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刀のごちそう
「いーすー、一休。ごちそう用意したからだべー」
と、お殿様は言いました。
「あ~、マジっす? イッチャっていいっすか?」
「おーガンガンいったってー」
一休さんはそらもうガンガン食べます。
「あー、一休、お前の喉は何でも通るなー」
「ええ、私の喉は何でも通りますよ」
待ってましたと言わんばかりのお殿様です。
「だったらこの刀! 通して見せんかい!」
頓知勝負は始まりませんよ?
「はぁ? そら勿論通るよ? でも一生に一辺しか通らん物だってあるんですよ? お殿様が私の死ぬ寸前まで生きておられたのなら、通してご覧にいれますが、あ~、まず無理だろうな~」
「うーん……。だよね。一休、もういいや」
「あっ、いいっす?」
こうして屁理屈をこねまくり、無事寺に帰ったとさ。
この屁理屈小僧ですが、普通ならあっさり斬られてもおかしくないと、作者は幼少の頃より思っておりました。