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『ICO』:ゲーム(PS3版)

2001年に作られたとは思えない神ゲー。バイオ6は11年間なにやってたんだ……

だいぶ前に買ったのだが、そのまま放置していた『ICO』をようやく全クリした。理由のひとつとして、バイオ6が余りにクソすぎてやるゲームがなくなったから、これを機会にやってしまおう、というのがあった。

 全クリして思ったのは、これ本当にクリアしてよかった。一生のうちに一回はプレイしておきたいゲームと言えるだろう。

 以下、批評の過程でゲーム性もハードも制作年代も何もかも全く違うバイオ6と比べることがあるが、これは寛容な心でお許し願いたい。やった直後だっただけに余計比べてしまうのが自分の中にあった。


 まあ、とにかく。このゲームのすごいところは「プレイヤーに任せる」ところだと思っている。最初のヨルダ救出の場面も、何の説明もなくいきなりプレイヤーに任せている。それもただ放り投げているのではなく、ちゃんと計算しつくしたプレイヤー任せなのがすごい。影がヨルダに襲いかかって、そこでいきなりプレイヤー任せ。もちろん、そのまま引きずりこまれたらゲームオーバーだから助けなければいけないのだが、それに到るまでに説明など一切なしである。プレイヤーの直感を反映させ、ゲームへの没入感を高めるいい演出だと思った。最後の方にも、そういう咄嗟の判断を求められる演出がある。『ワンダと巨像』でもそうだったが、そういうゲームならではの演出というか、ゲームでしか表現できないことをやるのが、上田氏はすごいうまい。

 それから仕掛けやパズルを中心とした、ゲーム全体のレベル調整。バイオ6では「テストプレイしたのか?」と疑われるレベルだったが、ICOはそこらへんも完璧。どこかでバグったりクリア不能になったりすることなく、快適に謎ときに集中させてくれる。後半でゲームに必要のないシビアさだと思う箇所が少しあったが、それくらいで後は快適だった。とはいえ序盤の影との戦いは正直、うっとうしさを禁じえなかったが。ヨルダが実はショットガンでも持っていないかと、本気で期待した。

 ヨルダのAIもかなり作りこんである。バイオのAIとは大違いだ。思わず守ってやりたくなるような、リアリティ。一部梯子のところで何回も登ったり降りたり、なかなか降りてきてくれなったことがあったが、それくらいだ。やっぱり梯子の下でパンツ見ようとして待ってたのが原因なんだろうか。

 それと映像的な美しさ。これはグラフィック面も、美術的な面も両方だ。さすがにPS3と比べると見劣りするが、バイオ6の後なら「これがPS2か!?」と思うくらいのグラだ。直前までPSで作っていたのを急遽PS2に変更したそうだが、それでこの出来とか上田神でしょう……しかも上田氏はこの『ICO』が初めて作ったゲーム。今まで何本もゲーム作って来たはずのバイオ6のスタッフって一体……

 美術的な美しさも抜群。派手なデザインを凝って作らなくても、シンプルな要素をうまく組み合わせて効果的に相乗効果をあげている。舞台となる城だって、どこも大して変わり映えするわけではないし、同じ場所に行ったりすることもある。それでも飽きさせない工夫が凝らされている。太陽の光の加減とか、アクセントとなる鳩とか、草や木。特に太陽の光は思わず「眩しっ!」てなるくらい。二人のキャラクターの色合いも考えられている。全体的に茶色や灰色が圧倒的に多い中、主人公のイコは赤っぽい服を着ている。影はもちろん黒だし、ヨルダは白。遠くから見ても誰が誰かはっきり分かる。ゲーム性とデザイン性の融合……バイオ6では全然できてなかったことだ。そもそも、バイオ6は引用してきた要素をそのまま繋ぎ合わせただけだ。そこに一貫した「哲学」がなかった。それが大きな違いとなったのだろう。太陽の光の表現は、『ニーア・レプリカント』にも受け継がれているような気がする。そういえばあっちも主人公は白色中心で敵は黒、とか違いがあったなあ。まあとにかく、美術的にも『ICO』は美しさに満ちている。

 ストーリーもよかったなあ。別に伏線も何にもないし、ツッコミどころもあるっちゃある。だけど、シンプルゆえに「なんとなくいい」と思わせる力がある。これもゲームだから表現できたように思うから、「ICOの小説を書け」と言われれば私は困り果ててしまうだろう。そのあたり宮部みゆきはどうしているのか気になるので、ちょっと小説版「ICO」でも買ってみよう。

 バイオ6と違って、またやりたくなるようなゲームであることは間違いない。それから、場面によってはバイオ6より恐怖を感じる場面すらあった。まあ、バイオ6はゲームのクソさが一番の恐怖だったから、さすがにそれには負けるか。

 一個だけ言えるのは、「とにかく買ってやれ」ということ。

 あと上田氏に一つだけ言いたいことが。

 マジで『人食いの大鷲トリコ』早く完成させてください。諸事情あるのは重々承知ですが、それでももうちょっと早くなりませんかね? また神ゲーをお願いします。


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