『宇宙侵略――ロサンゼルス決戦』:映画
正直、ガッカリ映画だった。
『バトルシップ』と全く同じ映画。SFでも宇宙人襲来モノでもない、ただ単なるアメリカ国防総省の海兵隊宣伝映画。
この手の映画でいつも思うことが二点。宇宙人側の技術が、恒星間航空を成し遂げるくらい進歩しているのに地球人と大差ないこと。地球人は未だ月に有人飛行したのみで、太陽系の地球外惑星にすら足を踏み入れていない。そこから鑑みれば、少なくとも何光年、下手すれば何百、何千光年離れた太陽系外の宇宙からやってきた宇宙人がどれほどの科学力を持っているか、今の地球人では想像も出来ないような技術を持っていることくらいは想像出来る。
そしてもう一点が同じく宇宙人側の戦略がとてつもなく杜撰ということ。最初は平和的な外交目的で近づいて、警戒心を解いてから奇襲、とかすればいいのに(特に宇宙人からすれば地球人など原始人同然だから、騙したとしても大して罪悪感も感じまい)、そういう小細工なしでいきなり少数の精鋭(笑)部隊を送り込む。そして戦術も極めて杜撰。
先程の技術の話と被るが、人間ですら核兵器を持っている。宇宙人ならそれ以上に強力な兵器を持っていても何の不思議もあるまい。むしろ、宇宙人侵略モノの醍醐味なんてそこじゃないのか? 『インデペンデンス・デイ』の巨大円盤から放たれる巨大ビームはロマンで出来てるんだよ。“宇宙侵略”とまで銘打ってるからには、宇宙を感じさせる攻撃をしてくれよ。
話がそれたが、自分が宇宙人なら、まず最初に人類の主要都市と主要軍事施設を先の宇宙的コズミックスーパー兵器で消し去ってから悠々と侵略を開始するだろう、ということ。特にこの『ロサンゼルス決戦』の宇宙人は、『インデペンデンス・デイ』と同じく“地球の資源”が目的なので、ぶっちゃけ地球人など生かしておく必要など一切ない。さっさと人類を絶滅させてから優雅に焼き畑農業でもすればよかったのだ。ただ、『インデペンデンス・デイ』より優れていると思ったのが、『ロサンゼルス決戦』の宇宙人は水、それも液体の水を求めているから地球に来た、という点。『インデペンデンスデイ』の宇宙人は、明言されてないが、おそらく鉱物資源を求めてきたと思われる。それなら地球でなくとも、人類のいない惑星でいくらでも鉱物資源を取り出せばいい。だが、液体の水は、それも大量の水は、地球にしかない。そこの宇宙人侵略の動機づけだけは唯一この映画でマシだった点だ。
他はとてもじゃないが褒められたものではない。タイトルに“宇宙”だの“決戦”だのぶちまけといて、結局市街地で小競り合いだけ、というのには興ざめもいいところだ。タイトル詐欺に近い。内容に則したタイトルにするなら『ロサンゼルスゲリラ戦――宇宙人たちとハチャメチャドンパチ』くらいにしとけ。
肝心の戦闘も、FPSゲームに近い。というか『バトルフィールド3』を元に『マスエフェクト』の要素を足したものだと思えば、ゲーマーの方にはよりこの映画を想像出来るのではないだろうか。最近は、ゲームの影響を受けた映画も多いような気がする。もちろん、ゲームの方が先に映画の影響を受けているのだが、何だかゲーム的な映画が多いような気がする。
話を戻そう。この映画、宇宙人の造形自体はそれなりに良かったと思う。生物的だが、どことなく機械にも見える。実は武器や何かが体と一体化しており、生物と機械の中間の生命体、といった感じだ。だが、褒められるのもここまで。こいつらの使う無人航空機の設定があまりにお粗末過ぎた。電波を探知するのはいいが、近くの人間は探知できないという、あまりにお粗末な設計。しかも無人機の司令部みたいなのがあって、それが地上にある、というね。衛星軌道上にあるんじゃないんだ…… ただ地上に無防備に配置されているだけだったんだ。そしてミサイル二発食らっただけで死んでしまうんだ。パトリオットも役に立たなかったんだ。
この映画を見て思ったことは、日本のミサイル防衛システムをもう一度しっかり検討してみるべきではないか、ということなんだ。




