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~ 赤き月 人に言はれぬ 物言ひも 白き時より 何ぞ言はむる ~

 ズリュッ・・・ 動かなくなった相手からマチェーテを引き抜く、対象が活動停止に陥ったのは3激目前だった。自身の活動において効率を優先するとなると、まず最初の課題はコレだろう。


 一撃目で相手の急所を付く。それが命を奪う側、命を奪われる側両方においての最善たる道であろう。成功すれば奪う側は一振り以降、なにもしなくてよい。そして奪われる側も、下手な苦しみを味わうことなく安寧を手に出来る。

 

 成功しないのは、それは奪う側に良心の呵責があるから、はてまた奪われる側の生存欲求が相手のソレを上回るからだ。目の前の「動いていた」ものは既に「動いていない」 。なぜなら、自分が「奪う側」として相手を「奪われる側」へと変えたからだ。 右手には相手の形見が握られている。これをどうするかで悩むのは 「奪う側」として」生き残ったものの責務だ。手に取るも捨てるのも自由だ。

 

 だが彼はどちらもしなかった。 形見の物体をどうしたのか? 「食った」のだ。彼は形見を「食った」のだ。 人間の口ともいえる機能は彼には無い、だが形見を取り込んだその 行動は「食った」というほうが正しいハズだ。

さきほどまで稼働していた敵・・・そう、彼の敵は既に動いてない。 いや、正確に言えば今も動いている。 彼の持つ形見、赤にも緑にも光る石。そう、これが敵自身だ。


 石は彼の前に光と消え、彼の胸部を通して彼の体に浸透する。 その光景は「捕食」。弱者が肉となり強者の食となる「捕食」に他ならない。 虎が鹿を「食う」ように、鷹が蛙を「食う」ように、彼もまた敵を「食った」のだ。

 しかし、敵が彼を天敵とみなしていたのかは疑問が残る。 天敵という自信と才能があれば、相手に臆することなく、また傷も付かないで 食事を終えていたのだろう。しかしそうではなかった。

彼もまた、敵の抵抗を受けたのだろうか、無数の傷跡が残っている。 特に肩から腰にかけての大きな刀傷が、いかに彼が苦戦したのだろうかを 表していた。そう、勝ったからこそ肉を食えていただけだったのだ。もしも彼が負けていたのであれば、肉となったのは彼のほうであろう。 こうして肉にありついているのは、力と技をもって相手をねじ伏せ、彼が未来に生きる資格を手にしたからなのだ。


 ヒュウゥゥゥゥゥゥ・・・ 傷口がふさがっていく、備え付けられていた自己修復機能がフル回転する。 徐々に刀傷を含めた全身の負傷が回復していく。もう2分もすれば完治するだろう。

正直、彼は限界を感じていた。 見たことも無い世界、見たこともない姿。彼はただ、己の生存欲求に従って 相手を倒し、その血をすすってきた。 しかしそれだけで先の戦いに生き残れるかどうかは、彼自身も分からなかった。

 契約者だ。そう、契約者だ。 今自分に必要なのは契約者だ。それも自分を受け入れてくれる契約者を。 重い足取りは、彼の疲労と焦りを混ぜた感情を表しているようだった。


Twitter小説から作品ごと移籍してまいりました、新堂ガイと申します。どうもこんにちは。

初めての方は初めまして。顔見知りの方はお久しぶりです。

執筆の動機としましては、なにか和風のメカが暴れるものを書きたかったとか、カンチガイ系ニッポンを別解釈でやってみたかった的な、至極単純なものです。

移籍ついでに一度読み直してみましたが、ものの見事にぶっ飛んだ言い回ししかしてませんね(笑)。

とりあえず移籍したからには隙をみて執筆を続けてきたいと考えております。とりあえず次回からさっそく本編に入りたいと思います。

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