表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/125

シャドウ・オブ・ザ・ダムド:(ゲーム)

 ぶっちゃけ、ゲーム批評というより動画批評である。

 ゲームは買ったが、チャプター2をクリアしただけだ。そこのボスを倒した時点でおもんなくて投げた。チャプター1はチュートリアルでないも同然なので、実質1チャプターで投げたことになる。

 そこからあとは動画を見て済ませた。世界観だけは良かったからだ。

 動画を見て、つくづく「やらなくてよかった」と痛感した。

 まあ、感想を述べる前に買った経緯と良い点をば。

 買った経緯は、やっぱり「バイオ6ショック」の余波である。このせいで「TPSやりたい症候群」を発症してしまったのだ。それを癒すために買った。

 買ってプレイして最初の方は、神ゲーとまでいかなくとも、そこそこの良作感はあり期待は膨らんでいった。また、メインスタッフの須田、三上、山岡というなんか微妙に聞いたことがあるようなないような名前が並んでいたのも十分期待できる要素だった。特に三上氏はバイオシリーズに関わっていた世界的にも有名なゲームクリエイターなので、ますます期待は膨らむ一方だった。

 オープニングからいきなり悪魔の頭をぶち抜くなど、グロ描写もZ指定だけあってふんだんに取り込まれておりグッド。主人公の「ファック YOU!」などの汚いセリフや、決して日本人的イケメンではないが渋い大人のカッコよさも自分的に受け入れ易かった。全体的にB級映画を意識しており、それは十分に反映されていたと思う(雰囲気だけは)。

 肝心のゲーム部分だが、ここの出来も画期的面白さとまでいかないものの、標準的とはいえ十分面白いものだった。TPSらしい射撃の楽しさは十分押さえてあり、敵も部位欠損がちゃんと描写されていた。特にヘッドショット時にはちょっとした演出も入り、「射撃の楽しさ」を盛り上げる仕様になっている。

 敵のデザインも、一部既視感があるが、総じて悪魔っぽいデザインで、見た目にもカッコよさと禍々しさがあってよかった。


 だがいいところはここまで。

 まずボス戦が単調かつダルい。弱点の赤い玉を撃つだけの簡単なお仕事です。いや、簡単でもなかったか。チャプター最後に戦ったボスはエヴァ位の大きさがあるのだが、そいつの弱点はかなり高い場所についている。それを狙おうとして照準を上げていったら――あれ? 腕が上がらないぞ? そう、ガルシアは40肩だったのだ。そりゃしょうがないわ。銃も重たそうだし。なんかせいぜい60度くらいしか上がらなかった。アイザックさんより年上なのか? でもアイザックさんはもっと上まで狙えたぞ。

 ボス戦自体もボスとの駆け引きというより、パターン読んで後は作業。見た目がかっこいいだけにもったいない。

 もう一つは、ゲームシステムにある通称「闇システム」(と勝手に呼んでいる)。これがどの敵より、どのボスより強くてウザイ。

 「闇システム」とは、闇の中にいる悪魔は無敵になる、というもの。また、闇に触れた悪魔は通称「闇メッキ」状態になり、同じく無敵になる。闇メッキをはがすには、光のある場所でライトショットを当てる必要がある。そしてさらにウザイことに、闇の中では主人公ガルシアの体力がじょじょに減ってゆくといういらないおまけ付き。

 この「光と闇」の視覚的描写自体はいいと思うのだが、それをゲームシステムとして取り入れる手法がまずいように思う。せっかく敵をノーダメージで突破しても闇システムで理不尽なダメージを強要されるからだ。また、光と闇の描写も、もっとレンブラント的というかなんというか。ああいう宗教画チックに出来たら、もっと悪魔っぽい感じがでたのではなかろうか。

 最後に、最大の欠点を。

 それは、つまらないミニゲームが多いということだ。

 特に2D横スクロールのミニゲーム。しかもこれが一つだけならまだ許せる。それが全部で3つあり、しかもけっこう難易度が高い。特に3つ目のステージはかなり難しい。何も「ミニゲームを一切入れるな」とは言わない。ただ、こういうのは入れてもスパイスとしてであって、難易度ももっと簡単にするべきだ。なぜ、本編でないゲームのクリアを強制されなければならないのだろうか。ギャグ漫画のシリアスパートくらい無駄だ。

 また、細かい欠点としてはヒロインのポーラを恐怖の対象にしてしまったことも問題だ。

 マリオのピーチ姫がマシンガン持って襲いかかってきたら、果たして救出したいと思うだろうか? ゼルダの伝説でゼルダ姫がショットガン持って追いかけてきたら助けたいと思うだろうか? ダンテの『神曲』で悪魔化したベアトリーチェが追いかけてきたら、物語自体ぶち壊しにならないだろうか?

 むしろ『イコ』のように「助けたいけど助けられない」恐怖を描くべきだろう。それも一応描かれてはいる。ポーラは悪魔にさらわれ、地獄で死ぬこともできずに何回も残虐な方法で死ぬという苦しみを味わわせられる。この設定から、ポーラが残虐な方法で死ぬ→その死体から悪魔登場、というパターンにも一応の説得力があるのだが、まるでポーラが悪魔化したような気になる。これだけならこのゲーム独自の設定だから仕方ないかもしれないが、途中にはポーラが追いかけてくるという場面まである。ご想像の通り追いつかれたらチューされて死ぬ。下着姿の発狂した女が追いかけてくるなんてマジで恐怖だぞ。そしてラストでは完全悪魔化したポーラと戦う。恋人に銃を向けるなんてどうなってるんだ? バニラアイスはディオの模型を壊させただけでブチギレてたんだぞ? 


 とまあ、長所はあるものの、それを生かしきれず微妙ゲーになっちゃった、という感じかな。もうひとつ、長所があった。それは処刑されたと思しき死体のアキレス腱がえぐられていたことだ。おそらく逃げないようにそういう処置を施したのだろう。こういう細かいところまで作りこんであるのはいい。

 できれば、もっとガッツリ悪魔たちとの銃撃戦を楽しみたかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ