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ネオンマニアックス:映画

稀に見るクソ映画。今まで見た創作物全部の中で、ダントツで面白くなかった。唯一の長所は91分で終わってくれるところ。

 この映画どう考えてもクソ過ぎるぞ。おかしい。いや、クソというとクソに失礼なくらい、クソだ。

もうタイトルから何やらよからぬ空気が漂っている。いや、それにしても、この映画に関しては褒めるところは一つもない。あえて言うなら女優にちょっと可愛いのがいたくらいだろう。フェイス氏が「学園黙示録の実写版」と評したのもうなずける。『学園黙示録』は「ゾンビアニメ」を僭称する同人萌アニメ(あるいは漫画)だが、これはスプラッター系ホラー映画っぽいゴミだ。この映画のせいでたくさんの人間が人生でもっとも空虚な「91分間」を過ごし、心に耐え難い苦痛を背負った。

 見終わった瞬間、ソ連兵の拷問から解放されたような安堵が筆者の心を包み込んだ。ていうか3時間くらいあるように感じたよ。それくらい全体のテンポがすっトロく、見ていて「はよ次の場面いけや!」と思うことがしばしばだった。

 ていうか、冒頭の主要スタッフ(監督名とか)の名前だけ流すスタッフロール。こういうのって、普通は最初の導入場面の端っこらへんにさりげなく出てくるものだと思うけど、突然画面真っ暗になってそこに流れる。映画の流れを冒頭から断ち切る、見事なスタッフロールだ。ここでビデオデッキの電源を落とすことを、筆者は強く勧告する。今思い返しても、ここでやめておけばどれだけ良かっただろうか。それも今となってはもう遅いのだが。

 まあ、まずはこの映画のあらすじから紹介しよう。まず、町がある。それはそれは大きな町だ。町の名物っぽい橋があって、郊外には大学生が麻薬すって乱交ラリパッパできる緑豊かな公園みたいな場所がある。そこに現れたのが『ネオンマニアックス』と呼ばれる怪物どもたちだ。しかし、作中でそんな名前で呼ばれることはない。その正体について、ひとことでも言及されることすらない。それは置いとくとして、次々とネオンマニアックスの餌食となる人々……唯一生き残った少女ナタリー(だったと思う)の証言も、警察は全く信用しようとしない。そんな中、映画好きのポーラという少女(なぜか箱裏の解説には少年と書いてあるけど、普通に女の子だよね?)がネオンマニアックスたちの様子をカメラで撮影することに成功する。しかし、彼らはカメラには映っていなかったのだ! だが、そのときひょんなことから彼らの弱点がなんと「水」であることが判明する。え? 水? そう、水なのだ。水である。H2Oのことである。そしてポーラとナタリーとそのボーイフレンドは、来るバンド大会にてネオンマニアックスたちを葬り去るべく、水鉄砲を準備して待ち構える。そこに大量のネオンマニアックス登場。ナタリーもそのボーイフレンドも会場の観客たちも、全員逃げ惑うばかりで何もできない中、ポーラだけ消化用ホースで立ち向かう! 見事に撃退する! 警察に通報する! 警察、ネオンマニアックスのねぐらと思しき場所(名物橋の下にある)に消防車連れてやってくる! でもやっぱりいなかった! 消防車と他の警官を返した後、警部がひとりで中を探索する! お約束通り突如現れたネオンマニアックスたちに殺される! やっと終わる! 人生って素晴らしい!~~


 あらすじから、ちょっとお笑いを取り入れたホラー映画と思うかもしれない。だがそれは間違いだった。ユーモアのセンスもホラーのセンスもない。ジャンル分け不可能。あえて分けるなら『燃えるゴミ』しか思いつかない。

 映画全体に言えることが、場面から場面の切り替わりが非常にかったるい。特に中盤からラストにかけてが酷い。ホラー的な恐怖演出の定石みたいなのを意識しているのだろうが、一つ一つが非常に間延びしている。特にラストのバンド大会。

 怪物が闇の中近づいてくる→音楽演奏→怪物が道路を移動している→音楽演奏→怪物が校舎に近づいてきたよ→音楽演奏→怪物が校舎の中に入ってきたよ!→音楽演奏→怪物が警備員を殺したよ!!→音楽演奏→怪物が警備員の臓器を抜き取ったよ!→音楽演奏→怪物がついにバンド会場にきたよ!→まだ音楽演奏してるんかい!

 しかも会場へ侵入するのも、普通にドア開けて侵入。壇上にいるボーイフレンドは一度怪物の姿を目にしているにもかかわらず、自分の歌に夢中で怪物たちの侵入に気づかない。結局ポーラが気づいて、水鉄砲で攻撃する。水鉄砲がなくなってからは消化用ホースで撃退。その間、観客は同じ場所をトロトロ逃げ惑うだけ。てか、お前ら襲撃されているのになんで早く出ていかないんだよ?

 理由は怪物たちの動きがすごくとろいから、それに合わせたのだろう。確かに、怪物は特殊メイクやら重そうな衣装を着ている。1986年当時の技術ではこれが限界だったのかもしれない。でもさあ、1986年と言えばかの名作『エイリアン2』と同じ時期だぜ? エイリアンの素早い動きがあれだけ表現されていた時代に、これは酷くね? 仮に予算やスタッフの関係で無理だったとしても、スピード感は演出である程度カバーできるはず。

 ポーラがホースで撃退すると、ナタリーとそのボーイフレンドは「校長呼びに行こう」という理由で会場から出ていく。で、結局校長呼べず。ていうか校長以前に呼ぶものあるだろ? 普通は警察と救急車呼ぶよね? しかも途中で怪物に追い詰められ、教室へ逃げ込む。そこで何したと思う? ナニをしたんだよ、この二人。ポーラが必死に戦っている最中に。俺はポーラに同情するよ。途中の警備員殺して臓器抜き取るシーンもそうだけど、二つとも全く必要ない。臓器抜き取るシーンは、ただ怪物の残虐性を見せるためだけ。別に怪物の習性とか、食うためにそういう加工している、とかじゃない。残虐性を見せるだけなら、他にも効果的な演出はあったはず。無意味なシーンと下手な音楽を交互に聞かされて発狂寸前だよ、こっちは。

 んで見事結ばれた二人はそのまま助かる。なんの活躍もしてないけど助かる。被害者も、あれだけたくさん殺されたのに、なぜか死体などいっさい見つからない。警察もお手上げ。

 筆者の予想するに、怪物たちは殺した人間を持って帰ってまた新たな怪物へと改造するのだろう。だから死体が見つからない。そして町はやがて怪物だらけになって壊滅へ……てやりたかったんじゃないかな。今となっては、もうどうでもいいけどさ。一応、なぜそう思うのかと言うと、途中のバスに乗っているシーンが理由。そこで窓から怪物が腕を突っ込んでくる。んで、窓を強く閉めただけで、怪物の屈強な腕は切断されてしまう。そのときバスの中に転がり込んだ腕の切断面に、何やら機械のチューブじみた物体が写っているのを、眠気に必死に耐えている筆者の目は捉えた。そこから想像するに、怪物は改造されたアンドロイド的な何かで、機械だから水をかけたら死ぬ、という設定が最初あったんじゃなかろうか。もう中二の黒歴史ノートと一緒だが。

 あ、そうそう。その腕なんだけど、男がバスから外に放り出して、道端に落ちてる腕をたまたま通りかかったオッサンが見て、「この町からもそろそろ引っ越したほうがいいか」て言うんだけど、本当に全く面白くないし無駄なシーンだったよ。アメリカはイランより一刻も早くこの町を空爆すべきだ。

 この映画を作るなら、せめて俊敏で屈強な怪物が町を埋め尽くし壊滅させる、しかしポーラの活躍でナタリーたちは何とか船にのって川に逃げ込むことができた、とかそんなところで収めておくのがいいんじゃない?(投げやり)

 最後に一言。

 結局ネオンマニアックス、てなんだったの?


レビューまでクソになってしまった。すまない、俺の力が足りないばっかりに……

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