引きつった顔で肩をすくめる。そして、自分が負のループへ迷い込む前に助け出してくれた彼女には、相変わらず頭が上がらない。

「ケッカ、ありがとな」

「どういたしまして。政宗には……早くもとに戻ってもらって、ケッカちゃんに牛タンばおごってもらわんといかんけんね。流石に名波君のままで財布を出させるわけにもいかんし」

「ヲイ」

 本音とも冗談とも取れる言葉に、彼はいつものくせで彼女の帽子に自身の手をのせそうになり……静かに、その手を引き留めた。


 そして……時刻は間もなく18時。

 1週間の業務を終えたはずの『仙台支局』には、どことなーく、重苦しいく空気が漂っていた。

 応接用のソファは、定員の4人が腰を下ろしている。統治の隣に心愛、机を挟んだ彼女の向かいに政宗(蓮)、その隣に蓮(政宗)という構図だ。ちなみに瑞希は衝立の向こうで電話番をしている。

 ユカは4人が見える場所――いわゆる誕生日席と言われる位置――にパイプ椅子を持ってきて腰を下ろしている。そして、無言の4人にため息をついて、この会合の進行役をかってでることにした。

 消去法と会話の流れから、自分がやらないと話が進まないと思ったからだ。

 その理由は……。

「えっと……要するに名波君、君がずーっとずーーーっとモヤモヤしとったことは、心愛ちゃんの誕生日に何を渡せばいいか決めきらんかったけんが、ってことで……よか?」

 ユカの言葉に、政宗(蓮)は俯いたまま首を縦に動かす。


 遡ること5分前。学校終わりに『仙台支局』へ呼び出された心愛に、統治が、政宗と蓮の内面が入れ替わっていることを説明した。

 当然、心愛も半信半疑だったが……統治から「自分で視てみろ」と言われ、文字通り、その事実を目の当たりにすることに。

「じゃあ、今朝家にいたのは名波君だったってこと!?」

 心愛の言葉に、統治が「そういうことだ」と頷いた。心愛が2人の『因縁』を見て現実を理解する様子を見ながら、ユカは「『縁故』ってこういうときに便利なんよねぇ」としみじみ思う。

「この件が解決するまで、名波君には離れで生活してもらう」

「そうだったんだ……」

 心愛はツインテールを揺らしながら、ソファに座っている2人を交互に見つめた。そして、視線を政宗(蓮)の方へ固定させると、今回の騒動の核心に迫る。

「じゃあ、テストが終わったから……名波君のストレス源も消えたってことで、2人は元に戻るのかしら。でも、絡まった『因縁』がそんなにほぐれているようにも見えなかったんだけど……」

「そうだな」

 妹の指摘に首肯した統治は、斜め前に座っている政宗(蓮)を見据えた。

 政宗が抱えていた懸念は、先程の一件でほぼ解消されたはずだ。アフターフォローにユカを向かわせ、メンタルが落ちる前に引き留めてもらっている。今日の夜も含めてフォローしていけば、彼は問題なく立ち直るだろう。それはいい。

 問題は……名波蓮だ。彼が何に困っているのか分からない。ここを潰さない限り、今回の事件は終わらないのだ。それは彼自身も分かっていることだろう。だから、そろそろ口を割ってもらわないといけない。統治は政宗(蓮)に向けて、口調だけでも柔らかく聞こえるように話を進める。

「名波君、個人的な事情かもしれないことは承知しているんだが……佐藤のように、強く、もしくは長く悩んでいることはないだろうか。今回絡まってしまった『因縁』は、『縁』の中でも特に『個』の要素が強い。それは君自身もよく知っていることだと思う」

「……そうですね」

「あまり手荒な真似はしたくないから、出来ることならば穏便に終わらせたい。何でもいい、何か思いつくことがあれば教えて欲しいんだ。もしも俺たちに言い辛いのであれば、伊達先生にメールでも――」

 刹那、政宗(蓮)の目に強い拒絶が宿った。

「――絶対嫌です。それだけはないです。それをやるくらいなら一生このままでも構いません」

「そ、そうか……ただ、ここで言いづらければ仁義に伝えるだけでも構わない。解決のヒントになる情報を出してほしい」

 統治の言葉に、政宗(蓮)はソファに深く座り直すと……一度、大きく息を吐いた。

 そして、視線を前に向ける。そこに座っているのは心愛。蓮の心労の理由(・・・・・)になった人物だ。

 これ以上隠せないし、自分ひとりでは解決できそうにもない。

 旅の恥はかきすて、とはいうものの、ここは旅先ではない。だから、あまり知られたくはないけれど。

 彼の中で思い当たる、大きな一つの悩み。それは……。

「その……誕生日プレゼントが、どうしても思い浮かばなくて」

 政宗(蓮)の口から出た意外な言葉に、統治を含め、発言者以外のメンバーが目を丸くした。

 てっきり、「女装で働くことにウンザリしているんです」とか「伊達先生がデリカシー皆無なのでストレスマッハなんです」とか、迅速な解決が難しい問題だと思っていたから。

 統治が声をかける前に、彼の隣に座っていた心愛が両手を握りしめて立ち上がった。

「じゃ、じゃあ、心愛も協力しますっ!! こ、この中では一番若いしっ!!」

「心愛さん……」

「も、勿論心愛だけじゃなくて、りっぴーやジンに聞いてもいいと思います。でも、心愛も頑張りますから!! まずは、相手の方のことを教えてくれませんか? 心愛達も知っている人なら、考えやすいんですけど」

「それは……」

 政宗(蓮)はグッと言葉に詰まった後、重苦しい息と共に……その名を呼んだ。

「……心愛さんへのプレゼントです」

「そうなんですね。心愛への……こ、心愛への? 心愛? 心愛って心愛? え、ちょっ……ええええぇっ!?」

 心愛の悲鳴のような声が響いた瞬間、ユカと蓮(政宗)は顔を見合わせ……恐る恐る統治を見やる。

 2人の視界に入ってきた統治は、大きな苦虫を盛大に噛み潰したような表情だった。


 そして、時間は今に戻ってくる。

「えっと……要するに名波君、君がずーっとずーーーっとモヤモヤしとったことは、心愛ちゃんの誕生日に何を渡せばいいか決めきらんかったけんが、ってことで……よか?」

「……そうです」

 ため息と共に吐き出した返事に、ユカは脳内にカレンダーを思い浮かべながら問いかけた。

 そもそも、心愛の誕生日は10月ではないのだ。

「ね、念のために確認するけど、心愛ちゃんの誕生日って9月やったよね?」

 この問いかけに、政宗(蓮)は「分かってます」と言いながら首を縦に動かす。そして、時間がかかっている理由を、ポツポツと語りだした。

「勿論、当日までに用意したかったんですが……9月は色々あってそんな余裕もなくなってしまって。10月は10月で上旬に緊急事態だったので……」

「そ、それは……その節は大変ご迷惑をおかけしました……」

 10月の緊急事態は自分のせいなので、ユカも思わず萎縮してしまう。そして、蓮(政宗)と目配せをして役割を決めると、彼の心の中にある思いを、丁寧に引っ張り出すことにした。

「名波君やったら、当たり障りないもの……例えばコスメとかお菓子とか、そういうのを適当に見繕って渡すことも出来たと思うんよ。でも、それをせんかった。理由を教えてくれんやか?」

 蓮の性格であれば、当日に自分だけ渡さないよりも、適当に何かを選んで皆と一緒に渡す方を選ぶのではないかと思った。それこそ、里穂や仁義と同じタイミングで渡すほうが、圧倒的に渡しやすいのだから。

 それをせず、1ヶ月以上も先送りにしてしまった理由が、きっと何かあるはず。

 ユカの問いかけに、政宗(蓮)はチラリと心愛を見た後……膝の上で両手を握りしめる。

「……僕の誕生日を、ここでお祝いしてもらった時に……心愛さんからプレゼントをもらいました」


 6月9日、蓮の誕生日当日のこと。『仙台支局』内では里穂や仁義、心愛も集まって、ちょっとしたパーティーを開いていた。

「片倉さん、おめでとう」

 政宗が、少し大きめの紙袋を手渡す。それは普段、華蓮として洋服を購入しているセレクトショップのものだった。

「これは、俺と統治、ケッカの3人から。片倉さんの好みに合わせたつもりなんだけど……サイズ、一度確認してもらえるかな」

 華蓮が袋から取り出したのは、先日、店の前を通り過ぎた時にディスプレイされてた、今夏の新作ワンピース。色は薄い水色で涼しげ、デザインもシンプルで好みだし、使いやすそうだと思いつつも……やはり新作なので値引きされておらず、購入を見送ったものだった。ちなみにサイズも問題ない

 華蓮は政宗を真顔で見つめて……正直な疑問を口にする。

「私が欲しいもの……誰かに聞いたんですか?」

 その問いかけに、政宗は首を横に振った。

「いいや。まぁ、普段着ているものとか見てればなんとなく分かるよ」

 したり顔で言ってのける彼には、こんな感想しか出てこない。

「そこまで出来るのに、どうして……」

「やめよう今はそれ以上聞きたくない」

 真顔で首をふる政宗を、隣りにいるユカがキョトンとした表情で見上げた。その様子を見た統治が、人知れずため息をつく。

 そんな3人を押しのけた里穂が、「これは私からっすー!!」と、縦に10センチほど高さがある紙袋を差し出した。

「あけてくださいっすー!!」

「は、はい……」

 華蓮が言われるままに袋を上から開くと、中から、大きなボトルの化粧水が出てきた。見たことのないブランドのものだ。

「これ、私も今使ってるっすけど、使用感もサッパリしてて、全身に使うと気持ちいいっすよ。学校でも評判が良かったので……是非、試してみて欲しいっす!!」

「ありがとうございます……」

 そんな里穂の隣から、仁義がB5サイズ程度の紙袋を差し出した。促されるように中を開くと、中から、レザータイプの文庫と新書、単行本サイズのブックカバーと、紐で挟むタイプのブックマーカーが出てくる。

「片倉さん……と、名波君は読書が好きだと伺ったので、よければ使ってください」

「ありがとうざいます……」

 最早同じ言葉の繰り返しになってしまう。そんな蓮の反応を見た里穂と仁義は顔を見合わせて、最後、1人残っている心愛に場所を譲った。

 心愛は一瞬顔を伏せたが……顔を上げて頑張って華蓮を見つめ、手に持った可愛い袋を差し出す。

「あ、あの……おめでとう、ございます……」

「ありがとう、ございます……」

 心愛から受け取った袋は、両手にのるほどのサイズ。重量感はあまりない。華蓮が流れに沿って開封してみると……中からシュシュが1つと、髪を結ぶ飾り付きのゴムが3つ出てきた。

 そして華蓮は、このシュシュに見覚えがあるような気がして……。

「あれ、これ……」

 改めて心愛を見ると、彼女のツインテールにも、同じデザインで色違いのシュシュが巻きついていることに気付く。

 気付かれた心愛は目を見開いて顔を赤くしてから、必死で言い訳を構築した。

「こ、これは、その……心愛も可愛いなって思って!! が、学校でつけてると怒られて没収されるから、放課後くらいしかつけられないしっ……!!」

「ココちゃん、楽しそうに選んでたっすよね。さっきだって楽しそうに髪につけて……」

「りっぴー!!」

 里穂に大声を出して牽制する心愛は、呆けている華蓮を見つめ……一度息をはくと、華蓮に向けて、柔らかく微笑む。

「心愛はもう、片倉さんのこと……怖くなんかないですよ」


「――良かったわね、華蓮ちゃん。貴女のこと、こんなにお祝いしてくれる人がいて」


 いつの間にか華蓮の頭上に現れた分町ママが、何も言えなくなった彼女にニヤリと笑みを向けて……手元のワイングラスを美味しそうに傾けたのだった。


「その後、心愛さんにはアロマオイルを選ぶのに付き合ってもらったこともあります。とてもお世話になっている人に失礼がないようにしたい、ちゃんと選びたい、そんなことを考えていたら……その……」

「なるほど。生真面目がちょっと空回りしとるって感じやね。しかもゴタゴタばっかりでしっかり考える時間も、心愛ちゃんが好きなものをリサーチする暇もなかった、と」

「……」

 ユカの指摘に、政宗(蓮)はコクリと頷いた。それを確認したユカは、相変わらずむずっかしー顔をしている統治を見やり、こんなことを問いかける。

「ねぇ統治、統治は例えば……あたしや櫻子さんへの誕生日プレゼントを選ぶ時、どげんして選ぶ?」

「俺が?」

 突然話を振られた統治は、少し考えた後……。

「そうだな……山本であれば食べ物、櫻子さんであれば仕事でも使えるカバンや財布にすると思う」

「食べ物もやけど、カバンや財布も好みがあると思わん? どげんやって調べると?」

「分からなければ本人と一緒に買いに行くか、事前に直接聞いておくかもしれない」

「なるほど。じゃあ次、10年片思いの佐藤政宗さん。ケッカちゃんへの誕生日プレゼントを選ぶ基準をおしえてくださーい」

「その枕言葉いるか!?」

 刹那、本人から爆弾を落とされた蓮(政宗)が、目を見開いて口をワナワナさせた。

「しかも本人から言われるってなん……あぁもう!! ケッカには牛タンを奢ってケーキ買っておめでとーで充分だろ!!」

「ハイありがとう。要するに……ここにおる2人に共通しとるのは、相手と一緒になって何かするってことやろうね。折角やし、名波君も真似してみたらいいっちゃなかと? ちょうど、本人もおることやし」

 ユカがそういって心愛を指差すと、注目の的となった心愛が「えっ!?」と目を見開いて硬直した。そこでようやく立ち上がっているのが自分だけであることに気づき、恥ずかしくなってソファに戻る。

「というわけで心愛ちゃん、名波君になんか欲しいものをパパっと言ってくれんやか?」

「ちょ、ちょっとケッカ!! さっきからズケズケと何なのよ!!」

「こういう役回りがおらんと、話が進まんって思ったけんね。で、何かなかと? 例えば、これ食べたいとか、ここ行きたいとか、そういうのでもいいと思うっちゃけど。多分、心愛ちゃんの願っていることを叶えられたら、名波君側の問題は解決すると思うんよ」

「そ、そんなこと言われても……」

 心愛は視線を泳がせつつ、思案を巡らせる。

 確かに、先月の誕生日。蓮からは「おめでとうございます」というメッセージは届いたけれど、それ以上のことは何もなかった。ただ、当時、蓮は華とのことで盛大に悩み、前に進もうともがき苦しんでいたところだった。だから、それどころじゃないだろうと……しょうがない、と、自分を納得させていたのに。

 まさか……蓮自身がそれを気にして、気にして、気にしすぎて、こんなことになってしまうとは。

「じゃ、じゃあ、心愛は……」

 自分が、今回のトラブルを解決できるきっかけになれるのならば。

「心愛は……な、名波君と……す、水族館に行きたい!!」

「っ!?」

 刹那、政宗(蓮)が予想外と言わんばかりに目を大きく見開いて。

「なるほど、デートやね」

 刹那、ユカのまとめを聞いた統治が手を滑らせ、持っていたスマホを自身の右足に叩き落とした。

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