表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョン村は今日もにぎやか  作者: わたあめ☆
11/43

生活改善

オーガ、父になる

前に全階を繋ぐ穴をあけてあるから、それを利用して水路を作ることになった。


会議で俺が提案すると、全員一致で、早く作れ!と言われた。


みんな、ギアの味方になってねぇ?


連れてきた時には、あんなに人間だぞ!とか言ってたくせに。


まあいいけど、俺もギアかわいいし。



そんな訳で、早急に水路作り。


俺は大工仕事が、めちゃくちゃ得意。

ダンジョン裏口から出て、適当な木を切って、木材に加工していく。


横では、ギアが俺の勇姿を憧れの眼差しで見てる。

ふっ照れるぜ。


この1ヶ月で、ギアは、ほんの少しだがふっくらしてきた。


顔色も良くなって、体中の傷や痣も、少しずつ回復している。


俺は作業の合間に、ギアの頭を撫でて


「遊んできていいぞ」


と声をかける。


ギアは、きょとんとして


「遊ぶって、なに?」



俺は、その場にうずくまった。


サキュバスのセイラから、人間の子供は、遊ぶ、食う、寝るだけで暮らしてるって聞いたけど。


ギアは違ったらしい。


「遊んだことねぇのか?」


「うん、分からない。父さん母さんと暮らしていた時は、朝早くから、夜遅くまで、ずっと働いてたから」


俺は泣いた。


こんな小さいのに、そんな大変な暮らしだったのか。


「働いていたのは、僕だけだったから」


ん?


「他のやつらは?」


「みんな、具合いが悪かったんだ。兄弟も体が弱いから働けないんだって、父さん母さんが言ってた。だから、僕が働かなくちゃいけなかったんだ、、、でも、仕事から帰って来た僕を叩く力は、みんなすごく強いから、いつも体中が痛くて、息をするのも苦しかった」


俺は、ギアを抱きしめていた。


「もういい。聞いた俺が悪かった」


ギアは、訳が分からない顔をしてる。


俺がセイラから聞いた街の子供の暮らしとは明らかに違った。


ギアを、これから幸せにしてやる。


俺は、心に誓った。

母は誰だ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ