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某月某日
朝の通勤列車に乗っていると、『鸚鵡の頭をした人間』と『童話の赤ずきんちゃん』が乗っているのだから驚く。誰も気に留めない様である。皆、人格が無い人形なのかもしれない。
仕事を終えて帰り、妻に話しても無反応であった。
夕食はプリン一個であった。
もの寂しく思い、黄色とカラメルソースをテラテラ閃かしているプリンを見つめていたら、プリンだけが人の言葉で話しかけてくれたので喜ぶ。
プリンは女のプリンらしく、艶かしい声で艶かしい事を垂れ流している。
媚態について。人は、いや男は相手がプリンだろうと欲情できるものらしい。尾籠な話だが、私は私の折り鶴を膨らませた。
プリン相手に挑むわけにもいかないので、私は女のプリンをスプーンで掬って食べると、
(脳をスプーンで掬われた人間の様に彼女は絶叫したのである、)
妻を相手に房事をした。
結論。女性の器官を備えてはいるが、家内はやはり人格のない人形であった、
私の結婚生活とは一体。
しょぼん。