『マスエフェクト2』:ゲーム
ネタバレ、専門用語無しバージョン。有りバージョンはあるのかと問われると厳しい。
『インベーダーゲーム』は言わずとしれたゲーム業界黎明期の名作ゲームであると同時に、シューティングゲーム(特に敵が攻撃してくるところが)としても元祖のゲームだ。そしてそこから発展していってTPSが生まれていった。多分。いや、本当はどうか知らない。もしかしたら海外のFPSを輸入して生まれたのかもしれないし、そんなことはライトゲーマーの俺には分からない。ただ、一つだけ言えるのは、そう言ったゲーム発展の歴史の最先端に、この『マスエフェクト』は位置する、ということだ。
『マスエフェクト』を一言で説明するなら、スペースオペラシューティング、と言ったところだろうか。『スター・ウォーズ』や『スタートレック』を彷彿とさせる世界を、最新のグラで描いたゲームがこの『マスエフェクト』だ。外人の映画的感性がこれでもかというくらい発揮されたゲームで、美少女キャラ(特に日本のアニメ的な)とか一切出てこないから、ある意味安心してプレイ出来るのではないだろうか。
ゲームのくせに映画を意識したのかどうか知らんが、『マスエフェクト』は3部作になっている。そこで、本来なら一作目からプレイしたいのだが、残念ながら初代『マスエフェクト』はXbox360でしか発売してない。よって『マスエフェクト2』をプレイした感想を書く。
このゲームの凄いところは、TPSとRPGを融合させちゃったことである。戦闘はTPS形式で、それ以外はRPG要素が散りばめられている。例えば銀河の町の探索や、仲間やNPCとの会話(しかもフルボイス!)、レベル制度とそれに伴うスキルの強化システム、色んな武器を集めたりそれをアップグレードしたりなど。会話には選択肢があってその選択肢によっては仲間が違った反応を見せたり、戦闘を回避出来たりする。RPG要素は戦闘にも若干取り入れられており、プレイヤーは仲間に指示を出すこともできる。向こうの物陰に移動しろ、とか、この敵を攻撃しろ、とか、このスキルを使え、などである。なおこのAI、ほっとくと無謀にも敵群の中に突っ込んで自滅したりするなど、ドラクエ並みの愛嬌も兼ね備えているかわいいAIだ。このせいで何度メディジェル(回復薬のようなもの)を無駄にしたか分からない。
TPSの戦闘部分もかなりの出来で、まさに「21世紀に再来した究極のインベーダーゲーム」だと言えよう。状況に応じた的確な武器の使い分けと、シューティングスキルが求められる。ただ、シューティングスキルの方は、ゲーム中のスキル(時間を遅くしたりとか)を使えばカバーできるため、初心者にもとっつきやすくていい。さらに主人公シェパードのクラス、育成次第では戦略の立て方もプレイヤーによって変わってくるだろう。そういう幅の広さも良かった。いいゲームというのは、「ある制限の下でいくつもの選択肢が自由に存在する」ゲームだと思っている。その選択肢を増やしまくったのがオープンワールドゲームと見ることも出来るだろう。『マスエフェクト』はそこまで自由ではないものの、十分プレイヤーを悩ませる選択肢が適度に配置されている。一昔前まで「洋ゲー=グラはいいけど作りが雑」とかいうイメージを持っていたが、こういったイメージは完全に過去のものとなったようだ。全てのゲーム要素が緻密に組み合わさって一つの大きな世界観を構築している――『マスエフェクト』はゲームの見本のような作品だと言っていい。もはや日本はゲーム先進国ではなくなったんだなあ、と嬉しいやら悲しいやら……
そしてRPGに欠かせないのは仲間である。魔王を倒すには仲間との絆(笑)と愛(笑)と勇気(笑)が必要だ。『マスエフェクト2』では任務を達成するため銀河中から優秀な仲間を集めることになるが、半分以上は異星人だ。まるで宇宙に進出した『白鯨』のエイバブ船長のような気分を味わえる。自分を船に仲間を乗せて銀河を駆け巡る――それだけで男なら二時間は勃起できる。それぞれのキャラにはもちろんながら特長があり、どのキャラを中心に使っていくかも楽しみのひとつだ。仲間には是非とも長門有希とアイザックさんが欲しかったが、さすがにDLCでも配信してないそうだ。長門はあまりに世界観が違うから渋々諦めるとしても、せめてアイザックさんは同じEAだし何とかならんかったのだろうか。でも開発はバイオウェアとか言う会社で違うから無理なのか。
あとはとにかく世界観の作り込みが凄い。惑星を探査して資源を発掘するのだが、その時に惑星の解説が出てくる。全ての惑星に緻密な設定がなされており、制作者のSFへの愛が存分に感じられた。まあ、「典型的な木星型ガス惑星」率が異常に高かったのがちょっと残念だったけど。他にもゲーム中の科学技術や武器の設定も詳細を極めており、若干の中二感もあってセンスもよかった。もちろん、各種族の設定も作りこまれている。ただ、それゆえにプレイヤーは専門用語の海に放り出されることになり、最初は戸惑うことになるだろう。事実そうだった。でも理解できてくると俄然楽しくなってくる。
さて、そんなこんなで是非ともプレイして欲しいのが『マスエフェクト2』だが、このゲームにも数少ない短所がある。
まず、データダウンロード式なのにロードが頻繁かつ少々長いということである。これはゲームの容量を考えたらある程度仕方ないのかもしれない。だが、船内をエレベーターで移動するだけで30秒くらいのロードは流石に長すぎると思う。仲間と気軽に会話しにいけない。
致命的ではないが、ときどきちょっとフリーズしたり、バグがあったりする。フリーズで完全に止まってやり直し、は無かったのでまだ良かったが、バグでくぼみの中に入って出れなくなってゲーム進行不可能になったことが一回だけあった(シタデルの駐車場?みたいな場所)。
後は扉を開ける時などハッキング時のミニゲームと、惑星から資源を掘り出すミニゲーム。最初は面白いのだが、だんだんと飽きて退屈になってくる。特に資源発掘の作業は、その退屈さだけで2周目の気力を削いでしまうに十分だ。
二周目で思い出したのが、二周目への引継ぎ要素がほとんどなかったこと。Xbox版では入手した武器を持ち越せるらしいが、PS3版では全くなかった。前回のプレーに応じて少々の資源ボーナスがつくぐらいである。折角難易度ハードコアで取ったゲスパルスライフルが持ち越せないとかどうなってんだよ~!
あと、いくら美少女までいかなくともせめて美人くらいは用意しとけや~! ミランダいくらなんでもオバハンすぎやろ!
と細かい不満はそれなりにあるが、それも可愛く思えるくらい強烈な長所を兼ね備えたゲームであることは確か。
洋ゲーに特に抵抗がない人やSFが好きな人は、是非ともプレイする価値のある素晴らしいゲームだと思う。




