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『タフの方舟』:ジョージ・R・R・マーティン(小説)

 作者の名前でピンと来たなら、もはや迷うことなくお勧めである。マーティン氏は今や『氷と炎の歌』で世界的に有名だが、その作者が昔書いたSF小説がこれだ。

 この小説、主人公からして異彩を放っている。外人が大好きなオッサンなのだが、2メートルの巨体を誇るデブという点。そしてデブなのに菜食主義者。そして猫好き。そしてあの独特な慇懃無礼さすら感じる丁寧なしゃべり口調。裏表紙には「宇宙一あこぎな商人」と書かれているが、私はそこに「宇宙一ハイスペックなオタク」という文句も付け加えたい。

 物語は連作短編形式。最初に『氷と炎の歌』でこの作者を知ったので、ついつい重厚な長編かと思っていたので予想外だった。しかもかなり面白く、まとまった内容……こんな書き方もできるとは知らなかった。こいつ、かなりやりよる。

 タフはひょんなことから方舟号を手に入れる。方舟と言えばノアの方舟だが、これはまさしくそれを実現した方舟で、地球上だけでなく様々な惑星に棲息する生物の遺伝子が保存されており、それを使って自由自在に生物を作り出すことができる、というもの。ドラクエモンスターズを彷彿とさせる。ドラクエモンスターズはモンスターを捕まえてこなければいけないが、こちらは遺伝子情報で最初から作り出せるし、さらに遺伝子を直接いじることで様々な生物を生み出せるのだ。モンスター爺さんもビックリだ。

 そんな方舟を猫と一緒に率いて、タフは様々な惑星から依頼を受けて、それを解決していく。様々な内容の依頼があるのだが、一番の大きな物語は惑星ス=ウスラムを舞台にしたエピソードだろうか。このエピソードだけで3編ある。上下二巻の内、半分くらいはス=ウスラムの話だ。ス=ウスラムは都市化が進みまくった惑星で、急激に増えた人口を養うために常に新たな食糧の増産を必要としていた。

 このス=ウスラムは地球の発展し続けた姿がモチーフなのだろう。解決策を次々打ち出すタフの姿は必見だ。次々と出てくる新種の作物の名前も、見ているだけでおもしろい。この作者はかなり食べ物好きなのか、『氷と炎の歌』でも食事のメニューが詳細に記述されているたりする。そのあたりのこだわりが最大限発揮されている。グルメ宇宙旅行記ともいえるくらいだ。

 生物を操る技術というのは結局のところ農耕に直結している。ス=ウスラムの話が主軸になっているのも偶然ではあるまい。

 ス=ウスラムだけではない。どの話も面白く、バランスの取れた話であり、オチもちゃんとつけられていて秀逸。ぜひ続編を書いてほしいとファンは思うところなのだが……多分『氷と炎の歌』の執筆で忙しくて無理だろうなぁ。ドラマ化して、その脚本にも手を突っ込むものだから、『氷と炎』の執筆もなかなか進まない。頼むから小説業に専念してくれ! と思うのだが、こういうドラマとかの仕事をやって他から刺激をもらうことでいい小説ができたりするので、そればかりは何ともかんとも……

 要するに、はよ『氷と炎の歌』第六部を出せ、ということだ。ついでに言うと、この作品はドラマ化もされておりかなりの好評。私もしばらくしたら見ようと思っている。興味のある方はドラマから入ってみてもいいのではないだろうか。


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