表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

超短編

ノート

作者: ミーケん

【Twitter企画4作目】

この短編は【Twitter企画1作目】にすこし関係してます。

読んでいなくても問題は無いと思います。

 ノートに文字を羅列していく。

 その文字はただの羅列ではなく、いづれ言葉となり、意味をなす。

 そんなことに気が付いたのは一体誰のお陰か、誰による陰謀か、それともなにか別の自分がそうなったのか。

 中途半端に知識を得た自分の中にはそんな溢れだしそうな想いが重く思い出されていた。


 ある日の放課後。彼の文字は意味をなすのか。


 教室の中、夕日に照らされ、それを目を細めながら眺めていた。

 教室には誰もいない。誰もいなかった教室はずっと誰もいないままだ。

 今日の昼に誰かは知らない俺の知らない誰かが自殺をしたんだという。

 そのため、俺を含め、全校生徒全員が強制下校させられた。

 では、なぜ俺がこの教室にいるのか。

 俺はこの教室から見た。彼女が落ちていくのを。

 落ちて、血が飛び散るその瞬間まですべて見ていた。

 そう。すべて見ていた。

 落ちていく途中でも血が出ていた。

 そして屋上にいたもうひとりの目撃者も。

 だから俺はここにいるのだ。

 この自殺が本当に自殺なのかどうかを調べるために。

 俺は自分の席に座った。そしてノートを開く。

 そのノートには真っ黒になったページしかなかった。

 しかし、読み取れる。確実にわかる文字がひとつあった。

 意味をなす文字だ。

 そこにはこう書かれていた。

『不幸なハッピーエンド』

 と。

 

 夕日は静かに沈み始めていた。

 あと少しすればこの教室は闇に包まれる。だからといって電灯をつける訳にはいかない。外に気づかれるわけにはいかないからだ。

 バレたらどうなるかわからない。下手したら俺が彼女を殺したと疑われてしまうかもしない。

 ノートの続きをこの明るさで読むしかない。さて、あと30分ってところかな。

 不幸なハッピーエンドの物語はこうだった。


 ふたりの男女がいたという。

 女は男に依存していて、男は女を利用していた。

 ふたりはいつも一緒にいた。寝るときも、昼ごはんを食べるときもずっと一緒にいた。

 そんなある日に久しぶりに男と女が別れた。

 そのときに男が友達に言ったらしい。

「死んでくれ」

 と。

 友達は死に、男も死んだ。

 そして残された女は───。


────今日死ぬ。


 どこにもハッピーエンドの要素なんて無く、完全なバッドエンドだ。

 どうしてこんな物語にハッピーエンドなどと名付けたのか。

 俺は気になった。というよりなぜ俺の机にこのノートがあったのか。訳がわからない。


『ガタッ』


 なにもいない教室に物音が響いた。俺は反射的に振り返った。

「………え?」

 思わず声が漏れた。

 そこにはノートがあった。

 俺の机に入っていたのとは別のノートだ。

 近づいて手にとって見てみればそのノートの表紙には赤い染みがついていた。

 最近ついた血のようだ。

 それを開いて一瞬で俺は後悔した。

 




 

      『永遠で幸せなハッピーエンド』






 僕はそうして永遠の眠りについた。



 なにも知らない僕だからこの物語は幸せだ。



 ねぇ、君はいま本当に幸せ?



 ────死んでるのに?

ミーケんです!

今日は遅れてすみません!

やっぱり毎日短編出すのは大変ですね(笑)

では!また明日!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ